XDRとは? 仕組みやEDR・NDRとの違いも分かりやすく解説
2025年3月21日掲載
現代の企業にとって、情報セキュリティは不可欠な要素となっていますが、サイバー攻撃の高度化に伴い、従来のセキュリティツールだけでは対応しきれないケースが増えています。そこで注目されているのが XDRです。本記事では、XDRとは何か、そしてEDR、NDRなどのほかの主要なセキュリティツールとの違いについて解説します。
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XDRとは何か
XDR(Extended Detection and Response) は、エンドポイント、ネットワーク、クラウド、メールなど、複数のセキュリティレイヤー(層)にわたるデータを統合的に管理・分析し、脅威の検出と自動対応を行うためのセキュリティソリューション です。XDRを用いることで、従来の個別のセキュリティツールでは見逃されがちな脅威を総合的な視点で捉えることができ、迅速に対応することが可能になります。
EDRやNDRとの違い
XDRとよく似た言葉に、EDRやNDRがあります。EDR(Endpoint Detection and Response)はエンドポイント(PCやモバイルデバイスなど)上の脅威を検出・対応するためのツールで、エンドポイント上の活動を詳細に監視し、異常な振る舞いを迅速に検出します。NDR(Network Detection and Response)は、ネットワーク全体のトラフィックを監視し、異常な活動を検出するツールで、ネットワーク内の不正アクセスやデータ漏洩を防止します。
一方、XDRは、エンドポイントデータのみならず、ネットワークやクラウド、メールなど複数のソースからデータを収集・分析し、対応します。
また、複数のデータソースから情報収集するという意味ではSIEM(Security Information and Event Management)も似ていますが、XDRはより脅威の検出や対応に主眼を置いています。
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XDRの仕組み
XDRは、以下の機能や特長を備えています。特に②のリアルタイムの脅威検知や③インシデントレスポンスの自動化は大きな特長と言えます。
①データソースの統合
XDRはエンドポイント、ネットワーク、クラウド、メールなど、さまざまなデータソースを一元的に収集・統合し、異なるシステム間の情報を連携させることで、全体像を把握することができます。
②リアルタイムの脅威検出、インシデントの優先順位付け
XDRでは統合されたデータを基に、機械学習や高度な分析技術を用いて異常な挙動や攻撃パターンを即座に識別し、リアルタイムで潜在的な脅威を早期に検出します。また、検出した脅威を重要度や緊急度に応じて分類・優先順位付けします。
③インシデントレスポンス(脅威対応)の自動化
脅威が検出されると、自動的に対応アクションを実行します。例えば、感染したデバイスの隔離やマルウェアの除去、ネットワークからの切断などを迅速に行います。
④可視化と継続的な改善
統合ダッシュボードでセキュリティ状況を視覚的に表示し、インシデントの履歴や対応状況をレポートします。また、対応結果を分析し、検出アルゴリズムや防御策を継続的に更新・最適化します。
XDRのメリット
XDRは、企業が直面するさまざまな脅威に対処するための統合されたセキュリティアプローチを実現します。
従来のセキュリティ対策では異なるシステムやツールが孤立しており、全体的な脅威検出が不足していました。XDRはこれらを統合しリアルタイムでの脅威分析を可能にすることで、迅速かつ効果的な対応が可能となり、組織のセキュリティを大幅に向上 させることができるようになります。
さらに、XDRは運用効率の向上にも寄与 します。従来手動で行っていた対応を自動化することで迅速かつ効率的にインシデントに対処します。また、多くのセキュリティツールを管理することは時間とリソースを消費する原因となりますが、XDRを導入することで一元管理できるようになります。
これらの機能で運用効率が上がり、セキュリティチームの負担も軽減できるため、ほかの業務に取り組みやすくなるほか、迅速なインシデント対応を実現し、サイバー攻撃の被害を最小限に抑えることにもつながるでしょう。
まとめ
サイバー攻撃の手法が高度化・多様化する中で、従来のセキュリティツールでは十分な防御が難しくなっています。攻撃者は複数の攻撃手法を組み合わせてシステムに侵入し、被害を拡大させる手法も増えているため、複数のセキュリティレイヤーにわたるデータを統合的に管理・分析し脅威の検出と自動対応を行うXDRは、今後ますます重要なセキュリティソリューションとして位置付けられるでしょう。
セキュリティは一度導入すれば終わりではなく、継続的な見直しと改善が求められます。この記事を参考に、貴社に最適なセキュリティソリューションを選択し、堅ろうな防御体制を築くきっかけになれば幸いです。
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