業績分析(通期)

連結業績

売上高

  • 2023年度の売上高は、前期比1,720億円(2.9%)増の6兆840億円となりました。ファイナンス事業は2022年10月に子会社化したPayPay株式会社の影響などにより905億円、ディストリビューション事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより566億円、メディア・EC事業はアスクルグループ(アスクル株式会社および子会社)およびZOZOグループ(株式会社ZOZOおよび子会社)の成長に伴うコマース売上の増加、アカウント広告の成長に伴うメディア売上の増加により524億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより372億円、それぞれ増収となりました。一方で、コンシューマ事業は物販等売上、ブロードバンド売上、モバイル売上が増加したものの、でんき売上の減少により591億円の減収となりました。なお、2023年度のコンシューマ事業におけるモバイル売上は、2021年春に実施した通信料の値下げの影響の縮小やスマートフォン契約数の増加などにより、前期の945億円減少から、2023年度では83億円増加へ反転しました。

営業利益

  • 2023年度の営業利益は、前期比1,841億円(17.4%)減の8,761億円となりました。これは主として、メディア・EC事業が382億円、コンシューマ事業が331億円、エンタープライズ事業が265億円、ファイナンス事業が74億円、ディストリビューション事業が20億円、それぞれ増益となった一方、前期に計上したPayPay株式会社の子会社化に伴う段階取得に係る差益2,948億円が剥落したことによるものです。なお、当該段階取得に係る差益の影響を除いた場合、2023年度の営業利益は、前期比1,107億円(14.5%)の増益となりました。

親会社の所有者に帰属する純利益

  • 2023年度の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比423億円(8.0%)減の4,891億円となりました。これは主として、前期において、保有する投資有価証券の評価損を計上したことに加えて、2023年度においては、前期に繰り入れた訴訟に係る引当金について戻入を計上したこと、およびLINEヤフーグループ(LINEヤフー株式会社および子会社)が保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率の変動に伴う持分変動利益を計上したことが増益に寄与した一方、前述のとおり、営業利益が減少したことによるものです。また、前述の段階取得に係る差益の影響を除いた場合、2023年度の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比1,529億円(45.5%)の増益となりました。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が減少したことに伴い、前期比216億円(17.6%)減の1,012億円となりました。

調整後フリー・キャッシュ・フロー※1

  • 2023年度の調整後フリー・キャッシュ・フローは3,900億円の収入となりました。前期比では6,306億円減少しましたが、これは割賦債権の流動化による収入が増加したことに加えて、営業活動によるキャッシュ・フローが前期比で839億円収入が増加した一方、投資活動によるキャッシュ・フローが前期比で7,728億円支出が増加したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローの収入の増加は、主として、営業債権及びその他の債権の増加に伴う支出の増加があった一方で、調整後EBITDAが増加し、銀行事業に係る預金や貸付金の増減により収入が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の増加は、主として、前期においてPayPay株式会社を子会社化した際の現金及び現金同等物残高の受け入れに伴う収入が3,973億円あったことによる反動と、2023年度において銀行事業の有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。

[注]
  1. ※1
    フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
    調整後フリー・キャッシュ・フロー=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)
  2. ※2
    LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス株式会社からの受取配当を含みます。なお、PayPay等にはAホールディングス株式会社、Bホールディングス株式会社、PayPay株式会社、PayPayカード株式会社、PayPay証券株式会社、PPSCインベストメントサービス株式会社を含みます。

セグメント別業績

セグメント別業績
セグメント別業績

コンシューマ事業

  • 売上高

  • セグメント利益

コンシューマ事業の売上高は、前期比591億円(2.1%)減の2兆8,239億円となりました。モバイルは前期比83億円(0.6%)増加しました。これは、2021年春に実施した通信料の値下げにより平均単価が減少した影響が縮小傾向にあるなか、スマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に伸びたことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「ソフトバンク」「ワイモバイル」の両ブランドにおいて2021年春に導入した料金プランの浸透、および「ソフトバンク」から「ワイモバイル」への移行が進んだことによるものです。ブロードバンドは前期比83億円(2.1%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加したことによるものです。でんきは前期比1,315億円(33.5%)減少しました。これは主として、電力市場での取引が減少したことによるものです。物販等売上は前期比557億円(9.6%)増の6,354億円となりました。これは主として、スマートフォンなどの販売単価および台数が増加したことによるものです。

