
もし突然、役所の職員や警察官を名乗る相手から電話がかかってきたら、あなたは冷静に対応できるでしょうか。
千葉県警とソフトバンクは、還付金詐欺やニセ警察詐欺の手口を、選択肢を選びながら疑似体験できるウェブサイト「電話de詐欺疑似体験サイト」を共同開発しました。2026年7月30日に開催された制作発表会では、開発の背景や、詐欺被害防止に向けた狙いが紹介されました。
知識として手口を学ぶだけでなく、「自分にも起こり得ること」として考えてもらうために、どのような工夫を取り入れたのか、ソフトバンクの担当者に聞きました。
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電話de詐欺とは、特殊詐欺の実態を周知するため、平成27年8月から使用している千葉県独自の広報用名称です。

お話を聞いた人
ソフトバンク株式会社
公共本部 中央関東公共統括部 公共事業推進室
星川 洋(ほしかわ・ひろし)
詐欺の電話に遭う側の視点で犯人とのやりとりを疑似体験。「電話de詐欺疑似体験サイト」
スマートフォンに知らない番号から電話が! このとき、皆さんはどのような行動を取りますか?

「知らない番号には出ない」「いったん電話を切って番号を調べる」「とりあえず話を聞いてみる」など、対応は人それぞれかもしれません。しかし、突然の電話で警察官や市役所職員を名乗られると、冷静に判断するのは意外と難しいものです。そんな “いざというとき” の対応を、実際の詐欺の手口に沿って体験しながら学べるのが、「電話de詐欺疑似体験サイト」。
電話の相手との会話や、そのとき置かれている状況がイラストと文章で表示され、複数の選択肢から「自分ならどう対応するか」を選びながらストーリーを進めていきます。
「電話de詐欺疑似体験サイト」は、千葉県警とソフトバンクが協力して開発。千葉県警が実際の詐欺の手口や防犯対策を基に、シナリオや内容を監修し、ソフトバンクは、ウェブサイトの企画や開発ディレクションなどを担いました。

「電話de詐欺疑似体験サイト」で体験できるのは、ニセ警察詐欺を題材にした「警察からの電話編」と、還付金詐欺を題材にした「市役所からの電話編」の2つのシナリオ。
「警察からの電話編」では、警察官を名乗る人物から電話がかかってくる場面から始まります。犯人は「あなた名義のキャッシュカードが犯罪に使われている」などと告げ、相手の不安をあおります。さらに、ビデオ通話で逮捕状を示し、送金を求めるなど、ニセ警察詐欺で使われる一連の手口が再現されています。
「市役所からの電話編」では、市役所職員や金融機関のコールセンター職員を名乗る人物が、医療費の還付手続きを口実に電話をかけてきます。犯人の指示に従って話を進めると、次第にATMへと誘導されていきます。
操作方法や画面の見せ方で工夫した点を教えてください。
「スマートフォンで二次元コードを読み取るだけで始められ、アプリのインストールや会員登録をせずに利用できるWebサイトにしました。スマートフォンだけでなく、パソコンからも体験できます。実際の場面をイメージしやすいイラストやアニメ調の画面を用いることで、若い世代から高齢者まで、身近な出来事として理解しやすい構成にしています」
体験後には、犯人が使った手口や注意すべき場面、被害を防ぐためのポイントを見ることができます。自分がどの場面でどのような判断をしたのかを振り返りながら、適切な対応を確認できます。

「特殊詐欺は、手口を知識として知っていても、実際に電話を受けたときには、犯人の巧みな説明や不安をあおる言葉によって、冷静に判断できなくなる可能性があります。ゲーム感覚で気軽に取り組みながら、特殊詐欺を『自分にも起こり得ること』としてとらえ、いざというときに適切な行動を選べるようにすることが狙いです」
サイトで体験した後は、普段の電話への対応や詐欺に関する知識を確認できる「詐欺被害危険度チェックテスト」も。
全10問に答えると、回答結果から自分の「詐欺被害危険度」を確認できます。所要時間は約2〜3分。知らない番号から電話がかかってきたときの対応や、市役所による還付金の案内に関する知識など、身近な場面を振り返りながら、最近増えている詐欺の手口や対策を学ぶことができます。

シナリオを制作する上で、千葉県警察の監修を受けて反映した点を教えてください。
「実際の詐欺手口や防犯対策について監修を受け、できる限り現実の流れに近づけました。『ニセ警察詐欺』では、警察官を名乗る人物が不安をあおり、ビデオ通話で逮捕状を示して送金を求める流れを再現しています。『還付金詐欺』では、市役所職員や金融機関のコールセンター職員を名乗り、医療費の還付手続きを口実にATMへ誘導する流れを取り入れました。知らない番号からの電話に出ない、途中で電話を切る、逮捕などをほのめかされても冷静に対応するといった選択をすると、被害を回避できる構成にしています。」
今後、どのような場面での活用を想定していますか?
「千葉県警が実施する防犯講話や広報啓発キャンペーン、商業施設などでの体験会、各種広報媒体を通じて、幅広い方に利用していただく予定です。ソフトバンクのスマホ教室の専門講師がイベントでサイトの利用方法を教える機会も設ける予定です。
今後の利用状況や体験会での反応も確認しながら、千葉県警や関係者と連携し、サイトの普及や改善に取り組んでいきます」
千葉県警からソフトバンクへ感謝状が贈呈
7月30日、「電話de詐欺疑似体験サイト制作発表会」が開催され、今回のサイトの制作を始めとする「電話de詐欺被害」の防止に向けた取り組みに対し、千葉県警からソフトバンクへ感謝状が贈呈されました。

千葉県内ではSNS型投資・ロマンス詐欺を含む電話de詐欺の被害が2025年に件数、被害額ともに過去最高を記録し、危機的な状況が続いていると説明されました。
千葉県警では発表に先立ち、防犯講話や広報啓発キャンペーンなどでサイトの活用を開始しているそうです。実際に体験した人からは、「楽しみながら手口や対策を学ぶことができた」「自分ならどうするかを考えることができた」といった声が寄せられているといいます。
皆さんも「電話de詐欺疑似体験サイト」で、自分ならどのように対応するかを試してみてはいかがでしょうか。家族や身近な人と一緒に取り組み、詐欺の手口や、いざというときの対応について話し合うきっかけにしてみてください。
(掲載日:2026年8月25日)
文:ソフトバンクニュース編集部




