ソフトバンクが目指す
「次世代社会インフラ」とは
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AIの活用が進んだ未来では
データ量が膨大にこの先の未来、データ処理に必要な計算能力は爆発的に増え、2050年には2,000倍以上になると予想されているほどです。あらゆるモノがインターネットにつながり、世界中でAIが用いられる社会では、膨大なデータをリアルタイムで高速処理する必要があります。しかし、現在の通信インフラのままではその未来に対応することはできません。進化を続けるAIと共存する未来を実現するためには、その進化を支えることができる、より強力な「次世代社会インフラ」が必要なのです。
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AI共存社会に向けた
新たなプラットフォーム「次世代社会インフラ」とは、現在の通信インフラの構造そのものを変え、処理能力・計算能力の飛躍的な向上で、AIの持つ力を高める全く新しいデジタルインフラ。現在の都市集中型のデータ処理を、地方に分散させることでデータ処理の超高速化を実現します。さらに、再生可能エネルギーを活用できる地域に分散させることで脱炭素社会の実現にも貢献します。処理能力を高めた新たなプラットフォームは、AI活用の可能性を広げ、持続可能な社会の実現に貢献することでしょう。
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世の中を変える
インフラをつくるAI共存社会を実現するためには、AIがどんな性能を持ち、どんな進化を遂げていくのかを知る必要があります。だからこそソフトバンクは、AIを深く知り、多用することを大切にしています。AIを最も理解している会社となり、世の中を変えるインフラをつくる。さらには、そのインフラで活用される画期的なAI技術も開発する。その思いを胸に、ソフトバンクは本気で取り組んでいます。
次世代社会インフラが
かなえる未来の暮らし
AIと共生する少し先の未来を、AIを生かした人々の暮らしと、
それを支えるソフトインフラとハードインフラの三層に分けて解説します。
ソフトバンクは、次世代社会インフラの実現に向け、
国産生成AIやAI-RANをはじめ、HPC・量子連携基盤など、
さまざまな技術の開発・実装に取り組んでいます。
災害
どんな災害があっても、全てが止まることのないように
次世代社会インフラでは、たとえ大都市が大きな災害に見舞われても、データ処理などの機能が失われることはありません。現在は東京・大阪など大都市にしか設置されていないデータセンターを地方に分散させることで、いざという時でも各地域の生活を維持することができます。データ処理量が膨大に増えるAI共存社会においても、各地のデータセンターが生活者一人一人に日常の安心を届けます。
医療
AIが右腕となり医師の能力を拡張する
AIは日本の医療を変える大きな可能性を秘めています。例えば、生成AIに各分野の高度な専門知識を学習させることで、医師は多面的な判断から質の高い医療を提供できるように。たとえ身近に専門医がいない地域であっても、AIがあらゆるデータから最適解を導き、医療の地域格差はなくなる。都市と地方のどちらも医療のレベルは飛躍的に向上し、より安心して診断を受けられるようになるでしょう。医療の未来は、AIの活用が鍵を握っているかもしれません。
物流
100年後も持続可能な物流システムをつくる
次世代社会インフラは、物流における大きな課題を解消します。バラバラに管理されている販売や製造状況などのさまざまなデータを連携し、一切無駄のない在庫管理を実現。企業にも生活者にもストレスのない、持続可能な物流が確立されます。さらに、物流全体が自動化されることによって、全自動で宅配することも可能になるかもしれません。これからの物流は徹底的な効率化をかなえるだけでなく、新しい生活スタイルも創造するでしょう。
教育
30人の生徒に30人の先生がつく教室を
生成AIの強みであるパーソナライズ。学習の進み具合にばらつきのあるクラスでも、一人一人に最適な教育が実現します。例えば、これまでは遅れている生徒に授業を合わせる形が一般的でしたが、進み具合が早い生徒たちにもパーソナライズした学習機会が提供できたり、科学者や経営者になりたいなど具体的な夢を持つ生徒には、その目標に合った学習を構築できたり。まるで一人一人の生徒のそばに、AI先生がいるかのような環境を整えることができるかもしれません。数学や理科などの科目はもちろん、特に国語や日本史など日本ならではの教育においては、言語や文化の違いから“国産の生成AI”が大活躍することは間違いないでしょう。
