
「なんて返信しよう」「みんなで集まるときの調整が面倒」「今週末は、どんなおでかけプランにしようかな」。日常には、自分でできるけれど、少し考えたり、調べたり、調整したりするのが面倒なことがあります。そんな日常の “ちょっとした手間” をサポートするのが、LINEヤフーのAIエージェント「Agent i」です。実際にどんなことができるのか、担当者に話を聞きながら、いくつかの機能を試してみました。

話を聞いた人
LINEヤフー株式会社 LY Agent・検索SBU SBUリード Agent i プロダクトオーナー
赤間 隼太(あかま・じゅんた)さん
目次
LINEヤフーのサービスと連携し、日常生活をサポート
LINEのトーク画面や、ホーム、ニュースなどのタブ、Yahoo! JAPANを見ているとき、キャラクターが描かれたアイコンを見かけたことはありませんか。「見たことはあるけれど、何のボタンか知らない」「まだタップしたことがない」という人もいるかもしれません。
このアイコンが、LINEヤフーが2026年4月に提供を開始したAIエージェント「Agent i」。Yahoo!ショッピングやYahoo!天気、Yahoo!マップなど、100を超えるサービスと連携し、「おでかけ」「お買い物」「レシピ」「ファイナンス」「しごと相談」「人間関係」など、目的別のエージェントが、日々の暮らしの中で気になったことや困ったことをサポートします。

赤間さん 「特定の領域に特化したエージェントを用意することで、その領域に合った知識やデータを活用し、ユーザーの興味関心や状況に応じて情報を整理しやすくしています。また、プロンプトや参照するデータだけではなく、表示方法も領域ごとに工夫しています」
開いてみると、テキスト入力だけでなく、ボタンからAIに質問することもできます。「何を入力すればいいか分からない」というときでも選択肢から進められ、具体的に聞きたいことがあればテキストで質問できます。

赤間さん 「回答の表示方法も、文章による説明にとどまらず、例えば画像や価格・評価などを一目で比較できるカード型UIやカルーセル表示を採用するなど、ユーザーが直感的に判断・選択しやすい画面構成を追求しています」
では、実際にはどんな使い方ができるのでしょうか。
場所選びからプラン作成まで「おでかけ」エージェントに相談
友だちと休みが合ったものの、肝心の行き先が決まらない。いろいろなスポットを巡りたいけれど、どの順番で回ればいいか分からない。そんなときに「おでかけ」エージェントへ相談してみました。
まず「今週末のイベント」と入力して、場所や利用シーンなどを選択すると、イベントの開催日程や開演時間、概要などが一覧で表示されます。検索サイトを行き来しながら一つずつ探すのではなく、条件に合う候補をまとめて眺められるので、行き先を考える最初の一歩がぐっと楽になりました。

さらに「おでかけ」では、観光スポットや飲食店、ホテル、イベントを探せるほか、複数の場所を組み合わせたモデルコースを作ってもらうこともできます。今回は友だちと鎌倉へ行くことにして、「Agent i」におススメの観光コースを聞くと、寺院を巡るコースや絶景フォトスポットを散策するコースなど3つのコースを提案してくれました。
提案されたコースを開いてみると、スポットが並ぶだけではなく、どの順番で回るかまで1日の流れとして表示されます。行きたい場所を探して「じゃあ、どう回る?」まで考えるのは意外と手間。ここまで一度に提案してくれるのは、実際に使ってみて便利だと感じたポイントです。

気になったスポットの「詳細を見る」をタップすると、写真や店舗・施設の情報などを確認することができます。別の候補を見たい場合、「洋食のお店がいい」「和の雰囲気を感じられるコースがいい」と伝えると、要望に応えたお店を探したり、コースを調整してくれます。

赤間さん 「これまで別々に行っていた『候補を探す→比較する→場所を確認する→回り方を考える』という作業を、一連の流れで進めることができます。また、例えば展望台であれば、夜景を楽しめる夜の時間帯に訪れるようにするなど、施設を訪れるのに適したタイミングになるよう考慮しています」
「ファイナンス」エージェントが株式市場の情報を整理

NISAなどをきっかけに投資を始めると、株価をチェックする機会も増えます。ただ、大きく値動きしていることに気づいて理由を調べ始めると、金利、為替、米国市場、企業決算、地政学など、情報が次々に出てきて、「投資って難しい…」と感じてしまいがちです。
そこで、「ファイナンス」エージェントにマーケットの動きについて聞いてみました。
「ファイナンス」エージェントを開いてまず目に入ったのが、日経平均株価の動きと「マーケット影響マップ」。そのとき市場で起きている出来事と、それがどの業界や銘柄に影響しているのかを図で確認できます。ニュースを一つずつ読んで自分で関係性を整理するのとは違い、まず「今、何が市場を動かしているのか」を俯瞰してから気になる情報を見ていくことができそうです。

赤間さん 「Yahoo!ファイナンスが情報提供元から許諾を得た情報を利用し、公平性・中立性に配慮した回答を行う設計としています。また、大量の情報をご自身で整理する時間が取れない方にも短時間で重要なポイントをつかんでいただけるよう、回答の冒頭に要約や図解を入れています」
個別株に投資している方は、気になる個別銘柄について調べると、チャートや業績、Yahoo!ファイナンスの掲示板に寄せられた意見などをまとめて確認できます。複数の情報が一つの画面にまとまっているため、「まず何を確認すればいいのか」を整理する入口としてとても使いやすそうです。

