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インターネットでスポーツ界を盛り上げたい ソフトバンク コマース&サービス株式会社

ソフトバンク コマース&サービス株式会社(以下「ソフトバンク C&S」)に勤務する江尻 慎太郎は、2014年まで福岡ソフトバンクホークス(以下「ホークス」)に所属し、投手として活躍していました。しかし2014年シーズン限りで戦力外となり、13年間の現役生活に終止符を打ちました。野球界に残るという選択肢もありましたが、2015年2月にソフトバンク C&Sに入社。今回、江尻が現在携わっている「Marketing Bank」や、転身に至ったいきさつなどをインタビューしました。

eメールを用いてファンを育成

現在携わっている業務について聞かせてください。

江尻:私は今、ソフトバンク C&Sのクラウドマーケティング推進室という部署に所属し、「Marketing Bank」のサービス提供に携わっています。「Marketing Bank」では、クラウド型で利用できるソフトウエアやデジタルツールを世界中から集め、それを全国のWEB制作会社やアプリケーションベンダー、広告代理店など、顧客企業にマーケティングツールを提案する事業者向けに販売しています。
従来、こうしたデジタルツールはパッケージ化された製品を都度購入していましたが、私たちのサービスでは、ビジネスパートナーの皆さまが、必要なマーケティング機能を必要な期間、必要な顧客企業に合わせて、組み合わせて使えるようになっています。この中で私は、日本オラクル株式会社が提供しているeメールマーケティングを自動化するデジタルツールを用いたサービス「Oracle BtoB クロスチャネル Marketing Cloud」の営業を担当しています。

そのサービスでは、具体的にはどんなことができるのでしょうか?

江尻:現在は情報のデジタル化が進み、多くの情報を発信できます。反面、情報が氾濫しすぎることで、お客さまに適切な情報を届けることが難しいという事態も起きています。そこで「Oracle BtoB クロスチャネル Marketing Cloud」の出番となります。このサービスを利用することで、ターゲットを絞りかつ適切なタイミングで最も欲しい情報をメールで提供できるようになります。

プロ野球を例にしますと、球団側はeメールマーケティングを自動化することにより、お客さまに継続的に選手の動画や情報を送ることができます。さらにお客さまの過去の傾向から行動を予測し、グッズやチケット情報なども最適なタイミングで送ることが可能です。お客さまにとってはより野球観戦が楽しくなり、球団側にとってはお客さまによりファンになってもらうことで、長期的に何度も球場に足を運んでもらうことなどが期待できます。つまり、非対面のeメールという手法でのファンサービスが可能となり、ファンを育成することができると考えています。

自分の経験を最大限生かしたい

プロ野球選手からビジネス界への転身となったわけですが、その経緯を教えてください。

江尻:2014年10月31日、ホークスは3年ぶりに日本一を奪還しました。その夜、球団から「明日、球団事務所に来てほしい」という電話がありました。昨シーズンは1軍での出場が少なかったため、戦力外となることを覚悟していました。翌日、球団事務所に行ったところ、やはり戦力外となり、セカンドキャリアについての話を切り出されました。このとき「ホークスでスカウトになる」、「一般のサラリーマンになってビジネスの道に進む」という二つの選択肢を提示されました。後者については、「もしその気があるなら、球団からソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)に推薦する」ということでした。二つも進路を示していただけたのは、非常にありがたいことでしたが、この時点では現役続行への思いが絶ち難く、数日後に実施される「12球団合同トライアウト」を受けさせてほしいと球団に伝え、了承をいただきました。

「12球団合同トライアウト」では全力投球することができ、大きな手応えを感じていましたが、どの球団からもオファーはなく、ここで引退を決意。改めてセカンドキャリアの相談をさせていただくことになりました。

私はずっと野球に打ち込んできましたので、スカウトに転身するのが自然な流れだったかもしれません。選手時代は、四六時中野球のことしか考えていませんでしたから、サラリーマンの世界がどんなところなのか全く想像がつきません。さらに正直に言うと、“球団以外のソフトバンク”のことも、ほとんど知りませんでした。ですが、「きっと世界が広がる。プロ野球で13年、一つの道をやり遂げたのだから、新しいことに挑戦してもいいのではないか」と考え、サラリーマンへの転身を決意しました。

妻は「やってみたらいいじゃない」と背中を押してくれましたが、本当は不安だったはずです。「10年以上野球だけやっていたあなたが、突然何万人もいるような会社に入って何ができるの?」というのが本音だったと思います。でも今は、「あなたが去年まで野球選手だったなんて信じられない」と言ってくれています。仕事に打ち込んでいる元気な姿を、見せられているのかなと思っています。

今回、全く違う世界に飛び込むことになり、何人かの方から「野球界を離れるなんて、プライドは無いのか?」と言われたことがありました。でも「プロ野球選手だった」ということだけではなくて、「何に対しても全力で向かってやろう!」という強い気持ち。これこそが私のプライドだと思っています。

今後の抱負を聞かせてください。

江尻:ソフトバンク C&Sに入社したことで、プロ野球をはじめとしたスポーツ界を、より良くできる可能性を持った素晴らしいデジタルツールに出会えました。これはスポーツ界を盛り上げられるものであると心から思っていますので、大いに広めていきたいです。特に古巣であるプロ野球は昨今、価値観の多様化によるファン離れや、テレビの視聴率低下がしばしば話題になります。
しかし、より深刻なのは「プロ野球を目指す子供が少なくなった」ことです。これを少しでも解消したい。インターネットの世界は、今までのメディアとは違った角度からさまざまなアプローチができますが、私が担当しているサービスを組み合わせてもらうことで、もっと多くの可能性が出てくるはずです。今はそのことに全力を尽くしたいと考えています。

(掲載日:2015年6月25日)