
静岡県が進める「駿河湾フェリー人流創生事業」の一環として、船旅そのものを楽しめる船内コンテンツ「ミステリークルーズ」が展開されています。ソフトバンクは、データ分析やウェブプロモーション、コンテンツの企画などにより、駿河湾フェリーの利用促進に取り組んでいます。6月11日に開催された、謎解きやイマーシブシアターを組み合わせた新しい船旅の体験会を取材しました。
データ分析とウェブプロモーションで駿河湾フェリーの利用を促進

静岡県の清水港と土肥港の間で運航されている「駿河湾フェリー」。船上から富士山を望めることが魅力ですが、近年は道路網の整備などにより移動手段としての位置付けが変化し、乗船客数は減少傾向にあります。
こうした課題に対し、静岡県が令和7年度に行った「駿河湾フェリー人流創生事業」における企画提案公募にて、ソフトバンクが受託事業者として選定されました。その取り組みの一つとして始まったのが、船内コンテンツ「ミステリークルーズ」です。今回、ソフトバンクの担当者に案内してもらいながら、実際に体験してきました。

案内してくれたのはソフトバンク株式会社 公共本部 観光DX推進室 白木彰敏(写真左)、田代頼孝(写真右)
乗船前に、今回の取り組みの背景をお聞きしました。
今回、ソフトバンクが「ミステリークルーズ」に参画した背景を教えてください。
田代 「ソフトバンクでは、さまざまな自治体と連携協定を締結し、地域が抱える課題の解決に共に取り組んでいます。今回の取り組みは、静岡県が令和7年度に実施した『駿河湾フェリー人流創生事業』の企画提案公募でソフトバンクが受託事業者として選定され、令和8年度も同事業に取り組む中で、駿河湾フェリーの利用促進と集客力の向上を目指し、ソフトバンクのデータ分析やプロモーションに関する知見を生かした体験型コンテンツを企画しました」
「ミステリー」や「謎解き」をテーマにした理由は何でしょうか?
白木 「今回の事業では、ソフトバンクが持つデータ分析の知見を活用し、フェリー利用者や周辺観光施設利用者の傾向を分析しました。検索データや位置情報データなどをもとにターゲット層の興味・関心を検証した結果、体験を重視する旅行スタイルとの親和性が高く、周遊性やSNSでの情報発信も期待できることが分かりました。そこで、「ミステリー」や「謎解き」をテーマに採用しました。
その後、各パートナーと連携しながら、フェリーに乗ること自体を目的として楽しんでもらえるコンテンツの企画・制作を進めました」

船内ではどんなミステリーが待ち受けているのですか?
白木 「フェリーという非日常空間を舞台に、船旅そのものを楽しめるよう、『デジタル・アナログ・リアル』の3つの体験型コンテンツを用意しています。
1つ目は、携帯電話を使って船内から土肥金山までの周遊を楽しみながら謎を解く、デジタルの『謎解きラリー』。2つ目は、専用冊子を見ながら船内で謎を解いていく、アナログの『謎解きキット』。そして3つ目が、役者とともに船内や土肥港周辺の施設を巡りながら、参加者自身が1日物語の一員として楽しめるリアル体験型の『イマーシブシアター』です。
中でも今日は、この『イマーシブシアター』を中心に体験してください。他の参加者や役者ともコミュニケーションを取りながら楽しめます。もちろん、ミステリー要素もたくさんありますよ」
ただ乗るだけじゃない、隣の人と一緒に謎を解き明かす体験型シアター

フェリーに乗り込み、いざ出発です!
乗船時に、早くも演者を発見。近い…です!


乗船するとシアターが早速開幕です! それとともに今日の進行について簡単に説明があり、参加者はチーム分けされました。
思わず「劇を見るのにチームですか!?」と聞いてしまうほど、通常の観劇とは違う雰囲気です。
白木 「このイマーシブシアターの特長は、全体ミッションと個別ミッションがあるところです。個別ミッションは、どれにあたるか分かりません。そこで得られたヒントをもとに、全体ミッションの謎を解き、考察していきます。まずはチームの皆さんと一緒に楽しんでみてください!
何が始まるのか全く予想がつかないまま、チームごとにひそひそと話していると、演目がスタート。


ストーリーのネタバレになってしまうので、詳しくお伝えできないのが残念ですが…、おおまかに言うと、演者さんから出されたミッションを参加者同士で協力し解きながら、ストーリーが進んでいくという流れ。船に乗りながら劇をみるのも、演者の方と会話するのも初めての体験で、とても新鮮です!

