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近年、再生可能エネルギーが持つ可能性が世界中で再認識されており、その導入と発展は次世代の持続可能な社会を目指す上で不可欠となっています。持続可能な社会を築くためには、全てのステークホルダーが一丸となり、CO2排出量削減に向けて再生可能エネルギーの導入を推進し、その普及を支援していくことが求められています。特に企業は、自社で使用する電力を化石燃料由来で発電された電気から、再生可能エネルギー由来の電気に転換し、CO2排出量を削減することが重要です。
本記事では、再生可能エネルギーとはどんなものなのか、その概要とメリット・デメリットについてご紹介いたします。
エネルギーは社会活動を維持するためには欠かせないものですが、石油や天然ガスなどの資源に乏しい日本はエネルギー自給率が低く、2021年度の自給率は13.3%でした。エネルギーを海外に依存していると、国際情勢などによってエネルギーを安定的に確保できないといった問題が起きる可能性があります。また、発電源を化石燃料に依存していると温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を掲げている日本にとって、相反する状況になってしまいます。そのため、持続可能な社会を実現していくためには、日本のエネルギー自給率の向上にもつながり、温室効果ガス削減に寄与できる再生可能エネルギーが重要になってくるのです。
再生可能エネルギーとは、自然界に常に存在し枯渇しないエネルギー源を指します。このタイプのエネルギーは化石燃料など限りあるエネルギー資源と違い、どこにでも存在し、発電時に地球温暖化の原因となる温室効果ガス(GHG)を排出しないため、環境に優しい選択肢として広く注目されています。「エネルギー供給構造高度化法」においては、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱、バイオマスの7種類が定義されています。
動植物などから生まれた生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電する方法。
引用:資源エネルギー庁「再生可能エネルギーとは」
カーボンニュートラルなエネルギー源として、温室効果ガス(GHG)の排出を大幅に削減できることが挙げられます。化石燃料を使用する火力発電由来のエネルギーは、二酸化炭素(CO2)などのGHGを大量に排出しますが、再生可能エネルギーは、その排出量がほとんどゼロに近く、環境への負荷が少ないエネルギー源です。
再生可能エネルギーは自然界に存在する資源を利用するためエネルギー資源の枯渇を心配する必要がなく、将来的に供給不安が懸念される石油や天然ガスなどの化石燃料と比べて企業の安定したエネルギー供給源とすることが可能です。また、社会的責任(CSR)や持続可能な開発目標(SDGs)という観点でも非常に有効です。
企業にとっては、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも再生可能エネルギーの導入は経済的価値を生む可能性があります。環境に配慮した経営姿勢を示すことができ、投資家やステークホルダーからの評価向上が期待できます。
さらには、地域特有のエネルギー源を利用する発電所を建設するので、新たな雇用機会が創出され、地域経済の活性化につながる場合があります。また、エネルギーの地産地消が進むことで、地域のエネルギー自給率が向上し、エネルギーコストの流出を防ぐことができます。
一般的に再生可能エネルギーを自社で使用するには、太陽光発電や風力発電など、新たに再生可能エネルギーの発電所を建設する方法があります。そうなると、建設費がかかり物件の種類によっては大幅に初期投資がかかってしまう場合もあります。
再生可能エネルギーは天候や地理的条件に左右されるため、発電量が不安定になります。例えば、太陽光発電は夜間や曇り・雨の日には発電量が大幅に減少し、風力発電も同様に風の強さや向きに大きく依存します。安定したエネルギー供給を確保するためには、ほかのエネルギー源との併用が必要になる場合があります。
近年、再生可能エネルギーの導入が進んだことにより、需要が少ない時期には発電を制御したり、出力制御をかける場合があります。そのため再生可能エネルギーを無駄なく効率的に利用していくには、蓄電池などに発電した電気を貯める環境、技術の普及も必要になってきます。
再生可能エネルギーは環境に優しいとされていますが、例えば、発電所を建設するときに、その地域の自然や環境へ与える影響も考慮に入れて、発電所の建設を進めるなど導入に伴う環境への影響も考慮する必要があります。
資源エネルギー庁によると、2021年度には、地熱、バイオマス、風力、太陽光、水力を合わせた再生可能エネルギーの割合が約20%となっており、資源エネルギー庁「長期エネルギー需給見通し」では、2030年度には22~24%に引き上げることを目標としています。特に太陽光とバイオマス発電は顕著に成長しており、これらが日本のエネルギー自給率の向上に貢献しています。日本のエネルギー自給率は2021年度でわずか13%※1であることを考えると、この成長を促進することは、再生可能エネルギーの導入がカーボンニュートラルを達成するだけでなく、安定したエネルギー源の確保という観点でも非常に重要であると言えます。
※1 資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2021年度確報値
主要国の再生可能エネルギー比率(出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2023年度版」)
主要国のエネルギー自給率(出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー2023年度版」)
再生可能エネルギーの導入において課題となるのは、発電量の不安定さや初期コストが高くなるといった点から、多くの企業にとって導入のハードルが高いことが挙げられます。それでも企業が再生可能エネルギーを取り入れていくべき理由はどこにあるのでしょうか。
脱炭素社会への移行や持続可能な経済社会づくりに向けたESG金融の市場は、下図のとおり拡大傾向にあり、企業の気候変動への対応が活発化しています。
出典:環境省「はじめての再エネ活用ガイド(企業向け)」
機関投資家や金融機関からESG投融資を得るため、気候変動に対応した経営戦略の開示(TCFD)や脱炭素に向けた目標設定(SBT、RE100)など、企業の脱炭素経営の取り組みが広まっています。脱炭素経営の一環で、再生可能エネルギーの活用はほかのCO2排出量削減対策よりも取り組みやすいこともあり、大企業のみならず中小企業などでも拡大しています。
▶関連ブログ:脱炭素経営とは? サステナビリティ経営までの道のりをやさしく解説
近年、再生可能エネルギーを導入している企業、または導入していくことを宣言している企業が増えてきました。日本においては、事業を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標とする企業連合である「RE100」に参加する企業が、2020年3月時点で33社だったことに対して、2024年3月時点で86社※2に増加しています。
また、日本独自のイニシアチブであり、事業を100%再生可能エネルギーで補うことを目標としている取り組みである「再エネ100宣言 RE Action」への参加団体数も374団体(2024年6月7日時点)※2と再生可能エネルギーの導入への関心や動向は高まってきていると言えるでしょう。
※2 参考:環境省「脱炭素経営に向けた取組の広がり」
社会的にも企業で利用されている電気を再生可能エネルギーへ転換することを求められています。日本では部門別のCO2排出量において約40%が「エネルギー転換」の種別となっており、そのうち9割が電力からの排出となっています。そのため、日本の脱炭素を推進するためには、電力の再生可能エネルギーへの転換は不可欠となっているのです。
出典:経済産業省「令和2年度エネルギーに関する年次報告(第1部_第2章_第3節)」
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