プロジェクトPickUp 2014年

提案者のアイデアを事業化まで全面的にサポート SBイノベンチャー株式会社が目指すもの

ソフトバンクグループでは、新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」(以下「イノベンチャー」)を通して、社内外から新しい事業のアイデアを募り、審査を通過した提案には実際に出資し、事業化を行っています。その事業化を支援する専門会社として、SBイノベンチャー株式会社(以下「SBイノベンチャー」)が昨年設立されました。今回は同社管理部 部長の源田 泰之にイノベンチャーの制度と、SBイノベンチャーの今後についてインタビューしました。

「戦略的シナジーグループ5,000社」実現を目指す

会社設立の経緯を教えてください。

源田:ソフトバンクグループは、2010年に発表した「ソフトバンク 新30年ビジョン」の中で、「戦略的シナジーグループ5,000社」の実現を掲げました。そこでイノベンチャーがその一端を担い、2011年から毎年、独創性・革新性に富んだ新規事業アイデアを募集しています。イノベンチャーへの応募者は毎回1,000人を超え、現時点でソフトバンクグループのサービスとして事業化されたものが5件、事業化に向けて準備中のものも複数あります。ただその一方で、既存のグループ会社のサービスとしてではなく、“独立した会社としてサービスを世に送り出す”という、制度をつくった当初の目標が、まだ実現できていませんでした。提案者個人だけで、新たな会社の設立や新規事業の独立運営を全て行うことは非常に困難であったためです。そこで、それらを一緒になって行う組織が必要ということになり、2013年12月に「SBイノベンチャー株式会社」が設立されることになりました。

SBイノベンチャーの事業内容について説明してください。

源田:事業内容は主に二つあります。一つ目は、イノベンチャーで決勝審査を通過し、「事業化検討」となった案件の事業推進です。まだ準備も始まっていない、本当の意味での“シードビジネス”を、事業として成り立たせるために、その案件をどう育てていくべきかの検証を一緒に行うなどのサポートを行っています。二つ目は、その事業の法人化の目途が立った段階で、実際に会社を設立する際の投資を行うことです。それ以外にもオフィスや人材の手配を行うなど、側面支援もしていきます。まさに“ベンチャー”を自らが体現している会社と言えます。

ソフトバンクグループにおける役割について、どのようにお考えですか。

源田:先ほどの「戦略的シナジーグループ5,000社」の実現へ向けて、ソフトバンクグループの中から新しい事業を生み出し、それを法人化し推進することこそが、SBイノベンチャーの一番大きな使命です。ソフトバンクグループの次代を支える事業を、ぜひイノベンチャーから生み出したいと考えています。また、“ソフトバンクグループのイノベーティブな風土醸成”を担っているとも考えています。一般論になりますが、会社の規模が大きくなると部署ごとに細分化されていき、自らが携わる分野や業務での専門家が育ちやすい一方、多様な経験がしづらくなるという傾向があります。それを防ぐ意味でも、このイノベンチャー制度が役立ちます。会社に属して現在の職務に服しながらも、年齢やキャリアに関係なく、経営者になれるという道があるわけです。会社の立ち上げに参画することで、さまざまな経験が積めるということだけでも、価値が高いと思います。SBイノベンチャーという会社は、そういう“志”を持った従業員のチャレンジを支える会社です。

世の中の優秀な人材が集まる企業体へ

先日サービスを開始した「ハートコミックス」についてお聞かせください。

源田:2014年10月27日に開始した「ハートコミックス」は、iOSのアプリケーションから電子コミックが基本的に無料で漫画が読めるサービスです。SBイノベンチャーが発足して、初めて事業化したサービスとなりました。「ハートコミックス」の提案者は「自分の手で事業を手掛けたい」という気持ちを強く持っており、現在はSBイノベンチャーの事業としてサービスを提供していますが、ゆくゆくは事業会社として独立することを目指しています。この「ハートコミックス」の行く末には、ぜひ注目いただきたいですね。このサービスを第1号として、今後もSBイノベンチャーからの事業化と、その後の独立を目指したいと考えています。

今後の展望や目標についてお聞かせください。

源田:これまでのイノベンチャー発の事業はそれぞれが、ソフトバンクグループのいずれかの企業で、1サービスとして提供されてきました。この利点は、既存事業会社の資産が活用できることや、グループシナジーにより事業の成功確率が高いことが上げられます。しかし一方で、起業を目指したいという提案者の“熱い思い”も、ぜひ具体的な形として実現したいところです。そうしたことも踏まえ、SBイノベンチャーでは「成功例が増えれば人材も集まり、もっとチャレンジしようという意欲も湧いてくる。そのようなサイクルを目指そう」という考え方でチャレンジを推奨しています。そして、「法人化に当たっては、提案者も資本を出せる」という仕組みにより、本当にその事業に勝負をかけてみたい人には、自分で資本を出して会社を大きくするということも可能になっています。今後はぜひ、「SBイノベンチャーから輩出された新規事業がすごい」と言われるような存在になれればと考えています。

(掲載日:2014年11月28日)

[注]
  • 正式事業化に向けたベータテスト期間中
  • 内容は掲載当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、肩書などは現在と異なる場合があります。