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最新鋭の練習設備で選手の成長を後押し。「HAWKSベースボールパーク筑後」訪問記 〜前編〜

2016年に開業し、今年10周年を迎えた福岡ソフトバンクホークスのファーム拠点「HAWKS ベースボールパーク筑後」。これまで数多くの選手が汗を流し、プロとしての力を磨いてきました。
この施設には、屋内練習場などに加え、最新の練習設備など、選手の成長を後押しするさまざまな工夫が施されています。ホークスの球団担当者に案内してもらいました。

博多から30分。田園風景の中に広がる「HAWKS ベースボールパーク筑後」

博多から九州新幹線に乗ること約30分。途中で景色がのどかな田園風景に変わり、その中にポツンと球場らしきものが見えてきました。おそらくあれが「HAWKS ベースボールパーク筑後」でしょう。程なく筑後船小屋駅に到着して下車すると、駅舎内にもホークスの展示が並んでいて、地域と球団の一体感が伝わってきます。

今回の取材をすることになったきっかけは、春季キャンプでデータ分析について取材した際に「ぜひ筑後の施設も見に来てください」と声を掛けてもらったからです。それからちょっと時間が経ってしまいましたが、ようやく訪れることができました。

「HAWKS ベースボールパーク筑後」開業10周年記念イベントの様子

駅から5分ほど歩き、球場の入り口に到着。待ち合わせまでまだ少し時間があったので周辺を見回していると、目に入ったのが「ホークススタジアム筑後第二」の壁面には、筑後で研鑽を重ね、現在も活躍中の歴代の選手たちが紹介されています。

「お待たせしました。本日はよろしくお願いします!」

写真を撮りながら眺めていると、球団広報の北川加代さんが現れました。ここからは北川さんの案内で、広大な敷地内を巡っていきます。

巨大な白い建物の中には、広大な空間と最新鋭の練習設備がズラリ

「じゃあまずは屋内練習場に行きましょうか」

そう言って北川さんが指をさしたのは、待ち合わせ場所から目と鼻の先にある巨大な白い建物。

「これが屋内練習場なんだ!」
思わず声が出そうになるほどの圧倒的な存在感です。

外から見てもかなりの大きさですが、中に入るとさらにびっくり。目の前には想像以上に広い空間が続いていて、少年野球ならこの中で試合ができるんじゃないかと思えるほど。建物にボールが当たらないよう、室内全体がネットで覆われており、さまざまな練習が同時にできるよう空間がネットで仕切られています。

北川さん 「2軍、3軍、4軍、リハビリ組までいると、かなりの人数になることもあるんです。練習場所を屋内と屋外に分散させたり、時間をずらしたりしながら使っています」

ちなみに取材当日は夕方から3軍の試合があるため、午前中は主に4軍やリハビリ組、午後からは3軍の選手たちが入ってくる予定とのこと。これだけ広い練習場でも、選手が集まるといっぱいになることもあるそうです。

1軍復帰間近のモイネロ投手の姿を発見…!(2026年8月7日撮影)

試合前に“対戦を予習”。投手の投球を再現できる「Trajekt Arc」

さらに奥へ進むと、普通の打撃練習場とは少し雰囲気の異なるゾーンが見えてきました。マウンドには大型モニターがあり、バッターボックス周辺にはカメラや計測機器が設置されています。もしかしてこれが噂の…?

北川さん 「これは『Trajekt Arc(トラジェクト・アーク)』です。画面に投手の映像を映しながら、実戦に近いタイミングや球筋を再現して打撃練習ができる設備です。対戦投手を想定した球を再現することで、実際の試合に近い感覚で打席に立つ準備ができます。例えば、試合前に『この投手を想定した球を打っておきたい』と選手から要望があれば、データを集約・分析するR&Dスタッフが設定をサポート。実際に対戦する前に球筋やタイミングを確認し、目を慣らした状態で試合に臨むことができます。いわば、試合前に相手投手との“対戦を予習”できるような設備なんです」

他にもさまざまな機器が設置されています。投球練習場では、モーションキャプチャーやハイスピードカメラなどの計測機器が並び、選手自身のフォームを映像で確認したり、身体の動きをデータで捉えたりすることができます。

北川さん 「ハイスピードカメラは、ピッチャーが投球する際の指先からボールが離れるまでの瞬間を、超スローの映像で見ることができます。選手が『今日は少しフォームが違うな』と感じても、自分の身体が実際にどう動いていたのかを本人の感覚だけで正確に把握するのは容易ではありません。そこで映像やデータの出番です。身体の動きやボールをリリースする瞬間などを客観的に確認し、自分の感覚と実際の動きの違いを見つける。経験や感覚だけではなく、データも活用して課題と向き合える環境が用意されています」

筑後で日々練習する西尾選手が語る実際の環境

筑後の練習設備について実際に使っている選手はどのように感じているのでしょうか。ちょうど練習を終えたばかりの西尾歩真選手にお話を聞くことができました。

西尾選手 「他球団の施設を詳しく知っているわけではありませんが、筑後の環境は一番良いんじゃないかなと思うくらい充実しています。グラウンドが2面あって、人工芝と土の両方で練習できますし、屋内練習場もすごく広い。最新鋭のマシンも取り入れられているので、それらを活用しながら自分の成長に役立てています」

特にお気に入りだというのが「Trajekt Arc」。

西尾選手 「実際のピッチャーにかなり近い球が来るので、それを打ってから試合に臨むようにしています。このマシンを使うだけで全然違います。目を慣れさせることもできますし、実戦に近い球を打つことでイメージを作りやすいです。試合前にしっかり試合感覚を掴めるので、良いイメージで試合に臨めていると思います」

西尾選手によると、このマシンを試合前に使うようになってから、2軍・3軍での成績も少しずつ良くなってきた実感があるそうです。最新の設備が置かれているだけではなく、それが日々の練習や試合前の準備に実際に組み込まれていることが分かります。

最新設備が詰まった屋内練習場を見学し、その充実ぶりに驚かされた前編。後編では、メイン球場の 「タマホーム スタジアム筑後」や普段は見られない「選手寮」の裏側に迫ります。(後編へ続く)

(掲載日:2026年9月15日)
文:ソフトバンクニュース編集部