プロジェクトPickUp 2013年

アクセスポイント数No.1を誇る
「ソフトバンクWi-Fiスポット」の戦略


「ソフトバンクWi-Fiスポット」に設置する無線ルーター

ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)では、外出先で手軽に高速インターネットを利用できる公衆無線LANサービス「ソフトバンクWi-Fiスポット」を順次拡大しています。そのアクセスポイント数は、2012年11月29日現在で35万カ所を突破し、競合他社と比べても圧倒的No.1を誇っています。「ソフトバンクWi-Fiスポット」の戦略について、ソフトバンクモバイル 営業第三本部 ワイヤレスソリューション統括部 統括部長 兼 ソフトバンクテレコム株式会社 ワイヤレスソリューション推進本部 副本部長の石川 龍にインタビューしました。

「簡易な仕組み」と「品質改善」で圧倒的No.1へ

「ソフトバンクWi-Fiスポット」は、国内の移動体通信事業者が提供する公衆無線LANサービスのアクセスポイント数でNo.1を誇っています。その要因は何でしょうか?


石川

石川:理由は主に三つあると考えています。一つ目は、「簡易的に設置できる仕組みを開発したこと」です。「ソフトバンクWi-Fiスポット」のサービス開始当初は、ADSLや光ファイバーなどの有線でネットワークをつないでいたものを、小型の無線ルーターで電波を受けられるよう改良し、そこからWi-Fi接続できるようにしました。このルーターの良いところは、「電源さえあればどこにでも置ける」という簡易性です。ケーブルも、大きなスペースも必要ありません。
さらに、事前の電波チェックからお客さまへのご説明、申し込み情報の登録、設置テスト、作業終了後の報告などを、全て1台のiPhoneで実施できるように専用のアプリケーションを開発しました。このルーターと専用アプリケーションの組み合わせによって、作業時間が大幅に短縮され、簡単に「ソフトバンクWi-Fiスポット」を設置できるようになりました。

二つ目は、「品質改善を繰り返していること」です。例えば、当初は一種類の電波のみに対応したルーターを使っていましたが、別の周波数帯も利用できるルーターを開発し、どちらの帯域の電波でも使えるようにしました。そして、すでに設置済みだったルーターの大半についても、この最新機種に取り替えました。これにより、つながりやすさが大幅に改善し、またWi-Fiにつながるまでの時間も短縮されました。この最新機種では店舗の外に電波が漏れないよう調整ができる機能を搭載しました。また、設置済みのWi-Fiスポットの利用率が低い状況が確認できたお客さまに対しては、こちらから直接伺って対処するなど、さまざまな品質改善を行っています。現在、35万カ所以上の「ソフトバンクWi-Fiスポット」が稼動していますが、常に半分以上はこのような改善を実施している状況です。

三つ目は、「部署間の垣根を越えてプロジェクトを推進できたこと」です。技術本部、営業推進本部、品質管理本部など、各分野の専門知識を持ったメンバーが集まり、毎週定例会を行うなどして知恵を絞り合いました。こうした努力が実を結んで、圧倒的No.1の無線LANネットワークを構築することができました。

数の拡大とさらなる品質向上を目指す

今、最も力を入れている取り組みについて教えてください。

石川:お客さまにとって価値のある場所へ、重点的に「ソフトバンクWi-Fiスポット」を設置するようにしています。例えば、主要駅のホームや電車の中、あるいはファストフード店、ランドマークと呼ばれる大型施設など、人がたくさん集まり、皆さんが「Wi-Fiを使いたい」と思うような場所です。大型施設に「ソフトバンクWi-Fiスポット」を設置する場合には、先ほどのルーターよりも大きな設備を準備して、バックボーンにも光回線を用い、通常の基地局を建てるときと同じような規模の設置工事を行います。このように、一言に「ソフトバンクWi-Fiスポット」と言っても、使われている機器や技術は、場所や規模などによって変わってきます。

最近、特に設置の要望が多いのはどのような場所でしょうか?


無線ルーターの設置作業の様子

石川:東日本大震災以降、全国の自治体の皆さまから、多くの引き合いをいただくようになりました。震災の際、音声通話がつながらない状況で、Wi-Fiのネットワークは影響を受けずに使うことができました。こうした経験から、「通信手段を多様化しておいたほうが良い」と考える自治体が増えたようです。
また、Wi-Fiの周波数帯において、昨年11月からは5GHz帯に対応したアクセスポイントの拡充を進めています。この5GHz帯の使用により、Wi-Fiをご利用のお客さまに影響しにくいネットワークの構築が可能となりました。どういうことかといいますと、例えば店舗によっては、レジのシステムにWi-Fiを使っているところもあります。このような場合、利用する周波数帯によっては、支障が出ることがありました。しかし、5GHz帯の広い帯域を使えるようになり、チャネル数が増えたことで、こうした状況を避けられるようになりました。その結果、従来導入できなかった店舗にも「ソフトバンクWi-Fiスポット」を設置できるようになりました。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

石川:まずは2013年3月末までに40万カ所達成という目標に向けて、引き続きアクセスポイント数を拡大していきます。Wi-Fiを使った新たなビジネスを考えながら、アクセスポイントの拡大と既存サービス・設備の品質向上の両輪で行っていきたいと考えています。また、Wi-Fiと併せて、屋内の3GおよびLTEの電波改善にも引き続き取り組んでいきます。

(掲載日:2013年2月22日)

[注]
  • 国内における携帯電話通信事業者が提供する公衆無線LANサービスのアクセスポイント数において。2012年11月29日時点。ソフトバンクモバイル調べ。
  • Apple、Appleのロゴは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
  • iPhoneはApple Inc.の商標です。
  • iPhone商標はアイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
  • 内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。