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「戦国時代も現代のビジネスも、ビジョンと戦略が重要」。漫画『キングダム』 作者の原泰久さんとソフトバンクアカデミア校長 孫正義が対談

孫正義ソフトバンクアカデミア校長と漫画『キングダム』の作者 原先生

孫正義ソフトバンクアカデミア校長と漫画『キングダム』の作者 原先生

ソフトバンクグループの後継者発掘・育成を目的としたプログラム「ソフトバンクアカデミア(以下、アカデミア)」が2020年に10周年を迎えたことを記念し、1月15日の年明け初の講義で孫と原先生の対談が行われました。

漫画『キングダム』とソフトバンクグループの群戦略

孫正義

冒頭で孫は、「物語の主人公や歴史の偉人は、難局に何度も遭遇し、悩み抜いて乗り越え、さらに大きく成長します。紀元前221年に中国史上初の全国統一を成し遂げた秦の始皇帝。まさに試練を乗り越えて帝国を作った始皇帝の活躍を描いた漫画『キングダム』と、秦の始皇帝の史実からソフトバンクグループの群戦略を考えてみたいと思います」と述べ、孫と個人的に交流のある特別ゲスト 原先生との対談が実施されました。

原先生と孫校長の対談。歴史の偉人に学び、次の時代をけん引する

漫画『キングダム』の作者 原先生と孫校長の対談。歴史の偉人に学び、次の時代をけん引する

孫は、原先生の『キングダム』の嬴政(えいせい)に触れ、「自信と執念を持って『天下を統一する』という、強い志があり、共鳴した同志が集まりました。まさに、錦の旗を掲げて、つわものが集まったのでしょう。実力主義、インセンティブ制度もしっかりしていて、がんばれば報われる、という仕組みがうまく機能しています」と、事業家として功成り名遂げるに必要だと考える資質などを述べました。

原先生「孫さんが目指すことは?」

孫校長「天下を取ること。何のために天下を取るのか。それは、世界中の人々に、より幸せになってもらうため。私は、『良い世の中にしたい』という強い願望、『良い世の中にできる』という自信を持っています」

原先生「300年続くためには、ビジョンや志が多くの人とつながることが必要ですよね?」

孫校長「将軍たちをずらっと従えて戦う『キングダム』の嬴政が、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのイメージと重なります。起業家たちが、群雄割拠している、まさに『群戦略』。このとき、世の中から『愛される』『尊敬される』、この2つも大事だと思っています。世界中の人々のためになる、良いことをし、結果として愛され、尊敬されるのです」

原先生「天下をとって、なおかつ愛され、尊敬されるということは、必ずしも簡単ではないんですよね。『キングダム』は、中国の戦国時代をテーマにしていますが、天下統一した後が本当に難しいと思います」

原先生「国民が幸せと感じていたから、漢の時代は400年も続いたと思うんです。幸せって、ちょっと考えるとそばにあるのですが、あまり認識されていないんですよね。孫さんの“幸せ”だと考える世界観が、みんなにも分かると良いですよね」

孫校長「“幸せ”の価値観はいろいろですが、“不幸せ”と感じることを減らすと幸せの度合いは増えます。30年ビジョンを考えるときに寄せられた“不幸せ”なこととは、『孤独』や『絶望』でした。少しでも人々の悲しみを減らしたい。それが願いです」

最後に孫は、「理不尽な作業があるならばそれはロボットにお願いして、人間は、人々と触れ合う、笑顔あふれる、働きがいのあるクリエーティブな、人間らしい仕事をするのです。情報革命、AIを活用すれば、幸せな世界になる、と心底思っています。後継者にも、単に天下を取るのではなく、人々の幸せを考えてほしいと願っています」と、決意や後継者への期待の言葉を残し、対談を締めくくりました。

原先生と孫校長の対談。歴史の偉人に学び、次の時代をけん引する

ソフトバンクアカデミア

ソフトバンクアカデミア

ソフトバンクグループの後継者発掘・育成を目的に、2010年7月28日に開校。内部からだけでなく、外部からの入校も受け入れ、グループの経営課題を題材としたテーマに基づくプレゼンテーションプログラムや、経営シミュレーションゲーム、自主勉強会などを通して、アカデミア生同士、さらなる成長を目指して切磋琢磨しています。
ソフトバンクアカデミアのウェブサイト

(掲載日:2020年2月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部