プロジェクトPickUp 2012年

「IPv6 for Everybody!」
広くあまねくIPv6の普及を!

ソフトバンクグループでIPv6インターネットサービスへの移行を進めているのが、BBIX株式会社(以下「BBIX」)です。同社ではIPv6を活用したインターネットへのローミング接続サービスである「IPv6 IPoE(ネイティブ方式)」※1サービスを提供するなどの取り組みを行っています。今回は、同社で本サービスを担当している技術企画部 部長の山崎 裕司に、サービス概要およびIPv6の現状についてインタビューしました。

IPv6ローミングサービスの提供開始

まずIPv6とその現状について教えてください。

山崎:インターネットの世界では、パソコンやルーターなどの接続機器に対し、IPアドレスという識別番号が自動的に割り振られます。このIPアドレスがインターネット上の「住所」の役割を担っているおかげで、メールやWEBサイトなどの目的地にたどり着くことができます。従来主流だったのは、IPv4(インターネット プロトコル バージョン4)と呼ばれる方式で、およそ43億通りのIPアドレスを用意することができました。ところがインターネットの爆発的普及により、このIPv4で用意できるIPアドレスは、全世界で間もなく枯渇しようとしています。IPアドレスが枯渇すると、例えば新たなWEBサイト開設ができなくなるなど、悪影響が出ます。このため、アドレス数が約340澗(かん)とIPv4と比べて圧倒的に多いIPv6(インターネット プロトコル バージョン6)への早期の移行が、必要不可欠であると言われています。BBIXでは、このIPv6インターネットサービスへの移行を進めています。

次に、BBIXという会社と事業について教えてください。

山崎:BBIXは、2003年にソフトバンクグループのIX事業(インターネットエクスチェンジ事業)を立ち上げるべく、ソフトバンクBB株式会社(以下「ソフトバンクBB」)を母体として設立しました。主な事業として、ISP(インターネットサービスプロバイダー)さまやデータセンター事業者さま、CSP(コンテンツサービスプロバイダー)さまに対して、相互にネットワーク接続するための事業を展開しています。
エンドユーザーであるお客さまからはなかなか見えにくいかもしれませんが、例えばお客さまがインターネットを使う場合、Yahoo! BBなどのISPと契約します。しかしISPから先、インターネットにどのようなルートを通ってつながっているのかを、お客さまが意識することはありません。しかしISP側から見ると、どのルートを通ってお客さまにインターネットへ接続していただくかは、コストや運用面でも非常に重要な課題になります。そこで、ISPさまが低コストで高品質なネットワーク環境の構築を行うことができるような接続拠点をBBIXが提供しています。この事業を柱としながら、今後は「IPv6ローミングサービス」を、全面的に展開していこうとしています。

IPv6への移行は必要不可欠

「IPv6ローミングサービス」とは、どのようなサービスなのでしょうか?

山崎:前述の通り、IPv6への移行は、インターネットサービスのさらなる普及・発展のために必要不可欠です。そこでBBIXでは、IPv6を活用したインターネットへのローミング接続サービスである「IPv6 IPoE(ネイティブ方式)」※1サービスを、2012年3月1日(木)より提供開始しました。今回のサービス開始を機に、IPv6をより一般に広めていければと考えています。
このサービスは、BBIXがISPに対して、インターネットサービスに必要なネットワークの設備や、システムの運用機能をまとめて提供するソリューションとして、信頼性の高いサービスを低コストでご利用いただけます。また本サービスに加え、今後IPv6ネットワーク上でのIPv4サービスの利用が可能となる、「IPv6 IPoE + IPv4 ハイブリッドサービス」の提供を予定しており、条件が整い次第、できるだけ早期にサービスインしたいと考えています。

サービス導入におけるさまざまなメリット

サービス導入の具体的な利点は?

山崎:例えばYahoo! BBにご加入中のお客さまの場合、「IPv4もIPv6も意識せずに使うことができる」という点が一番のポイントです。現在、一般的に提供されているIPv6サービスは、お客さまが「IPv6サービスを申し込む」ことが必要です。これは、お客さまがIPv6の情報を意識的に収集する必要があり、IPv6のようなインターネットの仕組みの部分に興味があるお客さましか申し込まないサービスになってしまいます。一方、「IPv6 IPoE + IPv4 ハイブリッドサービス」が開始されれば、今まで通りの申し込み方法で、全てのお客さまがIPv6の恩恵を受けることができます。
またISPさまにとっても大きなメリットがあります。ISPは通常、インターネットに接続するために自ら通信設備を購入し、ネットワークを構築して運用していく必要があります。それには当然、莫大なコストや時間、専門的な知識やノウハウ、人的リソースが必要になります。ローミングサービスは、これら裏側の仕組みをISPさまに代わって提供するため、ISPさまはネットワークの運営に関わるコストを削減可能になります。
さらに、ISPさまにとっては、IPv4アドレスの枯渇問題にも対応する必要があります。IPアドレスが枯渇すると、新たにIPアドレスを付与できないため、せっかくの新規のお客さま獲得機会を損失することになります。こういった問題を解決するためにもBBIXのローミングサービス活用がメリットになります。

「IPv6 for Everybody!」でNo.1を目指す

IPv6普及に向けた抱負をお聞かせください。

山崎:BBIXでは、「いかにお客さまがIPv6を意識せずに使うことができるか」をポイントとして、試行錯誤しながらサービス化を検討してきました。「当たり前のことを当たり前に提供する」ことが、IPv6普及の鍵になると考えています。ソフトバンクグループでは、Yahoo! BBなどのISPサービスを展開しているため、当社はお客さまの声やISPさまの抱える課題を、リアルタイムに聞くことができます。このグループシナジーは、サービス作りにおいてとても役立っています。今後もさらに商品価値を上げていくべく、さまざまな仕組みをサービスに取り入れて行こうと考えています。
前述のとおり、今後はIPv6ネットワーク上でIPv4サービスの利用が可能となる、「IPv6 IPoE + IPv4 ハイブリッドサービス」の提供をいち早く実施すべく準備を進めています。技術開発はソフトバンクBBとBBIXの技術陣が協力し、「IPv6 IPoE + IPv4 ハイブリッドサービス」に必要な機器を独自開発しています。こういった付加価値を生み出す機器開発を独自で行えるのは、ソフトバンクグループの強みです。

長期的には「IPv6 for Everybody!」のスローガンのとおり、IPv6を広くあまねく普及させ、誰もがIPv6インターネットサービスを使えるような環境を作っていきたいと考えています。

BBIXは、IPv6インターネットサービスにおけるNo.1企業を目指してまいります。

(掲載日:2012年5月28日)

[注]
  • ※1NTT東日本株式会社およびNTT西日本株式会社が2011年7月19日に報道発表したインターネット接続機能で、両社の2010年5月19日の報道発表では「ネイティブ方式」として説明された機能
  • 内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。