赤間さん 「『ファイナンス』エージェントは、特定の金融商品の購入を推奨・勧誘するものではなく、あくまで一般的な情報提供や判断の参考となる情報の提示にとどめる方針をもとに開発しています」
日常の作業を自立的・継続的に代行する「タスク機能」
Agent iの「タスク機能」は、ユーザーが登録した条件に基づき、AIが必要な情報を継続的に収集し、指定したタイミングで知らせてくれる機能です。キーワードに関する最新ニュースのチェック、商品の値下がり、指定地域のイベント情報収集などに対応。実行頻度も設定でき、結果はAgent iの画面に加え、Yahoo! JAPANアプリやLINEアプリのプッシュ通知でも受け取れます。
LINEで「なんて返信しよう」をトークルームの「Agent i」に相談

「Agent i」は普段のLINEでのコミュニケーションもサポート。トーク画面の下にある「Agent i」では、これまでのやり取りの内容にあわせて、返信候補を提案してくれます。
例えば、相手から「今日さ、仕事でこんなことがあったんだよね……」と何気ない雑談が届いたとき。同じ内容でも、「この言い方で大丈夫かな」「そっけないと思われないかな」と、相手との関係性を考えるほど返し方に迷うことありますよね。そこで、LINEのトーク画面から「Agent i」に返信を考えてもらいました。

すると、直前のやり取りに応じて複数の返信候補が表示されます。相手の話に共感するものや、会話をさらに広げるものなど、ニュアンスはさまざま。「このくらいの距離感なら自然そう」「少し丁寧過ぎる」など、メッセージを比べながら、自分に合うものを選べます。候補をそのまま送ることも、一部分だけ手直ししてから送ることもできます。
赤間さん 「この機能では、直近の会話をもとに、二人の関係性をできるだけ把握するようにしています。その中で普段どのような言葉遣いをしているのか、どのようなトーンでやり取りしているのかを踏まえ、提案する回答がいつもの会話から大きく外れて不自然にならないようにしています」
返信入力欄には「感情タイプ」「LINEあるある」「恋愛タイプ」「お仕事」などのカテゴリも用意されています。もう少し親しみのある返しにしたいときや、違うニュアンスを見てみたいときは、カテゴリを切り替えながら候補を探せます。

赤間さん 「AIに返信を考えてもらうというと、どこか味気なく感じるかもしれませんが、自分の返信の内容や表現を言語化するサポート役として役立つと思います。また、手が離せないときなど、素早く返信したいのにテキスト入力が難しい状況でも活用いただけると考えています」
AIが幹事になって候補日探しから日程調整まで実行
他にもLINEのやり取りでよくあるこんなシーン。
友だち数人で「今度、野球の試合を観に行こう」と盛り上がったものの、なかなか予定が決まらない。まずはイベントの開催日程を確認して日程を共有し、「この日はAさんがダメで、この日はBさんが…」と確認。ようやく絞れたと思ったら、まだ返事をしていない人がいたり、全員が参加できる日がなかったり。予定の調整が面倒だから、「集まろう」と言い出しにくかったり、つい人任せにして話が進まない… なんてことありませんか?

そんな調整をサポートするのが、LINEのトークルームで利用できる「日程調整エージェント」です。
グループトークでメッセージ入力欄下のAI chip menuから「日程調整」をタップし、依頼をします。すると、AIが試合日程を調べて、候補日を提案。そのままトークルームに送信すると、グループチャット内に「日程調整が作成されました。8月25日までに回答お願いします」と日程調整が案内されます。

赤間さん 「この機能では本人のLINEカレンダーを参照して回答することもでき、『花火大会と重なる可能性がある』などのように、他の予定との重複の可能性を教えてくれます。他の予定は自分には見えていても、『何の予定があるのか』までグループのメンバーに伝わるわけではありません」
さらに、回答が遅れている人へのリマインダーや、「あなたが変更すると全員が〇〇日に参加できます」といった言いにくいお願いもAIが送り、調整を進めてくれます。日程が決まると、LINEカレンダー結果画面からLINEカレンダーに予定を登録することもできますへの登録まで自動で行われました。候補日を一覧にするだけでなく、未回答者への確認や再調整まで進めてくれるので、「誰が調整役をやるか」という負担も小さくなりそうです。

行き先を探す、情報を整理する、返信を考える、予定を合わせるーー。今回使ってみて、日常生活の中でこれまで意識していなかった「どうしようかな」「面倒だな」というちょっとした不便をサポートしてくれるのがとても便利だと感じました。
赤間さん 「これまでのAIは、ユーザーが質問をして、それに答えるという使い方が中心でした。『Agent i』ではそこから一歩進み、ユーザーの意図や状況を理解しながら、必要な情報やサービスをつなぎ、実際の行動までサポートする存在を目指しています。今回紹介した機能の他にも、『お買い物』『レシピ』『人間関係』など、たくさんのエージェントがあります。何か明確な質問があるときに使うだけではなく、まだやりたいことが漠然としている、少し相談したい、というときに、まず話しかけてみるという使い方を、ぜひ試していただきたいです」
(掲載日:2026年9月29日)
文:ソフトバンクニュース編集部