移動
移動空間ではなく、生活を豊かにする居住空間へ
次世代社会インフラでは、超未来的な移動が実現可能に。道路自体が車や街とつながれば、車が検知できない死角の情報を道路から発信し、急に子どもが飛び出してきても車は自動で停止できる。高速道路を走る車両の状況を連携して渋滞がゼロになる。そんな安心安全な交通社会をつくれる可能性を秘めています。さらに、通信とAIの貢献により完全自動運転の社会が実現されると、車での移動中に映画鑑賞を楽しんだり、テレワークをしたり、移動の概念すら変わっていくかもしれません。移動が変わることで、毎日の生活も劇的に変化していくことでしょう。
製造
AIが、工場の同僚になる
人手不足に悩まされる業界が多い中、AIの登場で製造現場は大きく変わります。これまでは与えられたプログラムを的確にこなすロボットが、人間の”作業”を代替することで生産性の向上に大きく寄与してきました。それが次世代社会インフラでは、AIが製造設備の稼働状況や全国各地の需要予測などさまざまな情報を組み合わせ、学習することで、製造拠点やタイミングの最適化を助言してくれたり、より効率的な製造ラインを提案してくれるでしょう。同僚の中にAIがいる、という世界もそう遠くないかもしれません。
エンターテインメント
一人のために創られる究極のエンタメ体験
AIとの共存で、エンタメ体験も進化を遂げます。一人一人に最適化されたパーソナルAIが、個々人の好みに合わせてカスタマイズしたエンタメを提供してくれることは当たり前となり、さらには生成AIが創った新しいアートやゲーム、キャラクターやストーリーで、一緒に遊ぶこともできるかもしれません。AIによってエンタメの楽しみ方は無限に広がっていくでしょう。
AIをつくる(国産生成AI)
日本語に特化した国産の大規模言語モデル(LLM)の開発。日本の文化や歴史、商習慣に寄り添い、医療、法律、金融など、さまざまな専門性の高い分野への適用を見据えて、国内で最も活用される安心・安全な生成AIサービスの提供を目指します。単に、特定のタスクを置き換えるものではなく、より良い社会をつくるパートナーとなり得るAIを目指し、その社会実装までのプロセスを含めた研究開発を行っています。
分散されたインフラを制御する
(超分散コンピューティング基盤)
AI共存社会の基盤となる技術。産学官で持つ膨大なデータを安全に連携し、各地に分散されたシステムでの処理が自動的に最適化されることで、リアルタイムなニーズに応えます。高速道路を走る自動運転車のデータを集約して計算することで、事故や渋滞をなくしたり、ビル内や周辺の人流データを収集して連携することで、建物自体が自律的に省エネ化を実行しながら人にとって快適な空間を整備するなど、より暮らしやすい社会環境が実現できます。
AIで進化する通信ネットワーク
(AI-RAN)
基地局同士が自律的に協調制御することにより、ライブ会場や災害時に発生しやすい回線の混雑によるパケ詰まりをAIがコントロールし、ネットワークを自動で最適化できるようになります。基地局の運用状態をAIが制御することで、ユーザーが使っていない間の消費電力を節約し、省エネルギー化を実現。また、現在の5Gネットワークにおいても、低遅延を実現するMECにAI技術を搭載することで、Beyond 5G/6Gなどネットワークのさらなる進化を実現します。
AIの処理能力を高める
分散型AIデータセンター
地方分散でレジリエンス強化
AI共存時代に向けて、都市圏に集中したデータ処理と電力消費を地方に分散することでレジリエンスを高めながら、膨大なデータ処理に対応する、データセンターの新基準。主要都市には大規模な計算処理を担うコアブレインを、各都道府県には計算基盤としてリージョナルブレインを設置。さらに、全国にはよりユーザーに近い場所にMECを設置し、低遅延通信を提供することで、地方分散型のデータ処理を実現します。
環境負荷の少ないデータ処理へ
都市圏に集中する電力消費を地方に分散し、地産地消型で再生可能エネルギーを100%利用するグリーンデータセンター。さらに水素発電や蓄電池などの環境負荷が少ないエネルギーを活用することで安定した供給を実現します。
HPC/量子連携基盤
AIの進化を加速させる
国内最大級の計算基盤
