ソフトバンクNOW 2007年

インターネットが実現する新しい学びのスタイル
「サイバー大学」4月開学


サイバー大学学長
吉村 作治(よしむら さくじ)

今年4月、ソフトバンクと九州の企業が協力して設立・運営する、インターネットを活用した新しい大学「サイバー大学」が開学します。

すべての授業をオンデマンドによるeラーニング方式で提供し、教員からの指導や学生同士の交流もインターネット上で行います。これにより、地域や年齢・時間を問わず、誰もが平等な教育を受けられる社会の実現を目指しています。

今回は、学長に就任する吉村 作治氏に、サイバー大学が目指す教育について語っていただきました。

インタビュアー
サイバー大学に関わることになった経緯を教えてください。
吉村:
私は長年早稲田大学でエジプト考古学を教えていたのですが、早稲田では約10年前からインターネットを活用した遠隔授業への取り組みが始まっていました。講義を行って驚いたのは、通常の授業に比べて非常に効果が高いことです。出席率も100%に近く、質問や意見が非常に活発に出ます。そこでもっと本格的なインターネットの大学ができないかと思って協力先を探していたところ、経済改革特区の活用方法を検討していた福岡市とビジョンが一致しました。福岡市が、九州に関係の深い企業に声をかけてくださって、ソフトバンクグループのバックアップを受けるに至ったというわけです。

授業画面例(予定)
インタビュアー
どのような特徴を持った大学なのでしょうか。
吉村:
すべての教育をインターネットで行う大学です。授業はオンデマンドでいつでもどこでも受講でき、教授からの指導やクラスメートとのディスカッションも、掲示板やメールを通じて行います。私がこの大学で実現したいのは、「教育格差を是正すること」と、「教育をサービスとしてとらえ、利益を教育や研究に還元すること」、そして「質の高い誰にでも分かる授業を創る」ということです。インターネットを通じて格差をなくすというビジョンは、ソフトバンクグループの企業理念と非常に近いものがあり、孫社長もそこに共感してくださったのだと思います。
インタビュアー
理念についてもう少し詳しくお聞かせください。
吉村:
世の中には教育を受けたくても受けられない人が大勢います。遠隔地に住む方、年齢による制限で入学できない方、社会人で昼間の通学が難しい方、障害をお持ちの方、経済的に学費を払うのが難しい方…私は、これらの教育格差を是正したいのです。この大学は時間的制約がなく、いつでも、どこでも、誰でも学べる大学です。また、学資ローン制度があり、経済的余裕がない人でも、学費を支払っていくことができます。意欲を持った方であれば、どなたにでも学ぶ機会を提供できる学校です。
また、もちろん授業内容も質の高いものを目指しています。サイバー大学では教育をサービスとしてとらえ、講義も一定の水準を越えたものしか認めません。中には、「インターネットでは人と人とのコミュニケーションが不足するのでは?」という疑問を持たれる方も多いようですが、この大学では、メンター制度など、学生をサポートするシステムも充実していますし、在学中のインターンシップや留学・ボランティア等を積極的に支援する制度を整えます。
インタビュアー
各学部では、どのようなことが学べるのでしょうか。
吉村:

この大学の教育で重視するのは、「実社会で役立つこと」です。今、大学を卒業しても、必ずしも実社会で即戦力となるような知識を身につけられるわけではありません。サイバー大学は、このような教育界と産業界のギャップを埋めるような教育を提供したいと思っています。4月からITとビジネスを複合的に学ぶ IT総合学部、世界遺産の概念や歴史的背景等の学習・検証だけでなく、観光サービス業界の人材育成も視野に入れた世界遺産学部の2学部でスタートしますが、こうした内容を体系的に学べる学部は、日本でも非常に珍しいと思います。今後も、既存の大学にはない学部をどんどん増やしていきたいですね。

もはや一度勉強した知識だけではなく、継続的に学習し、自分の視野を広げていくという生涯教育の時代がきています。この大学は、働いている方でも時間をうまく活用しながら学習し、様々なスキルを身につけることのできるシステムになっておりますので、ぜひ多くの方にご入学いただきたいですね。

(掲載日:2007年1月22日)

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