
2006年にソフトバンクが携帯電話事業に参入してから20年。この20年間で、携帯電話は大きく姿を変えました。
かつては通話やメールが中心だった「ケータイ」は、インターネットにつながるスマートフォンへ。今では、ニュースを見る、地図で場所を調べる、写真や動画を楽しむ、買い物をする、支払いをする、移動する。日々のさまざまな行動が、スマートフォンから始まるようになっています。振り返ってみると、変わったのは端末の形や通信速度だけではありません。インターネットを使う場所がパソコンの前から手のひらへ移り、スマートフォンを起点にさまざまなサービスが生まれ、私たちの暮らしそのものが変わってきました。
ソフトバンクが掲げてきた「モバイルインターネット革命」は、人々の生活にどのような変化をもたらしてきたのでしょうか。20年間の出来事とともに振り返ります。
目次
2006~2007年:ケータイが「インターネットの入り口」に
今から20年前の2006年。当時の携帯電話は、折りたたみ式をはじめとする「ケータイ」が主流でした。通話やメールのほか、携帯電話向けのウェブサービスも使われていましたが、インターネットといえば、まだパソコンから利用することが一般的な時代です。
その中でソフトバンクが目指したのが、「インターネットと携帯電話の融合」でした。
2001年にブロードバンド事業へ参入し、家庭でインターネットを利用する環境を広げてきたソフトバンクは、2006年にボーダフォン日本法人を買収し、携帯電話事業へ参入。持ち歩くことのできる携帯電話を、もっと身近なインターネットの入り口にしていくための挑戦が始まりました。

ボーダフォン日本法人買収についての記者会見(2006年3月17日)
参入後は、携帯電話等に向けたテレビ放送が視聴できるワンセグ対応端末や薄型端末など、さまざまな携帯電話を投入。

「インターネットの入り口」のコンセプトを具体化した取り組みとして、2006年10月には「Yahoo!ケータイ」を開始。「Y! ボタン」を押せば「Yahoo! JAPAN」へアクセスできる仕組みを取り入れ、ケータイからインターネットを利用する体験を身近なものにしていきました。

さらにソフトバンクは、携帯電話の購入や月々の利用料金にも新たな仕組みを続々と導入します。2006年9月には、携帯電話機の割賦販売を開始。端末代金と通信料金を分けることで、料金の透明化を進めました。
料金サービスにも変化が生まれます。2007年には、月額基本使用料980円(税込み)で、ソフトバンク携帯電話同士なら特定の時間帯の国内通話が無料になる「ホワイトプラン」を開始。同じ年に「白戸家」のテレビCMもスタートしました。

携帯電話は、「必要なときに電話をするもの」から、日常的に人とコミュニケーションを取ったり、情報に触れたりするものへ。人々とケータイの距離が、少しずつ近付いていきました。



豊富なカラーバリエーションを揃えた端末などを発表
2008~2009年:直感的なタッチ操作で、インターネット体験が一変。iPhone が変えた日常
そして2008年、携帯電話とインターネットをより密接に結び付けるソフトバンクの取り組みは、大きな転換点を迎えます。ソフトバンクはこの年を「インターネットマシン元年」と位置付けました。携帯電話を、通話を中心とした「ボイスマシン」から、インターネットを楽しむ「データマシン」へ。
フルキーボードを備え、ミニPCのように使える「SoftBank 922SH」など、インターネット利用を意識した端末も登場します。そして同年7月、日本で「iPhone 3G」の販売を開始しました。

「iPhone 3G」の発売日のソフトバンク表参道の様子
大きな画面を指で操作する。ウェブサイトを見る。地図を開いて現在地や目的地を確認する。音楽を聴く。アプリを使う。それまでパソコンの前で行っていたことが、手のひらの端末でできるようになっていきました。
「パソコンを開くのではなく、必要になったその場でインターネットを使う」
移動時間にはメールを確認する。待ち合わせ場所を地図で調べる。気になったことをその場で検索する。インターネットが “場所” から解放されたことで、人々の時間の使い方も少しずつ変わっていきました。


次々と新商品発表会で端末を発表
2009年には「インターネットコンテンツ元年」を掲げ、モバイルでさまざまなコンテンツを楽しむ取り組みも加速。携帯電話でお笑い動画を視聴して投票する「S-1バトル」など、モバイルならではのコンテンツも登場しました。モバイルインターネットが、日常の中へ本格的に入り始めた時代でした。
2010~2013年:写真も動画も地図も。スマートフォンが日常の道具に
スマートフォンが普及するにつれて、外出先でもインターネットを使うことが日常になっていきました。利用する時間や機会が増え、「LINE」などのSNSや、写真や動画など大容量のデータをやり取りする場面も増加。ネットワークを流れるデータ量も急速に増えていきます。
モバイルインターネットが便利になればなるほど、「外でも快適に使いたい」というニーズも高まっていきました。こうした新しい日常を支えるため、ソフトバンクは2010年に「ソフトバンク電波改善宣言」を発表。自宅や店舗向けの小型基地局「フェムトセル」の無償提供や基地局の整備など、通信環境の改善を進めました。

