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責任あるAIの実現に向け、AIガバナンスの強化を推進。AIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001:2023」を取得

責任あるAIの実現に向け、AIガバナンスの強化を推進。AIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001:2023」を取得

ソフトバンク株式会社は、データ整備により生成AIの回答精度の向上を支援するサービス「TASUKI Annotation」について、AIシステムを管理する体制やプロセスを対象に、AIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001:2023」の認証を2026年8月25日(英国時間)に取得しました。

認証取得の背景や意義、今後の展望などについて責任者に聞きました。

浦野 憲二(うらの・けんじ)

ソフトバンク株式会社 IT戦略本部 デジタルガバナンス企画部 部長

浦野 憲二(うらの・けんじ)

石井田 聡哉(いしいだ・としや)

ソフトバンク株式会社 コーポレートIT本部 AIデータ基盤開発部 部長

石井田 聡哉(いしいだ・としや)

AI活用の拡大とガバナンスの重要性

ソフトバンクが提供する生成AI関連サービス「TASUKI Annotation」のAIシステムを管理するための体制やプロセスについて、AIマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 42001:2023」の認証を取得しました。認証取得に至る背景、理由を教えてください。

浦野 「ソフトバンクでは、2022年から責任あるAIの実現に向けてAIガバナンスの構築に取り組み、ルールや体制を整備するとともに、実際のAIの開発・提供・利用の中で運用しながら継続的に改善してきました。そうした取り組みを進める中で、私たちが構築・運用してきた仕組みが、客観的な観点から見ても適切なものになっているのか、第三者の評価を受けたいと考えたことが、今回の認証取得を目指した背景の一つです。

また、AIガバナンスはルールを整えるだけではなく、実際のサービスの開発・運用に組み込まれ、機能していることが重要です。今回認証の対象とした「TASUKI Annotation」も、ソフトバンクのAIガバナンスの仕組みにもとづいて開発・運用しています。その管理体制やプロセスを第三者に評価してもらうことで、お客さまに安心して利用いただけるサービスであることを客観的に示すことも重要だと考えました。

「TASUKI Annotation」は、企業が持つ文書や図表などを、生成AIが検索・利用しやすい形に整理・構造化し、「RAG(検索拡張生成)」で活用するデータの整備を支援するサービスです。こうしたAIサービスを適切に管理・運用する仕組みを国際的な基準に照らして確認するため、「ISO/IEC 42001:2023」の認証取得に取り組みました」

「ISO/IEC 42001:2023」は、AIを責任をもって開発・提供・利用するためのAIマネジメントシステムに関する、国際共通の枠組み

「ISO/IEC 42001:2023」とは、どのようなものでしょうか?

浦野 「『ISO/IEC 42001:2023』は、AIマネジメントシステム(AIMS:AI Management System)に関する国際規格で、組織がAIを開発・提供・利用するにあたり、透明性、信頼性、安全性を確保するための管理の枠組みを定めたものです。

品質マネジメント『ISO 9001』や情報セキュリティマネジメントの『ISO/IEC 27001』と同様に認証機関による審査を経て取得する、いわゆるマネジメントシステム認証の一つです。

『ISO/IEC 42001:2023』が対象とするのは、AIそのものの回答精度を直接規定する規格ではなく、AIを責任をもって開発・提供・利用するための『体制』や『プロセス』を整え、その管理の質を継続的に改善していくことです。具体的には、AIに関する方針・役割・責任の明確化、AIシステムやデータの管理、リスクの評価と対応、利用者などへの適切な情報提供、内部監査およびマネジメントレビューといった項目にわたり、認証審査では、これらの仕組みが国際規格の要求事項に沿って確立・運用され、継続的に改善されているかが確認されます。

ソフトバンクは『ソフトバンクAI倫理ポリシー』の下、責任あるAIの開発・提供・利用を推進し、AIに関連するリスクを適切に管理するガバナンス体制の構築に取り組んでいます。今回の「TASUKI Annotation」認証取得は、その取り組みが第三者機関の審査を通じて、『ISO/IEC 42001:2023』という国際的な共通の枠組みに照らして確認された一つの成果と言えます」

認証規格 ISO/IEC 42001:2023
対象となるマネジメントシステム 「TASUKI Annotation」に関するAIマネジメントシステム
認証日 2026年8月25日(英国時間)
認証機関 BSI Assurance UK Limited
認証登録番号 AIMS 847067

9月4日、ソフトバンク本社で認定書の授与式が行われました

企業の生成AI活用をアシストする「TASUKI Annotation」

ソフトバンクは、企業の生成AI導入や構築支援など、さまざまなAI関連サービスを提供しています。その中で、「TASUKI Annotation」とはどのようなサービスでしょうか?

