

デジタルの発展により人々の生活は劇的に、飛躍的に進化してきた。しかし、それと同時に、地球温暖化や環境破壊、自然災害などの地球的な課題も浮き彫りに。また、日本国内に目を向けると少子高齢化、人口の減少、都市と地域のへだたり、社会インフラの老朽化など、地域によって異なるさまざまな固有の社会問題も抱えるようになってきている。X PROJECTの最初のテーマは「地方創生」。
今回は東京から静岡に移住した竹内由恵さんとクロスして、生活を送る中で感じたその地域のリアル、そこから感じる地域での暮らしの面白さや課題を竹内さんの目線で率直に語っていただきます。
PROFILE
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竹内 由恵
TAKEUCHI YOSHIE竹内 由恵(たけうち よしえ)
タレント(元テレビ朝日アナウンサー)1986年、東京都生まれ。2008年にテレビ朝日アナウンス部に入社後、多くの看板番組を担当。
結婚を機に退社し、夫の勤務地である静岡での暮らしをスタート。35歳で長男を出産。現在は、バラエティー番組から報道番組まで幅広い分野で活躍中。
東京から静岡へ。両方で暮らしてみて感じた生活のギャップ
非常に多忙なテレビ局の勤務を経て、ご家族で東京から静岡に移住されましたね。実際の生活をしてみてどのようなことを感じましたか?
最初の1カ月くらいは観光気分で静岡の町を楽しんでいました。東京との生活の違いを見つけたり、地域のスーパーってこんな感じなんだ!と新鮮に思ったり。
子どもが生まれてからはまた違った生活になりましたね。子育て支援のコミュニティを活用するようになって、そこで知り合いや友だちもでき、一気に静岡になじんできたように感じられました。私の住んでいる地域は子育て支援が充実していて、ファミリー層に優しい場所だなと感じることが多いです。基本的にお店が広くてベビーカーも運びやすく、とてもウエルカムな印象を抱きました。子育てするにはその空気感がいいなと思えます。
そういえば、ご高齢の方は多いですね。
あとはスーパーに行っても、ふとした時にすれ違ったご高齢の方が「(お子さんは)今何歳なの?」と声をかけてくれたり。バス停でバスを待っている間に一緒に待っていた方が息子をあやしてくれたこともありました。そういう優しさをすれ違う人たちから感じます。東京に比べると時間の流れがゆったりしている感覚がありますね。

車社会での生活や高齢化。身近に感じる地域の課題
東京での生活と比べて不便さや課題を感じたことはありますか?
交通の面では課題を感じますね。私の住んでいる地域では電車が1本しか通っていなくて……。地域の方からは親しまれている鉄道で、私も息子と街中でその電車が走っているのを見ると足を止めて眺めて楽しんでいるんです。でも、東京のように電車に乗ってどこでも行けるような環境ではありません。駅によっては単線になるので間違えて逆方向に行ってしまったこともありました。
やっぱりこの地域は車社会ということで、車が使えない時の不便さを感じました。それは私だけではなく、高齢者の方も感じているのではないでしょうか。スーパーにタクシーで来ている方もよく見かけます。コロナ禍によって運転手さんが激減しているみたいなんです。タクシーを予約しようとしても、前日でも予約が取れないことも。自分で運転することが難しい方は、日常の買い物でも苦労されているのかもしれませんね。
私も一時期、マイカーが無くて、その時はきつかったです。なんとか電車とバスを駆使しながら、あとは徒歩で目的地へ向かっていました。子どもがいると荷物も多くて大変でしたね。

その他にも課題を感じることはありますか?
仕事の特性上、生活が不規則なので、保育園だけでは間に合わないことがあったりするのですが、実家を頼るにも限界がありますので、ベビーシッターさんなど、企業が提供するサービスを利用できたらいいな、とは思うことはありますねー。私の住んでいる地域は子育て支援が充実しているので、うまく活用できればいいんですけど。
静岡の中でもマンションがあるような地域ではファミリー世帯が多いのですが、私が今住んでいる一軒家が立ち並ぶ地域では高齢の方が多いんです。気軽に声をかけてくれたりするところは、地域のつながりを感じられていいなと思うのですが、その時に「どこから来たの?」と聞かれて「東京です」と答えると、「東京から来たのね。うちの子どもも東京にいて、今はコロナの流行もあってなかなか会えないの」という話が返ってくることもあって。若者が都心に流出している状況はあるのだろうなと感じます。
先ほどお話に出てきた、交通の問題や少子高齢化は多くの地域が抱える課題でもありますね。
テレビ局のアナウンサーとして働いていた時も、仕事上「東京一極集中」「少子高齢化」などの地域の問題を口にはしていましたが、実際に住んでみると本当になんとかしたいと自分ごとに捉えられるようになりました。
デジタルの力でできる「地方創生」とは?
これまで竹内さんの地域の現状を聞かせていただきましたが、ここからはその課題解決に向けてのアクションについてお話していければと思います。「地方創生」と一口に言ってもさまざまなアプローチがありまして、例えば、デジタルやテクノロジーの力で、社会全体で「地方創生」を手助けすると聞いたらいかがでしょうか。
デジタルで、ですか?デジタルと地方創生って、なかなか結びつかないイメージです。
ちなみに竹内さんはソフトバンクにどのようなイメージをお持ちですか?さまざまな社会課題がある中で、ソフトバンクは未来の子供たちがよりよく過ごせるようにその地域が抱える社会課題に対して、デジタルテクノロジーを活用し、「地域の活性化」や「地方創生」を支援する取り組みを加速しているんです。
そうなんですね。初めて知りました。私、携帯キャリアはソフトバンクなんですけど(笑)、やっぱりソフトバンクさんといえば携帯キャリアのイメージでした。
例えば、社会の水問題に対してはWOTAというプロダクトを使って実際に問題を抱える地域で解決に向けた検証を行ったり、移動手段の問題に対しては MaaS(Mobility as a Service)や自動運転の技術を使いながらニーズにあったサービスを展開したり、ソフトバンクは、社会課題の解決のために、デジタルを通じてさまざまな活動を推し進めているのです。

違う技術と協力して……通信だけではなくデジタルでの課題解決を推進されているんですね。そんなこともやっているとは驚きです。

これからその取り組みを紹介していきますので、最先端の技術を知っていただき、身近な暮らしや生活の中で竹内さんが感じることをぜひお話しいただければと思います。
改めて考えてみて、地域の課題がリアルに思えてきました。地域の課題ってどうやって解決していったらいいんだろう。私ももちろんですし、私の子どもの未来にも関わることなので。先ほどのような技術を生かして日本のデジタル化を進めていければ、地域が抱える問題も解決策が見つかるかもしれませんね。それぞれの地域の社会課題に対してデジタルの力でできること、どういった取り組みがあるのかワクワクしてきました!
東京から静岡に移住した竹内さんに地域での生活のリアルを語っていただくことで、地域が抱えている社会課題が分かってきました。次回はその課題を解決しうる、デジタルのチカラをじっくり紹介していきます。