【リスキリング】 DX人材の社内育成のポイント
2022年12月15日掲載
近年、リスキリングという言葉が新聞やニュースなどで取り上げられています。リスキリングとは主にデジタルを活用するスキルの学びなおしを指し、そうした知識を持つ人材を社内で増やすことで生産性の向上やDXを進めたいという企業が増えています。しかし、リスキリングには、従来、社内教育の中心だったOJTとは異なる切り口が必要です。
本記事ではリスキリングの概要と、その実施における重要なポイントについて解説します。
なぜ今、リスキリングが必要なのか
2022年10月3日の臨時国会で、政府は今後5年間で1兆円を「リスキリング」の支援に投じることを発表しました。リスキリングとはスキルの学びなおしを意味し、マスメディアでも頻繁に紹介されるなど、近年注目を集めている言葉です。
このようにリスキリングへの関心が高まる背景には、デジタル化の必要性が企業の間で叫ばれていることがあります。欧米などと比べて日本の労働生産性が低い理由の一つとして、デジタル技術の活用が進んでいないことがあり、その点を強化しなければならない との認識が広がっています。そうしたデジタル化の進展には、これまでの仕事のやり方とは異なるデジタル技術を扱うスキルが必要になり、それを身につけた人材を増やすことで、DXが進み、中長期的な企業の成長につながると考えられています。
しかし、こうしたスキルを持つ人材は少なく採用も難しくなっています。そのため、現在社内にいる社員にスキルを習得させ、育成する動きが広まっているのです。
リスキリングで育成すべきスキル
リスキリングで中心となるのはAIやクラウド、そうした技術を使ったシステムを活用するスキルの習得 です。しかし、社員にデジタルの知識を覚えさせればよいというものではなく、その知識を活用してDX推進や事業の利益に貢献できる人材として育成する必要があります。
例えば、営業担当者であればIT知識を身に付けることで、営業支援システムを駆使した効率的な営業活動を行えるようになり、システム担当者ならばデータ解析技術を習得してデータサイエンティストとして活躍できるようになるなど、リスキリングによって業務の幅を広げたり、より高度な業務に取り組めるようにします。
このように、学んで身に付けたデジタルなスキルと既存のスキルを融合させることで、社員が業務で高いパフォーマンスを発揮できるようにし、本人の成長を企業の成長へとつなげられるように道筋を作る ことがリスキリングによる人材育成の大事なポイントです。
リスキリングには「環境整備」が重要
リスキリングを実施するには何よりもまず、社内の理解を深めなければなりません。一部の担当者がリスキリングの必要性を訴えても効果は薄いため、経営層などが率先して説明し、社員に納得してもらう必要があります。以下に、環境整備のポイントをまとめました。
業務として学ぶ機会を与える
学びなおしというと社員の自発的な学習を応援するイメージを持たれるかもしれませんが、リスキリングでは企業が学習プログラムを組み、「業務の一環として」社員へスキル習得の機会を与えることが重要です。加えて、デジタルを扱うスキルは社内に蓄積されていないことが多いため、日本企業で伝統的に行われてきた職場のOJT教育よりもオンライン講座などで外部の知識を学ぶ方が効果的です。
従業員のキャリア意向と一致させる
また、リスキリングはそれぞれの社員が持つキャリア意向と一致していないと、学習が負担になってしまうことがあります。現在の職務内容を続けたいと思っていたり、本人がすでに別分野の学習を進めていて会社の育成方針とあわないなどのケースがありますので、1on1などで社員の意向を確認しましょう。
スキルを活用できる場を提供する
さらに、リスキリングでスキルを習得しても、活用されなければ宝の持ち腐れになってしまいます。例えば元々はマーケティングの担当者でもプログラミングなどを学んだ後は、システム部門に移籍してITの実務に携われるようにするなど、知識を実践できる場を用意することも大事です。
学ぶ意欲が出やすい環境づくりを行う
そして、デジタル分野は移り変わりが激しく、知識をアップデートしていく必要があるため、リスキリングも継続して行うことが求められます。その際、推奨資格の獲得と報酬を紐付けるなど、インセンティブ制度を整えるのも社員の意欲を保つために有効な手段です。
このように、社内が一丸となって無理なく学習を進められる環境の整備も、リスキリングでは重要です。
社内人材を把握し、リスキリングを進めよう
リスキリングを効果的に実施するには、まず社内にどのような人材がいるのか、デジタル関連のスキルはどの程度なのかを把握することが欠かせません。その上で、社員それぞれにマッチした教育プログラムを施す必要があります。ソフトバンクでは、リスキリングを進める上で有効なソリューションをご用意しています。下記の記事やWebサイトで情報を集めてみてはいかがでしょうか。
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