保育事業や障がい福祉事業を通じて、ソーシャルインクルージョン(誰もが自ら躍動できる社会)の実現に取り組む社会福祉法人檸檬会(以下、檸檬会)。奈良県三郷町に拠点を設置する同会では、施設の維持管理業務として請け負う草刈りを効率化するため、高精度位置測位サービス「ichimill(イチミル)」を搭載したラジコン式草刈り機「スパイダー」を導入。整備した範囲を可視化できるようになったほか、誰でもできる簡単な操作で連続作業が可能になり、広大な敷地の整備にかかる時間を短縮できました。さらに猛暑による体力面の不安やハチ被害といった課題も解消し、障がい者向け雇用として事業化するなど新たな取り組みを行っています。
待機児童問題解決への取り組みとして保育事業を中心にスタートした檸檬会。事業活動を通してさまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。多くの活動がある中で、同会では2023年春、東京ドーム約3個分の広大な敷地面積を有する奈良県の大学跡地を利活用し、教育・福祉の総合拠点としてソーシャルインクルージョンヴィレッジ(以下、ヴィレッジ)を開村しました。「誰もが躍動できる場所づくり」を目指し、地域に根差した新しい形のコミュニティを運営しています
「創業時の約17年前は、保育に対する世の中の課題感が強くありました。時代が変革していく中で、待機児童問題も解消され始めた一方で、障がい者や障がい児といった社会で生きづらさを抱える人たちに対して、私たちができる役割というのが生まれてきました。障がいがあるということをオープンにしたときに、社会の中でいろいろな角度から制限され、自分のチャンスが著しく奪われてしまうような社会構造は、変えていく必要があると感じています。
このヴィレッジでは、そうした課題への解決に向けて福祉的な就労事業や人材養成、福祉型カレッジや海外大学のサテライトキャンパスなどさまざまな施設やサービスを展開しています」(鈴木氏)
障がい者の就労は、収入・やりがい・仕事を選ぶ自由といったさまざまな観点で問題を抱えています。一般企業への就職を考えた場合、採用基準の画一化で個人の特性を尊重される働き方が望みにくかったり、企業側でもリスクの観点から多様性の保障される採用に踏み切りにくいという現状があります。
そうした中において、檸檬会が注力しているのが「障がい者の雇用創出」です。事業化にあたっては決して営利目的ではなく、そこに「社会課題があるか」を常に模索し、その解決のアプローチとなっているかをポイントに事業を形成しています。
「社会課題の解決という大きなテーマを掲げている以上、私たちが雇用を創出するだけでは制限が出てきます。そこで、私たちがやれることは『どうやって活躍してもらえるか』、いろいろな事例を出して行くことだと考えています。雇用形態や職種などさまざまな面でバラエティに富んだ事業を社会に提言して、アウトプットの質や費用対効果といった部分においても、雇用側や社会にとって十分なメリットがあるということを示していきたい。それが、私たち檸檬会の役割だと思っています」(鈴木氏)
このようなコンセプトの中、事業化の検討に上がったのが草刈りでした。ヴィレッジが置かれている奈良県生駒郡三郷町が運営するFSS35キャンパスにおいて、檸檬会は敷地全体の維持管理・清掃業務を担っており、業務の一環として広大な敷地の草刈りに非常に手を焼いていたと鈴木氏は語ります。
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