同じ年に「海外パケットし放題」も開始。海外旅行や出張先でもスマートフォンでインターネットを利用するなど、モバイルインターネットを使う場所は海外へも広がっていきました。初代「iPad」の販売も始まり、スマートフォンより大画面でインターネットやコンテンツを楽しむスタイルも登場します。
東日本大震災であらためて見えた、通信の役割
2011年3月11日、東日本大震災が発生しました。離れた家族の安否を確認する。避難に必要な情報を得る。被災地の状況を伝える。便利なサービスとして日常に浸透しつつあった携帯電話やインターネットが、災害時には人々の生活を支える重要な役割を持つことが、あらためて認識されました。ソフトバンクは、移動基地局車や移動電源車、衛星回線などを活用し、被災したエリアにおける通信ネットワークの復旧にあたりました。
この経験は、その後の基地局やネットワークセンターの電源対策、災害時の復旧設備の増強など、ネットワークの強靭化や災害対応力の向上にもつながっています。


2012年には「SoftBank 4G」の提供を開始。同年には900MHz帯の「プラチナバンド」を利用した通信サービスの提供もスタートしました。高速化や通信エリアの拡大などネットワークの進化を重ね、広がり続けるスマートフォンの利用を通信インフラの面から支えていきました。

2014~2017年:通信の枠を越えて。スマートフォンが日常の道具に
2010年代半ばになると、スマートフォンはすっかり日常の道具になっていきます。
2014年には「Y!mobile」が誕生。「スマ放題」や「アメリカ放題」など、利用スタイルに合わせた新しい料金・通信サービスも登場しました。2015年には、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルの4社が合併し、同年7月、社名を「ソフトバンク株式会社」へ変更。モバイルと固定通信を一体で展開する体制となり、スマートフォンを起点に、自宅のインターネットも含めた通信環境をトータルで支える企業へと進化しました。
この頃には、スマートフォンでできることもさらに増えていました。ニュースを見る。SNSで人とつながる。ゲームを楽しむ。そして、買い物をする。インターネットは「情報を見る場所」から、実際の行動を起こす場所へと変わり始めます。

2015年、ソフトバンクとヤフー株式会社(現、LINEヤフー株式会社。以下、ヤフー)は「モバイルeコマース革命」を発表。「スマートログイン」によって、「Yahoo!ショッピング」などを利用する際のIDやパスワードの入力を省略。商品の購入代金を携帯電話料金とまとめて支払える仕組みも導入しました。
欲しい商品をスマートフォンで探し、そのまま購入する。かつてパソコンで行っていたネットショッピングも、外出先や移動中にできるようになっていきました。スマートフォンは、情報を得るための端末から、生活のさまざまな行動の起点へと変わっていきます。
動画やSNSなどをスマートフォンで楽しむことが当たり前になると、今度は「データ容量」が新たな課題になりました。2016年には、より手軽な料金で大容量のデータを定額で利用できるサービス「ギガモンスター」を開始。変化するユーザーのライフスタイルに合わせ、データ容量を気にしすぎずにスマートフォンを利用できる環境を作り上げていきました。
2018~2020年:買い物も支払いもスマホで。財布を持たない日常へ
スマートフォンが担う役割は、さらに広がります。
2018年、ソフトバンクとヤフーの共同出資会社であるPayPay株式会社が、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を開始しました。商品をスマートフォンで探して買うだけではなく、実店舗での支払いにもスマートフォンを使う。スマートフォンが「財布」の役割まで担うようになりました。
開始当初には「100億円あげちゃうキャンペーン」などでも大きな注目を集め、QRコード決済という新しい支払い方が広がっていきます。

