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生成AIとの向き合い方を考える。高校1年生が活用方法やAI倫理を学ぶ授業「AIチャレンジ」に挑戦

生成AIとの向き合い方を考える。高校1年生が活用方法やAI倫理を学ぶ授業「AIチャレンジ」に挑戦

文部科学省から「初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン」が公表されているように、教育現場での生成AIの活用方法が検討されています。これを受けて、ソフトバンクはAI活用人材の育成を目的とした中学校・高等学校向け教育プログラム「AIチャレンジ」の導入校向けに、生成AIについて学べる「生成AI活用入門」の教材を新たに開発。

「生成AI活用入門」の教材提供開始に先立ち、教材を使用した実証授業が茨城県立竜ヶ崎第一高等学校で行われました。「生成AI活用入門」の教材は、「生成AIを知る」「生成AIを体験する」の2コマ(1コマ50分)構成で展開されます。

【1コマ目】生成AIの種類や仕組みについて知る

「生成AI活用入門教材」は、授業2コマ分(1コマ50分)を通して「生成AIを知る」「生成AIを体験する」の2部構成で展開されます。第1部「生成AIを知る」では、生徒たちは「ChatGPT」をはじめとする生成AIの種類や仕組み、活用例、リスクなどに関する基本的な知識を学びました。

1コマ目:生成AIの種類や仕組みについて知る

高校1年生の生徒24名は、今回初めて生成AIに関する授業を受講しました。AIに苦手意識を持つ生徒や、生成AIとの向き合い方が分からないという生徒もいるため、まずはAIという分野内での生成AIの位置付けなど、基本的なところから講師が説明。生徒たちは生成AIに関する基礎や生活の中でどう生かせるかを穴埋め形式でワークシートに記入しました。

【1コマ目】生成AIの種類や仕組みについて知る
【1コマ目】生成AIの種類や仕組みについて知る

生成AIでは何ができるのかなどについて考えた後、講師が実際に生成AIで作成した文章や絵、曲を披露すると、「AIが近年発達しているというのは知っていたが、画像や絵、曲などこんなにも幅広い分野にAIが広がってきているということを知って興味深い」と、ワクワクして授業を受ける生徒の姿が印象的でした。

【2コマ目】生成AIを体験。活用方法や倫理問題について考える

【2コマ目】生成AIを体験。活用方法や倫理問題について考える

第2部ではプロンプトの工夫による効果的な活用方法や、生成AIの倫理的問題などを学ぶ実践的な内容に。生徒は生成AIをどのように利用するかについて話を聞いた後、学んだことを生かして絵の作成に挑戦していました。

生成AIに指示を出して絵を作成
生成AIに指示を出して絵を作成

生成AIに指示を出して絵を作成

「生成AIで完成度の高い作品を作るには、条件を適切に入力して指示を与える必要があります」との説明を受け、生徒はそれぞれ作成したい絵の条件を具体的に入力し、イメージした絵が詳細に作成されるかを試しました。

また、生成AIを使用する際の注意点として、個人情報や内部の機密情報を使用してはいけないことなどについて例題を通して学びました。

【2コマ目】生成AIを体験。活用方法や倫理問題について考える

生成AIを用いて作成したものは必ずしも正しいとは限らないため、必ずファクトチェックが必要となります。正しい情報を取捨選択する必要があることや、生成AIの活用が向いているものと向いていないものがあることを学んだ後、生徒たちは生成AIの活用場面のアイデア出しに挑戦。「全身の写真を撮ると、似合う服を教えてくれるAIアプリ」など、身近な日常生活での活用アイデアが出されました。

キャプション

実際に授業を受けた生徒からは、「今までChatGPTをよく使用していたがあまり正しくない使い方をしていたので、授業で学習したプロンプトの基本形を用いて正しく指示を出し、より良いアイデアを引き出すようにしたい」と、今後の学習への生かし方を学ぶことができたと感想をもらいました。

日常生活でAIを使うための第一歩に

竜ヶ崎第一高校高等学校の太田垣淳一校長に、今後の教育におけるAIの取り入れ方を伺いました。太田垣校長も日常生活で生成AIを活用しており、文章を書いたり、骨子となるアイデアの枠組みを作成する際にChatGPTを使用するそうです。

竜ヶ崎第一高校高等学校 太田垣淳一校長
竜ヶ崎第一高校高等学校 太田垣淳一校長

竜ヶ崎第一高校高等学校 太田垣淳一校長

「『探究の時間』では生徒自身がテーマを設定して地域と一緒に地域の課題を解決する取り組みを行っています。生徒はアイデア出しや思考のプロセスのほうによりエネルギーや時間を使い、プロトタイプを作るところにはChatGPTなどの生成AIが活用できるのではという仮説を持っています」と生成AIの活用例を示し、セキュリティに関してはしっかり教育する一方、課題解決のためには生成AIを自由にどんどん取り入れていってほしいという考えを話してくれました。

最後に、実証授業を企画・運営したソフトバンク株式会社 CSR本部 五十嵐祐二は、次のように述べました。

日常生活でAIを使うための第一歩に

「AIを扱う授業が初めての高校1年生だったので、正直難しい内容だと思っていましたが、生徒たちの反応がよく理解も早くて、思った以上に手応えのある授業ができました。使い方を学習して、AIを活用する人材になってほしいです」

本授業では日常生活でAIを使うための第一歩として、生成AIの理解を深め、実践を通して正しい使い方を指導しました。今後も実証授業が予定されており、ソフトバンクは、生成AIによるリスクを理解し、回避・低減して有効かつ安全に活用する社会を築くことを目的として、「AI活用人材育成」に向けた積極的な教育支援を行います。「生成AI活用入門」は9月下旬から提供が開始されます。

AIチャレンジとは
AIチャレンジとは

AIチャレンジは、これからの社会で求められるAIを使いこなせる「AI活用人材」を探究学習を通じて育成する実践的な教材です。今後、AI活用という資質・能力を生かした新たな仕事が数多く誕生すると考えられます。そのため、在学中の積極的な「AI活用人材」育成が期待されています。


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(掲載日:2023年9月14日)
文:ソフトバンクニュース編集部