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ミリ波やSub6を活用し、トラフィック集中を緩和。「コミケ108」を支えたソフトバンクの電波対策

1975年に始まり、今や国内外から多くのファンが集う世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット(通称:コミケ)」。1日で10万人以上が集まるイベント会場でも快適に通信できるよう、ソフトバンクは毎年電波対策を行っています。2026年8月に東京ビッグサイトで開催された「コミケ108」では、3つのSub6帯に対応する「3 Band Massive MIMO」を導入したほか、ミリ波を活用したWi-Fi環境を整備。特に来場者が集中する待機エリアのネットワークを強化しました。

通信が集中する待機エリアのネットワークを強化

会場内外で対策を行う中、特に強化したのが、同人サークルが多く集まる東側と、企業ブースもある西側の入場待機列エリアです。待機列では、多くの来場者が同じ場所に長時間とどまってスマートフォンを利用するため、トラフィック(通信量)が局所的に集中します。さらに、近年はテキストや静止画に加え、高画質な動画の視聴やライブ配信などで、一人当たりのデータ使用量も増えていることから、今回新たな設備や周波数帯を活用し、通信容量を拡充しました。

「3 Band Massive MIMO」と「ミリ波CPE」をコミケ初導入

東側の待機列は、周辺の既存基地局ではカバーしきれない広く開けた駐車場に並ぶため、移動基地局車を配置。今回導入したのが、3.4GHz、3.5GHz、3.9GHzの3つのSub6帯に対応する「3 Band Massive MIMO」です。Massive MIMOは、多数のアンテナ素子を使って、複数のユーザーへ同時に効率よく電波を届ける技術。さらに、3つの周波数帯を利用して5Gの帯域幅を広げることで、従来より多くの人が同時に通信できるようになり、一人当たりの通信速度向上も期待できます。

さらに、大容量・超高速通信を特長とする「ミリ波」を活用したWi-Fi設備を設置しました。モバイル回線に集中するトラフィックの一部をWi-Fiへ分散できるため、多くの人が通信する場所でのネットワーク全体の負荷軽減にもつながります。昨年まではインターネットにつなぐバックホール回線としてStarlink Businessを利用していましたが、今年は、より広い帯域を確保するため、ソフトバンクのミリ波を受信する「ミリ波CPE」を採用。バックホールの通信容量を増やし、Wi-Fi接続時の通信速度向上を図りました。これにより、多くの人がスマホを利用するコミケの待機列でも、より多くのトラフィックをWi-Fi側へ分散できるようにしました。

基地局や周波数を増強し、トラフィックを分散

一方、周辺に建物が多く、その間を縫うように待機列が形成される西側の待機列エリアでは、基地局の増設や、既設基地局への周波数追加、指向性が高くより遠くまで電波を届けられる「ハイゲインアンテナ」を活用したWi-Fi構築などの対策を実施。利用できる基地局や周波数を増やすことで、特定の基地局に集中していたトラフィックを分散し、混雑時の通信品質を向上させました。

当日は通信状況を見ながらリアルタイムでネットワークを最適化

事前対策に加え、イベント当日も担当者が実際に会場を歩きながら通信品質を確認しました。待機列ができ始める朝からイベント開始後まで、東側・西側の待機列のほか、東京ビッグサイト内を回り、スマートフォンを使って通信速度などを測定。来場者と同じ条件で、快適に通信できるかを確認しました。

また、現地で測定するチームとは別に、遠隔から基地局の通信状況や負荷を常時確認するチームも配置。現地からの情報と基地局のデータを照らし合わせ、特定の周波数帯や基地局にトラフィックが集中した場合には、別の周波数帯や周辺基地局へ負荷を分散するなど、当日中にネットワークの設定を調整しました。

今回の対策について、担当したエリア建設本部 関東ネットワークソリューション部の林翔也は、以下のように振り返りました。
「コミケ108では、西側で既設基地局の増強が効果的に働き、基地局の負荷分散や通信品質の向上を確認できました。東側でも、3 Band Massive MIMOやミリ波CPEを活用したWi-Fiなど新しい対策を取り入れたことで、通信体感の向上につなげることができたと考えています。今後も、現地での測定結果やビッグデータ、基地局のデータを組み合わせながら、より快適な通信環境を提供できるようネットワーク対策を進化させていきます」

(掲載日:2026年9月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部