ダイヤルインとは? 代表組との違いや便利な機能を簡単解説
2023年7月20日掲載
リモートワークの導入により、メールやチャット、オンライン会議などビジネスにおけるコミュニケーションの手段は多様化していますが、今でもビジネスシーンにおいて、固定電話による通信手段は欠かせません。今回は、固定電話における付加サービスのひとつである「ダイヤルイン(ダイアルイン)」の機能について解説していきます。
ダイヤルインとは?
ダイヤルインとは、1つの電話回線に対して複数の電話番号を取得できるサービスです。最小限の回線で複数の電話番号を使い分けることができるため、電話回線数を削減でき通信費のコストカットが可能です。また、着信する番号を判別して担当部門へ自動で振り分けることができるため、業務効率化にもつながります。
ダイヤルイン機能の仕組みとしては、オフィス内のPBX(電話交換装置)に通常の番号とダイヤルイン番号を設定し、ダイヤルイン番号に着信があった場合にPBXが着信番号を判別して、割り振られた直通番号に通話をつなぐようになっています。
代表電話とは別に、部署ごとに電話番号の設定が可能なので、例えば営業部のダイヤルイン番号を設定し、見積もりの依頼や契約の申し込みなどを受け付けたり、カスタマーサポートのダイヤルイン番号を設定し、顧客からの問い合わせを中心に受けるなどの受電対応の振り分けが可能です。
ダイヤルインには「契約番号」と「追加番号」の2種類があります。契約番号は、ダイヤルインによる接続が必要な回線として利用される番号で、複数の回線を使用する場合には必要な分だけ契約番号を設定する必要があります。また、契約番号には料金が発生するため、回線数や使用料に注意が必要です。
一方、追加番号は、契約番号とは別にダイヤルイン機能を使用する回線に対して追加で番号を付与することができるものです。追加番号は、契約番号が設定された回線に複数の番号を紐づけることができます。例えば、営業部、経理部、人事部など、複数の部署ごとにダイヤルイン番号を付与することができます。
ダイヤルインと代表組の違い
ダイヤルインに似た機能として「代表組」という方式があり、ビジネスシーンでは以前から採用されていました。1つの代表番号を複数の電話機で同時に受信(または発信)ができるため、企業のホームページに掲載する代表番号や、注文を受ける顧客窓口などの受電が集中するシーンで多く採用されています。しかし代表組の仕組みは電話番号を増やしにくいという欠点がありました。
また、代表組の場合、基本的には1つの代表番号に対して複数の電話機器を一斉に呼び出すため、細かい分類わけはできず、使い方によっては業務効率を低下させてしまう場合もあります。
それに対してダイヤルインは、1つの電話回線に複数の電話番号を簡単に所有することができます。回線数を最小限にし、電話機器の設置や維持コストを削減できるというメリットがあります。
ダイヤルインで専用の電話番号を複数もつことで、必要性・関連性の高い電話を直通でつながるようにできるため、社内の電話の取り次ぎ業務も効率化し、顧客側も取り次ぎにかかる保留時間がなくスムーズなやり取りを実現できます。
ダイヤルインの使用例
ダイヤルインは、顧客からの問い合わせが多いカスタマーサポートセンターや、各種問い合わせ窓口、通販サイトなどでの商品購入や注文管理、問合せ窓口として多く導入されています。
ダイヤルインの最大のメリットは、1つの電話番号に複数のメニューを用意することで、顧客の問い合わせ内容に応じた適切でスピーディな対応が可能になる点にあります。
PBXが着信番号を判別し、適切な部門へつなぐので、オペレータが対応する問い合わせ数が減少し、人的リソースの節約やコストダウン、顧客対応の効率化につながり、顧客側の待ち時間の短縮により満足度も向上するでしょう。
ダイヤルインを利用する場合に企業が準備すべきこと
ダイヤルイン導入時、検討すべきことは電話回線の種類です。アナログ回線、ISDN回線、IP回線とさまざまな回線でダイヤルインの利用が可能ですが、回線ごとの特徴や設定方法が異なります。通信品質や速度、コスト面などに差があるので、導入する企業は自社の環境やニーズに合わせて、適切な回線を選択することが大切です。また、契約する回線数や設定したい電話番号数についても検討が必要です。
1回線単位で電話料金がかかり、それに加えてダイヤルインを契約する場合は、追加番号1つに付きいくら、という付加サービスによる月額利用料が必要です。数が増えれば利用料も高額になるので、こちらも自社の環境に合わせた内容を検討する必要があります。
まとめ
以上、ダイヤルインについてご紹介いたしました。多くの企業がダイヤルイン機能を使ってオフィスの電話環境の整備をし、通信コスト削減や業務効率向上を成功させています。ビジネス上で固定電話が必要な場合は、ダイヤルインを利用することでコスト削減や業務効率化、顧客満足度の向上など、多くのメリットが得られます。ビジネスシーンに欠かせない固定電話で、さまざまな機能やサービスを使って自社の電話環境の改善に取り組んでいきましょう。
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