
スマホは、今や生活に欠かせない存在。できるだけ長く快適に使いたいと思う方も多いのではないでしょうか。最近のスマホには、バッテリーへの負担を減らすために、充電のタイミングを調整するなどの機能が搭載されています。今回は、スマホの品質管理や安全性向上を担当するソフトバンクの担当者に、充電制御機能の仕組みや設定方法、バッテリーを長持ちさせるためのポイントについて聞きました。

ソフトバンク株式会社 デバイス技術本部 品質管理保証部
有吉 正敬(ありよし・まさたか)
スマートフォンの品質管理や安全性向上に関する業務を担当。お客さまに安心して利用いただくための情報発信にも取り組んでいる。

ソフトバンク株式会社 デバイス技術本部 品質管理保証部
藤田 誠二(ふじた・せいじ)
スマートフォンの品質保証・開発業務を担当。製品の品質や安全性の向上に取り組みながら、安心して利用できる端末づくりを支えている。
バッテリーへの負担を減らす「充電制御」機能

スマホに使われているリチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化していきます。特に、満充電に近い状態が長時間続いたり、スマホが高温になったりすると、バッテリーへの負担は大きくなります。こうした負担を減らし、より長く快適に使えるようにするため、最近のスマホには「充電制御」という機能が搭載されています。

充電制御機能とはどのような機能なのでしょうか。
有吉 「充電制御機能は、バッテリーへの負担を減らすために充電の仕方を調整する機能です。例えば、充電量がほぼ満タンの状態が長時間続かないように、80〜90%付近で充電を一時的に止めたり、利用者の生活パターンに合わせて充電タイミングを調整したりします。スマホをより長く快適に使うための機能の一つです」
バッテリーへの負担を減らすことが大切なのですね。では、どのような使い方が負担につながりやすいのでしょうか。
有吉 「特に気を付けたいのは、満充電に近い状態が長時間続くことや、スマホが高温になることです。例えば、寝ている間ずっと充電器につないだままにしていたり、充電しながらゲームや動画視聴を長時間続けたりすると、バッテリーへの負担は大きくなります。また、直射日光が当たる場所や夏場の車内など、高温環境での利用もバッテリーにとっては厳しい条件になります」

満充電に近い状態が続いたり、スマホが高温になったりすると、バッテリーにはどのような影響があるのでしょうか。
藤田 「1番分かりやすいのは、1回の充電で使える時間が短くなることです。購入したばかりの頃は1日使えていたのに、数年たつと外出先でも充電残量が気になるようになる、というのは多くの方が実感しやすい変化だと思います。また、バッテリーの劣化が進むと発熱しやすくなることがあります。さらに、ごくまれではありますが、バッテリーが膨張するケースもあります。外観から分かるほど膨らんでいる場合は、そのまま使い続けずに、購入した携帯電話会社やメーカーのサポート窓口へ相談していただきたいです」
充電が途中で止まっていると、故障ではないかと不安になることもあります。見分けるポイントはありますか。
有吉 「充電が80〜90%付近で止まったり、充電のタイミングが調整されたりするのは、充電制御機能による動作である場合があります。一方で、全く充電が進まない、ケーブルを変えても改善しない、端末が異常に熱いといった場合は、別の原因も考えられます。そのため、充電が途中で止まっていても、すぐに故障と判断する必要はありません」
ゲームや動画視聴時の負担を減らしてくれる「バイパス給電」機能

動画視聴やゲーム、オンライン会議など、充電しながらスマホを使う場面は少なくありません。こうした使い方は、ついしてしまいがちですが、スマホが熱くなりやすく、バッテリーへの負担も大きくなります。こうした負担を軽減するために、一部の機種では「バイパス給電」機能や「直接給電」機能と呼ばれる機能が搭載されています。メーカーによって名称は異なりますが、充電しながらスマホを使う際に、バッテリーへの負担を抑えるための機能です。
バイパス給電機能とはどのような機能なのでしょうか。
有吉 「バイパス給電機能は、充電器から入ってきた電力をバッテリーではなく、スマホへ直接供給する機能です。メーカーによっては『直接給電』や『ダイレクト給電』など異なる名称で呼ばれることもあります」
バッテリーを経由せずに電力を供給することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
藤田 「ゲームや動画視聴、オンライン会議など、充電しながら長時間使う場面で、バッテリーへの負担や発熱を抑える効果が期待できます。スマホにとって、充電しながら高負荷のアプリを使う状態は、バッテリーにとって特に負担が大きい使い方の一つです。バイパス給電機能では、充電と放電が同時に発生しにくくなるため、バッテリーへの負荷を軽減しながら利用できます。特にゲームや動画視聴、オンライン会議など、長時間スマホを使う場面では効果を感じやすいと思います」
充電制御機能の設定方法