そうこうしている間に、フェリーは土肥港に到着。乗客はいったん下船して、土肥金山に向かいます。有名な観光地!と浮かれていたら、なんと見物中も謎解きが待ち受けていました(笑)



相談しながら謎を解き明かしていきます
土肥金山で観光しながら謎解きを終えると、船は駿河湾に向けて再出発!
船内ではシアターのクライマックスが待っていました。土肥での謎解き要素も加わり、ストーリーは予想していた展開からどんどん変化していきます。


1日のフェリー乗船を振り返ると、船内を移動しながら手がかりを探したり、役者さんの会話からヒントを拾ったりと、最初から最後まで初めての体験と驚きの連続でした。
フェリー乗船をきっかけに、地域全体の回遊促進や消費拡大へ
体験会を終えて、後日、改めてお二人に乗船客からの感想などを聞きました。
シアターを体験した乗客からの反応はいかがでしたか?
田代 「初めて顔を合わせた人とコミュニケーションを取りながら進める参加型の体験について、乗客からは『楽しい! 知らない人とのコミュニケーションが生まれ、想像を超える非日常の体験だった』、『チーム別に違う役者さんについていくため、別の役者さんの話を聞くことができない。全部知るために、何回も乗船してみたい」といった声が多く寄せられました」


データ分析やウェブプロモーションといったデジタル施策と、ミステリークルーズのような体験コンテンツを組み合わせた理由を教えてください。
白木 「観光施策では、良いコンテンツを作るだけでも、情報発信だけでも十分ではありません。まずはデータ分析によって、どのような方々に駿河湾フェリーの魅力を届けるべきかを把握し、その上で適切な情報発信を行うことが重要だと考えました」
船内ではイマーシブシアターの他にも、「富士山ARフレーム」「AR謎解きラリー」「謎解きキット」などが用意されていましたね。
白木 「はい。駿河湾フェリーの大きな魅力は、乗船中に富士山が見えることです。富士山を背景に写真を撮る方が多い一方で、雲に隠れてしまうことがあるのが残念だという声もありました。そこで、どのような天候でも富士山と一緒に撮影できる「富士山ARフレーム」を用意しました。
これは、ソフトバンクが提供している観光アプリ 「Japan 2 GO!」の一部機能として開発したもので、この駿河湾フェリーに乗船しないと体験できないことも、旅の思い出を印象づける要素になっているのではないでしょうか。

イメージを分かりやすくするため、写真を一部加工しています
また、『AR謎解きラリー』や『謎解きキット』は、イマーシブシアターの上演がない日でも謎解きを楽しめるコンテンツです。船内を歩きながら手がかりを探していくため、普段は何気なく過ごしている乗船時間を、いつもとは違った視点で楽しんでいただけます。実際に体験された方からは、『室内や甲板を行き来しながら謎を解くことで、退屈せずに過ごせた』という声もいただきました。
どのコンテンツにも、ただフェリーに乗るだけでは気づきにくい、駿河湾フェリーならではの魅力や細かな見どころに注目してもらえる仕掛けを盛り込んでいます。乗船体験そのものを、思い出として持ち帰ってもらえる内容になっています」

AR謎解きラリー

謎解きキット
今回の取り組みによって、駿河湾フェリーや地域にどのような変化が起きることを期待していますか?
田代 「まずは、駿河湾フェリーを単なる移動手段ではなく、『乗ってみたい』『体験してみたい』と思っていただける存在にしていきたいと考えています。これまで利用者は高齢層が中心でしたが、今後は20代から40代のカップルやグループ、ファミリー層にも利用を広げていきたい。そのために、日帰りで楽しめる周遊観光の需要創出に取り組むとともに、ウェブプロモーションを通じてターゲット層への情報発信を強化しています。
今回のミステリークルーズでは、船内で完結する体験に加え、土肥エリアの観光資源とも連動したコンテンツを用意しました。フェリーへの乗船をきっかけに周辺地域を巡っていただくことで、地域全体の回遊促進や消費拡大にもつなげていきたいです」
絶景の富士山を体感できるパノラマクルーズ「駿河湾フェリー」
静岡清水港と西伊豆土肥港を90分で結ぶ駿河湾フェリー。ソフトバンクは、今回のミステリークルーズや、2026年10月3日まで実施されているクラウドファンディングなど、駿河湾フェリーのさまざまな取り組みを応援しています。
(掲載日:2026年8月6日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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