近年世界的に注目を集める「生成AI」開発向けの国内最大級※の計算基盤。膨大なデータ処理に最適化された高度な計算能力を誇り、日本語に特化した国産大規模言語モデル(LLM)の開発に活用されています。また、当社のグループ内での利用にとどまらず、大学や研究機関、企業などにクラウド化した計算基盤を幅広く提供することで、日本のAI産業全体の飛躍的な成長に貢献します。
※LLMの学習向けの計算基盤において国内最大級。2023年10月31日時点での公開情報に基づく。当社調べ。
世界が変わる、
高計算力ソフトウエア
量子コンピューターとスーパーコンピューターの連携ソフトウエア。情報処理速度の劇的な高速化が期待されるものの、いまだ実用化ができていない量子コンピューターを、スーパーコンピューターと組み合わせて活用することで、世界に先駆けた実用化を目指します。この技術が実現すれば、これまで困難だった領域の計算が可能となり、情報処理能力が大幅に向上するだけではなく、電力消費の点でも優位性を発揮します。
社会に広がる
AI技術の可能性
ソフトバンクは社会に広がる課題をAI技術で解決しようと、
さまざまな産業にAIを取り入れた研究開発を行っています。
これまで実現できなかったことをAIでかなえていく事例を紹介します。
AIとの融合で進化する
通信技術
通信の進化を支えるさまざまな基盤技術の研究開発や、国内外への貢献を目指し、
研究成果の国際標準化を推進する活動も積極的に行っています。
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5G
産業やサービスを大きく進化させるテクノロジーである5Gのさらなるエリア拡大と品質向上に取り組むとともに、機能高度化を推進すべく、さまざまな活動・調査研究に取り組んでいます。
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NTN
空からネットワークを構築することで、地上のモバイル通信エリア外の地域でも利用でき、一般ユーザーだけではなくDXが加速する産業界においても大きな影響を与えます。
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Beyond 5G/6G
5Gの通信性能からのさらなる高度化が期待されているBeyond 5G/6Gを見据え、多角的な研究開発に取り込むことで、よりよい通信事業の拡充に注力していきます。
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通信基盤技術
通信の進化を支えるさまざまな基盤技術の研究開発や、国内外への貢献を目指し、研究成果の国際標準化を推進する活動も積極的に行っています。
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世の中を前進させる
研究開発
先端技術研究所は、2022年4月に新たに誕生した「新しい技術を社会実装するための研究・開発を行う組織」です。技術は、常に社会の変化を促してきました。しかし、技術をただ研究するだけでは、次の当たり前を開拓していくことはできません。私たちは社会を駆動する活性因子として、技術で世の中を前進させ、社会の未来を創造していきます。
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HAPS
「HAPS (High Altitude Platform Station)」は、空飛ぶ通信基地局で、世界中の人々やあらゆるモノがつながる社会を実現する新たな通信インフラです。成層圏から広範囲に高速かつ高品質な通信を実現する「HAPS」の研究・開発について紹介します。
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自動運転
移動や交通に関わるさまざまな社会課題の解決策として注目を浴びている「MaaS(Mobility as a Service)」や「自動運転」などのモビリティにおける新たな取り組み。未来の交通インフラの実現に向けて、自動運転サービスを広く社会に普及させることを見据えた私たちの研究・開発を紹介します。
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次世代電池
HAPSやドローン、空飛ぶ車をはじめとする次世代テクノロジーの社会実装には、より高性能な電池が必要とされています。私たちが取り組むのは、その期待を背負った次世代電池。その研究・開発について紹介します。
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