充電制御機能やバイパス給電機能について分かったところで、次に気になるのは「自分のスマホにも搭載されているのか」ということではないでしょうか。こうした機能は多くのスマホに搭載されていますが、メーカーや機種によって名称や設定方法が異なります。まずは、お使いのスマホの設定を確認してみましょう。
iPhone

iPhoneでは、バッテリーに関する設定を以下の手順で確認できます。
① 「設定」を開く
② 「バッテリー」をタップ
③ 「充電」をタップ
④ 「バッテリー充電の最適化」などの設定を確認

機種やiOSのバージョンによって、表示される項目や名称が異なる場合があります。
Android

Androidではメーカーによって名称が異なりますが、多くの機種で同様の設定を確認できます。
① 「設定」を開く
② 「バッテリー」をタップ
③ 「バッテリー ヘルス」(または「充電の最適化」)をタップする
④ 「80パーセント制限」「アダプティブ充電」「いたわり充電」「バッテリー保護」などの機能を確認

同じAndroidでも、メーカーやOSのバージョンによって機能名や設定方法は異なります。「いたわり充電」「アダプティブ充電」「バッテリー保護」など、同じような機能でも名称が異なる場合があります。
設定方法は分かりましたが、実際にはどのように設定するのがおススメなのでしょうか。お二人は普段どのように設定していますか。
藤田 「私は普段、充電上限を80%に設定しています。日常生活では80%でも十分使えることが多いので、バッテリーへの負担を抑えることを優先しています。一方で、旅行や外出が長い日などは100%まで充電するようにしています。外出先では充電できる環境が限られることもあるため、その日の使い方に合わせて設定を変えています。毎日必ず同じ設定にしなければならないというわけではなく、『今日は長時間外で使う』『今日は普段通り』といった利用シーンに合わせて使い分けるのがおススメです」
有吉 「私も充電制御機能はオンにしています。機種側の設定で満充電のタイミングを調整したり、充電量を80%前後に抑えたりする機能を活用しています。こうした機能を活用すると、充電のタイミングを細かく気にしなくても、バッテリーへの負担を減らしやすくなります。普段スマホを使っていると、つい充電しっぱなしになってしまったり、充電しながら動画を見たりすることもあると思います。そうした日常的な使い方の中でも、スマホ側が自動でバッテリーへの負担を抑えてくれるのは大きなメリットです」
スマホを長く安心して使うために。バッテリーをいたわる習慣
充電制御機能やバイパス給電機能の設定方法、担当者の活用例を紹介してきましたが、スマホを長く快適に使うためには日頃の使い方も大切です。バッテリーへの負担を減らすために、普段から意識しておきたいポイントについて聞きました。
充電制御機能を上手に活用するために、普段の使い方で意識したいことはありますか。
有吉 「一番意識していただきたいのは、スマホを高温の状態にし続けないことです。バッテリーにとって高温は大きな負担になります。直射日光が当たる場所や夏場の車内に放置しないことはもちろん、充電中にスマホが熱いと感じた場合は、動画視聴やゲームなど負荷の高い使い方を少し控えることも大切です。充電制御機能はバッテリーへの負担を減らすための機能ですが、日頃の使い方を少し意識することで、より効果的に活用できると思います」
藤田 「ポイントはシンプルです。『熱くしすぎない』『満充電付近で長時間放置しすぎない』『充電しながら高負荷で使うときは保護機能を活用する』の三つです。また、使っていないアプリを閉じるなど、スマホに余計な負荷をかけないことも、バッテリーをいたわることにつながります。すべてを完璧に意識する必要はありませんが、できるところから取り入れていただくだけでも、スマホをより長く快適に使いやすくなると思います」
普段何気なく行っているスマホの充電。設定や使い方を少し見直すだけでも、バッテリーへの負担を減らし、スマホをより長く快適に使うことにつながります。この機会に、ご自身のスマホの設定を確認してみてはいかがでしょうか。
(掲載日:2026年7月10日、更新日:2026年8月14日)
文:ソフトバンクニュース編集部




