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情報格差のない世界の実現を目指して。世界15カ国・35企業からHAPSアライアンスメンバーが集結

情報格差のない世界の実現を目指して。世界15カ国35の企業からHAPSアライアンスメンバーが集結

地上約20キロメートル。天候の影響を受けない成層圏という上空を飛ぶ無人航空機に基地局を設置して、災害時でも途絶えない、安定的な通信サービスの提供を目指しているソフトバンク子会社のHAPSモバイル株式会社。HAPSモバイルも設立メンバーとして参加する業界団体「HAPSアライアンス」が設立一周年を迎え、初のメンバー会合が4月27日と28日の2日間にわたって開催されました。

メンバー間で初年度の成果を共有

HAPSアライアンスは、HAPSモバイルと米アルファベットの子会社ルーンがリードし2020年4月に設立した、通信、テクノロジー、航空、宇宙航空などさまざまな企業が加盟する業界団体です。加盟企業は世界の情報格差を解消することを目指し、HAPSの利用促進に向けて協力を行っています。例えば、規制当局に対する働きかけや、HAPSのエコシステムの構築、HAPS技術の標準化の推進などを行っています。

現在では、エアバス、ノキア、ドイツテレコムなどを含む40以上の企業や組織、教育機関が、HAPSアライアンスメンバーとして加盟しています。

HAPSコミュニティの連携をさらに強固にするため、また設立一周年を記念し、2021年4月27日と28日の2日間で、初のHAPSアライアンスメンバー会合を実施しました。両日で、15カ国35のメンバー企業から約90名が参加。通信、航空、製造メーカーなど多様な企業や研究機関が一堂に介し、HAPSに関する議論を交わしたほか、この1年における各ワーキンググループの取り組みや進捗を共有しました。

通信だけにはとどまらない。HAPSの可能性は今後ますます広がる

「世界には、まだインターネットにつながっていない国や地域があります。世界の情報格差を解消するために、HAPSがそのような地域へネットワークを提供することが重要です。そして、HAPSの可能性は、モバイル通信の提供だけにはとどまらないと思います。通信業界のトレンドは5GやIoT。これらの技術へも対応するHAPSは、今後さらに注目されるでしょう」

HAPSアライアンスのKen Riordan会長は、このようにメンバー会合の中でHAPSの潜在的な可能性について呼びかけました。

2日間にわたったメンバー会合では、ソフトバンク株式会社のテクノロジーユニット 先端技術開発本部 本部長でHAPSモバイルの取締役である湧川隆次氏をはじめとした、HAPSアライアンス理事10人によるラウンドテーブル型会議が行われたほか、「商用化」「規制と安全性の提唱」「リーダーシップと教育」「R&Dと標準化の協力」の4つのトピックに分けて、それぞれメンバー間で活発な議論を展開しました。

通信だけにはとどまらない。HAPSの可能性は今後ますます広がる

HAPSモバイルは、2020年9月、成層圏で無線通信機器をのせた無人航空機「Sunglider(サングライダー)」のテストフライトを実施。その際、ルーンや「Sunglider」の機体開発パートナーであるエアロバイロメントのメンバーと、日本にいるHAPSモバイルのメンバーが、成層圏対応無線機を通してインターネットに接続されたスマホ同士でのビデオ通話に成功しています。自律型航空式のHAPSによって、成層圏からLTEの通信に成功したのは、世界で初めてのこととなりました。

今後もHAPSアライアンスは、HAPSの技術向上に向けて協力していきます。

(掲載日:2021年6月3日)
文:ソフトバンクニュース編集部