石井田 「『TASUKI Annotation』は、文書や図表などに含まれる情報を読み取り、生成AIが必要な情報を探しやすく、活用しやすい形に整理するサービスです。生成AIに企業独自のマニュアルや資料を参照させることで、その企業が持つ知識や情報を踏まえた回答ができるようになります。ただ、元になる資料がAIにとって読み取りにくい状態だと、必要な情報をうまく見つけられず、正しい回答につながらないことがあります。例えば、人間であれば一目で分かる表やグラフ、業務フローでも、AIにはその関係性を正しく読み取るのが難しい場合があります。実際、「TASUKI Annotation」では、こうした文書や図表をAIが理解しやすい形に整理・構造化することで、生成AIの検索や回答の精度向上を支援しています。

言い換えると、生成AIが賢く答えるためには、AIそのものだけでなく、AIが使う「情報の土台」をきちんと整えることも大切だということです。「TASUKI Annotation」は、そのデータ整備にかかる手間を減らし、企業が生成AIをより使いやすくする役割を担っています」

「TASUKI Annotation」で認証取得を目指したのはなぜでしょうか?

石井田 「企業での生成AI活用が広がり、扱うデータの量や重要性も高まる中では、単に便利であるだけでは十分ではありません。データを適切に扱うことはもちろん、AIにどのようなリスクがあるのかを把握し、どう管理するのか、問題が起きたときにどう改善するのかといった仕組みを、組織としてきちんと整えておくことが重要だと考えました。

そこで、「TASUKI Annotation」をより安心して利用いただくために、AIを適切に管理・運用するための国際規格である「ISO/IEC 42001:2023」の認証取得を目指しました。

お客さまに「便利だから使ってください」とお伝えするだけではなく、「私たちはAIをこういう考え方、こういう仕組みで管理しています」と、客観的な基準にもとづいて説明できるようにしたい。それが、今回認証取得を目指した大きな理由です」

お客さまの大切なデータを適切に管理し、AIの処理についてきちんと説明できることが重要ということですね。

浦野 「はい。「ISO/IEC 42001:2023」の認証取得は、「TASUKI Annotation」において、お客さまのデータをどのように扱うか、AIの処理をどのように確認するか、問題やリスクがあった場合にどう対応するか、といったルールや運用の仕組みが整っていることを、第三者機関により確認・評価してもらったものです。そしてこの仕組みは一度作って終わりではなく、PDCAサイクルによって継続的に見直し、改善していくことが前提となっている点も特長です」

「TASUKI Annotation」は、AI精度向上に直結する高品質な教師データ作成のためのアノテーションサービスです。

「TASUKI Annotation」について詳しくみる

認証取得の3つの意義

改めて、「ISO/IEC 42001:2023」認証取得にはどのような意義がありますか?

石井田 「第三者機関の審査を受けて「ISO/IEC 42001:2023」の認証を取得したことには、大きく3つの意義があると考えています。

1.AI管理の仕組みを客観的に示せる

AIサービスを開発・運用するための管理の仕組みを、客観的に示せるようになったことです。AIサービスを提供する上では、データをどのように扱うのか、どのようなリスクがあるのかを確認し、問題や課題が見つかった場合にどう対応するのか、といったルールや体制を整えることが重要です。今回、国際規格にもとづいてこうした仕組みを整備し、さらに第三者機関の審査を受けたことで、私たち自身が「きちんと取り組んでいます」と説明するだけではなく、国際的な基準に沿った管理の仕組みを構築・運用していることを客観的に示せるようになりました。

2.継続的な改善サイクルが組織に定着する

リスクや課題を継続的に見つけ、改善していく仕組みが、組織の中に定着することです。AIサービスは、一度ルールを決めたり、システムをつくったりすれば終わりというものではありません。サービスを運用していく中で、新しいリスクや課題が見つかることもありますし、技術や利用方法も変化していきます。そのため、リスクがないかを定期的に確認し、必要に応じてルールや運用を見直していくことが大切です。今回、「ISO/IEC 42001:2023」に沿ったマネジメントシステムを構築したことで、「確認・課題の特定、改善」というサイクルを継続して回していく仕組みを、組織の中に組み込むことができました。

3.お客さまが安心して選び、使い続けるための判断材料になる

お客さまがAIサービスを選び、安心して使い続けるための判断材料を提供できることです。特に企業でAIを利用する場合には、機能や便利さだけでなく、データやAIがどのような考え方やルールで管理されているのか、リスクに対してどのような体制で対応しているのかも、サービスを選ぶ上で重要なポイントになると考えています。今回の認証取得によって、そうした管理の仕組みが国際規格に沿って整備・運用されていることを、第三者の審査を通じて示すことができました。認証を取得することが目的ではなく、「私たち自身がAIをより適切に管理し、継続的に改善していくこと」と「その取り組みをお客さまにも分かりやすく示していくこと」において、大きな意味があると考えています」

今後の展望・抱負をお願いします。

浦野 「ソフトバンクは、成長戦略「Activate AI for Society」を掲げ、全ての事業におけるAIの社会実装を推進しています。今回の認証取得を通して得られた知見は、他のプロダクトやサービスにおける認証取得も視野に入れ、AIガバナンス体制のさらなる強化に取り組んでいきます」

石井田 「国際規格に沿った管理体制の下で、お客さまに安心して「TASUKI Annotation」AIをご活用いただける環境づくりに、これからも取り組んでいきます」

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(掲載日:2026年9月16日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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