財布から現金を出す。その日常的な動作さえ、スマートフォンに置き換わっていく。モバイルインターネットは、情報やコミュニケーションだけでなく、「買う」「支払う」という人々の行動にも入り込んでいきました。
この頃、ソフトバンクが掲げたのが「Beyond Carrier」です。通信事業を基盤に、その先にあるさまざまな分野へ事業領域を広げていく考え方です。2018年にトヨタ自動車と共同出資して設立したMONET Technologies株式会社は、モビリティ分野での取り組みも進めました。また、2019年には非通信分野の強化や両社の連携による相乗効果の創出を目的に、ヤフーを連結子会社化しました。
買い物、決済、移動。スマートフォンを起点に、それまで別々だった生活のサービスが少しずつ結び付いていきます。そして2020年、「SoftBank 5G」の商用サービスがスタートしました。より高速・大容量な通信環境によって、スマートフォンで利用するコンテンツやサービスの可能性もさらに広がっていきます。その可能性を具体的な体験として示したのが「5G LAB」です。 AR(拡張現実)やVR(仮想現実)、さまざまな視点から映像を楽しめる自由視点コンテンツなどを通じて、スポーツや音楽ライブの新たな楽しみ方を提案しました。

2021~2026年:スマートフォンのその先へ。AIが変え始める暮らし
2021年にはオンライン専用ブランド「LINEMO」がスタート。料金プランの選択から各種手続きまでオンラインで完結するという、新たな選択肢を打ち出しました。
また同年には5G SA(スタンドアローン)の商用サービスも始まり、2024年には3Gサービスが全国で終了しました。通信ネットワークは3Gから4G、5Gへと進化を続けています。
そして今、人とデジタルサービスとの関わり方にも、新しい変化が起ころうとしています。その一つがAIです。
これまでは、自分でアプリを選び、検索し、操作することが基本でした。生成AIの進化によって、これからは人がやりたいことをAIが理解し、必要な情報を探したり、サービスを利用する手助けをしたりする場面も増えていくと考えられます。「インターネットを持ち歩く」ことから始まったモバイルインターネット革命は、「AIをいつでも身近に利用する」時代へと進もうとしています。
ソフトバンクでは、2023年からSB Intuitions株式会社による日本語に特化した大規模言語モデル(LLM)の開発を進めています。また、AIを動かすために必要となる大規模な計算基盤として、北海道苫小牧市などでAIデータセンターの構築を推進。2024年には、AIとRAN(無線アクセスネットワーク)を同じインフラ上で動かすAI-RANの統合ソリューション「AITRAS」の開発も本格化しました。モバイルインターネットの次の時代に向けて、AIを日常的に使うための基盤づくりも始まっています。

建設中の「北海道苫小牧AIデータセンター」
インターネットを使う場所を選ばない。「つながる場所」をさらに広げる
モバイルインターネットによって、私たちがインターネットを使う場所の制約は大きく減りました。その範囲をさらに広げる取り組みも進んでいます。
ソフトバンクは、地上のモバイルネットワークと衛星やHAPSを活用した非地上系ネットワークを融合させることで、世界の人やビジネスにイノベーションを起こす「ユビキタストランスフォーメーション(UTX)」を目指しています。災害時の通信の迅速な復旧や、山間部や海上など、これまで地上の基地局だけでは通信を届けることが難しかった場所でも、スマートフォンやデジタルサービスが利用可能となる通信基盤の構築を推進しています。


2026年には、衛星とスマートフォンを直接つなぐ「SoftBank Starlink Direct」もスタート。HAPSの商用化に向けた取り組みも進んでいます。
場所を選ぶことなくインターネットを使える環境を目指す。空や宇宙を活用した通信も、これからの生活スタイルを支える新しい通信基盤の一つになろうとしています。
20年前、インターネットは今ほど生活の中に溶け込んではいませんでした。
| モバイルインターネット革命前 | モバイルインターネット革命による「変化」 |
|---|---|
| 情報を調べるためにパソコンを開く | 電車の中や街中で、スマホでその場検索 |
| 買い物をするために店舗へ行く | 外出先や移動中に、スマホでそのまま注文 |
| 支払いのために現金や財布を持ち歩く | レジ前でスマホをかざしてPayPayで決済 |
| 知らない場所へ行くときに地図を用意する | スマホの地図アプリで現在地とルートを確認 |
ケータイでインターネットを見ることから始まり、スマートフォンで検索する、写真や動画を楽しむ、買い物をする、支払いをする。今では、生活のさまざまな場面でスマートフォンやインターネットを意識することなく使うようになっています。ソフトバンクがこの20年間進めてきた「モバイルインターネット革命」は、携帯電話や通信サービスを進化させるだけではなく、人々の生活スタイルそのものを変えてきました。
そして今、その舞台はAIへ、さらに空や宇宙へと広がっています。これからもソフトバンクは、テクノロジーと通信の力で、人々の暮らしに新しい体験を生み出していきます。
(掲載日:2026年10月1日)
文:ソフトバンクニュース編集部






