2019年3月期 決算説明会 要旨

日時 2019年5月8日(水)午後4時~5時20分
登壇者 ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙、代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 榛葉 淳、代表取締役 副社長執行役員 兼 COO 今井 康之、代表取締役 副社長執行役員 兼 CTO 宮川 潤一、取締役 専務執行役員 兼 CFO 藤原 和彦
ヤフー株式会社 代表取締役社長 社長執行役員CEO 川邊 健太郎

要旨

決算説明会では、「2019年3月期 連結実績」、「成長戦略の進捗」、「ヤフー株式会社連結子会社化」および「2020年3月期 連結業績予想」の4点について、社長の宮内より説明しました。

1. 2019年3月期 連結実績

2019年3月期の売上高は、前年対比で5%増加し、過去最高の3兆7,463億円となりました。営業利益は、前年対比13%増の7,195億円となり過去最高を更新しました。親会社の所有者に帰属する純利益は4,308億円となり、いずれも業績予想を上回っての着地となりました。

2. 成長戦略の進捗

通信事業のさらなる成長

好調な業績の背景に、通信事業の順調な伸びがあります。

スマートフォンの累計回線契約数は、前年対比10%増の2,208万件となりました。

ソフトバンク株式会社(以下、当社またはソフトバンク)は、「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEモバイル」といった特徴の異なる3つのブランドで、お客さまのさまざまなニーズにお応えしています。「ソフトバンク」ブランドは、大容量の50ギガプランに動画・SNSの使い放題がついた「ウルトラギガモンスター+(プラス)」を月額3,480円からご提供しています。これは、大手通信会社各社が発表している最新の大容量データプランと比べても、大容量かつ最安値という大変お得なプランです。一方、ライトユーザー向け小・中容量データプランの領域では、「ワイモバイル」が、ほかの大手通信会社のライトユーザー向けプランと比べても、シンプルかつ低価格なプランをご提供しています。また、この2019年3月期第4四半期に初めて、「ワイモバイル」から「ソフトバンク」への移行件数が、「ソフトバンク」から「ワイモバイル」への移行件数を上回ったほか、スマートフォン契約者の約2人に1人が加入している固定通信サービスとのセット割引「おうち割 光セット」が、解約率の低減に大きく寄与し、スマートフォン解約率は過去最低の0.83%となりました。

そして本日、「1億総スマホ」の実現に向けて、「ソフトバンク」ブランドから新プラン「スマホデビュープラン」を発表します。ケータイからスマートフォンへののりかえ(MNP)・機種変更で、基本料が1年間月額980円となります。さらに2019年9月30日までのご加入で、今話題のQR決済「PayPay」で使える「PayPayボーナス」6,000円相当をプレゼントします。

このようにソフトバンクは、「大容量」「ライトユース」「スマホデビュー」の3つの戦略により、モバイル通信サービスで今後も高い競争力を維持していきます。

ブロードバンドサービスでは、主力の「SoftBank 光」の累計契約数が、前年対比19%増加しました。

法人向けビジネスは、コア事業であるモバイル・固定電話・VPNに加え、ロボット、AI、RPA、セキュリティ、クラウドなどといった「ソリューション等」の売上高が前年対比12%増と順調に伸びています。特にAIを活用したロボットや、ネットワークからクラウド・API(外部連携機能)までトータルサービスをご提供するIoTビジネスが、着実に拡大しています。

まもなく本格的に提供を開始する次世代通信システム「5G」については、早期に5Gの人口カバー率90%以上の実現を目指しています。

新領域の拡大

新領域のビジネスも着実に成長しています。

AIを活用して最先端のワークスペースを提供する「WeWork」は、世界最速のスピードで拡大しており、2020年度3月期末までに30拠点以上となる予定です。AIで需要予測を行うタクシー配車プラットフォーム「DiDi」は、大阪に続き、東京・京都でもサービスを開始しました。急成長する世界的ホテルブランド「OYO」と合弁会社を設立し、日本のホテル事業に本格参入します。QR決済サービス「PayPay」は、足元で累計登録者数700万人を突破しました。現在、QR決済サービス市場は競争が激しくなっていますが、「PayPay」は積極的なキャンペーンにより、名称認知・サービス理解の面で既に競合他社を上回っています。さらにこの度、ソフトバンクグループ株式会社が「PayPay」を提供するPayPay株式会社に資本参加することとなりました。グループの総力を挙げて競争を勝ち抜き、日本の決済No.1プラットフォームを目指します。次世代のMaaSサービス「MONET」は、トヨタ自動車株式会社に加えて、ホンダ自動車、日野自動車株式会社が新たに資本参加し、MaaS日本連合としてさまざまなサービス展開を目指しています。成層圏を飛行する大型無人航空機から広域モバイル通信ネットワークを提供する「HAPS」は、アルファベット社の子会社と戦略的提携を行い、早期の実用化を目指しています。

3. ヤフー株式会社 連結子会社化

本日ソフトバンクは、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)の連結子会社化を発表します。

ヤフーは、100超のサービスを展開し9,000万超の利用者数を誇る国内No.1のビッグデータカンパニーです。「新領域(非通信)の強化」、「戦略・サービス・リソースの統合」、「ヤフーの成長を加速、シナジーを最大化」を目的に、ソフトバンクは2019年6月に4,565億円でヤフー株式の追加取得を行います。テクノロジーは日々進化していますが、これからの時代にキーとなるテクノロジーは「5G」「ビッグデータ」「AI」です。ソフトバンクグループが投資するAI企業群の最先端ビジネスモデルと、ソフトバンクの持つ5G・スマートフォンの技術、そして今回連結子会社化したヤフーの持つビッグデータを活用することで、産業の再定義を目指します。さらにこれからは「PayPay」のような決済プラットフォームを中心に、日常がもっとシームレスにつながるようになります。わたしたちは、スマートフォンで日常のあらゆるシーンも再定義していきます。

4. 2020年3月期 連結業績予想

ヤフー連結子会社化後の2020年3月期連結業績は、売上高4兆8,000億円、営業利益8,900億円、親会社の所有者に帰属する純利益は4,800億円を予想しています。ソフトバンクは、成長と株主還元の両立を目指しており、ソフトバンクとヤフーの2019年3月期業績を単純合算した数値と比べても、2020年3月期は増収増益となる見通しです。合わせて、2020年3月期配当金も、前年対比で年間10円の増配を予想しています。これから3~5年以内に営業利益1兆円企業となるべく、さらなる成長に向けて一丸となって頑張ってまいります。