営業費用※3は2兆3,284億円となり、前期比で922億円(3.8%)減少しました。これは主として、スマートフォンなどの仕入原価が増加した一方、電力の仕入原価および減価償却費が減少したことなどによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比331億円(7.2%)増の4,955億円となりました。

[注]
  1. ※3
    営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。

エンタープライズ事業

  • 売上高

  • セグメント利益

エンタープライズ事業の売上高は、前期比372億円(5.0%)増の7,875億円となりました。そのうち、モバイルは前期比49億円(1.5%)増の3,249億円、固定は前期比67億円(3.7%)減の1,754億円、ソリューション等は前期比390億円(15.7%)増の2,871億円となりました。モバイル売上の増加は、主として、端末売上および通信売上が増加したことによるものです。固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスやセキュリティソリューションなどの売上が増加したことなどによるものです。

営業費用は6,259億円となり、前期比で107億円(1.7%)増加しました。これは主として、前期に繰り入れた訴訟に係る引当金について戻入を計上した一方で、上記ソリューション等売上の増加に伴い原価が増加したことや、前期においてヘルスケアテクノロジーズ株式会社の子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比265億円(19.6%)増の1,615億円となりました。

ディストリビューション事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ディストリビューション事業の売上高は、前期比566億円(9.6%)増の6,466億円となりました。これは主として、法人向けのICT(情報通信技術)関連の商材や注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。

営業費用は6,204億円となり、前期比で546億円(9.7%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比20億円(8.1%)増の262億円となりました。

メディア・EC事業

  • 売上高※4

  • セグメント利益

メディア・EC事業の売上高は、前期比524億円(3.4%)増の1兆6,141億円となりました。そのうち、メディアは前期比135億円(2.0%)増の6,999億円、コマースは前期比287億円(3.6%)増の8,197億円、戦略は前期比91億円(11.6%)増の876億円、その他は前期比12億円(20.6%)増の69億円となりました。メディア売上の増加は、主として、アカウント広告の増収によるものです。コマース売上の増加は、主として、アスクルグループやZOZOグループにおける増収によるものです。戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。

営業費用は1兆4,162億円となり、前期比で142億円(1.0%)増加しました。これは主として、販売促進費や広告宣伝費が減少した一方、アスクルグループの売上原価に加えて減価償却費の増加などがあったことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は前期比382億円(23.9%)増の1,980億円となりました。

[注]
  1. ※4
    2023年度Q1およびQ3において、LINEヤフーグループでは、事業の管理区分を見直し、一部のサービスについて区分を移管。これに伴い、2022年度のメディア・EC事業の売上高の内訳すべてを修正再表示しています。

ファイナンス事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ファイナンス事業の売上高は、前期比905億円(63.6%)増の2,328億円となりました。これは主として、2022年10月のPayPay株式会社の子会社化および同社における増収の影響によるものです。

営業費用は2,378億円となり、前期比で831億円(53.7%)増加しました。これは主として、上記PayPay株式会社の子会社化の影響によるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比74億円増の-50億円となりました。

[注]
  1. 2023年10月1日付で、Zホールディングス株式会社は同社を存続会社として、同社ならびにLINE株式会社およびヤフー株式会社を中心としたグループ内再編を完了し、社名(商号)をZホールディングス株式会社からLINEヤフー株式会社に変更しました。
  2. 2023年度より、セグメントの名称を一部見直し、「コンシューマ」、「法人」、「流通」、「ヤフー・LINE」、「金融」から「コンシューマ」、「エンタープライズ」、「ディストリビューション」、「メディア・EC」、「ファイナンス」へ変更しています。なお、この変更はセグメント名称のみを変更するものであり、セグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。

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