日産自動車,生成AI,導入事例

2024.07
技術革新を加速させる日産自動車が
生成AIの導入で進める業務効率化

お客さま
日産自動車株式会社
(Nissan Motor Co., Ltd.)

従業員規模
5,001人以上

業種
製造

導入サービス
生成AIパッケージ

概要

革新的な技術やサービスを生み出して進化し続ける日産自動車は、以前から持続可能なモビリティの実現に取り組んでおり、EV分野では先駆者としても知られています。そんな日産自動車では、社内の業務効率化に向け、Azure OpenAI Service を用いて生成AIの取り組みを始めています。AI元年と呼ばれた2023年4月より始動したこのプロジェクトでは、IT部門のみに留まらず、各部門で横断的に取り組みを推進。今では多くの従業員が生成AIを活用し、新たなテクノロジーへの柔軟な対応や最適な業務プロセスの構築を目指しています。

 

導入前の課題

役員層から生成AI導入の話題が上がっていた。また、Global Employee Surveyと呼ばれる調査において、イネーブルメントの数値が低く、全社的にDX推進における課題となっていた。

導入後の効果

フェーズ1として、AI-Chatによる汎用的な使い方を全社に展開。今では約4人に1人がアクティブユーザとなって活用しており、DX推進の足がかりとすることができた。


目次

  1. 日産自動車が取り組む「Intelligent Automation」活動とは
  2. 生成AIを導入しようとしたきっかけとは
  3. 生成AIに求めていた役割とは?
  4. 生成AIを社内で広めていくさまざまな取り組み
  5. 導入後のユーザの声や反応とは
  6. 運用面に関する感想
  7. さらなる活用の展開を目指して。生成AIの今後の展望

日産自動車が取り組む「Intelligent Automation」活動とは

 今回生成AIパッケージを導入したお二人に、日頃の業務とプロジェクトへの関わりを伺いました。

「ISIT グローバルエンタープライズアーキテクチャ部に所属し、普段はデジタルツール導入よる全社的な業務効率化を推進する「Intelligent Automation」(以下、IA)というプロジェクトに情報システム部サイドから参画しています。本プロジェクトにおいては、生成AIアプリケーションの導入担当として、ネットワーク・セキュリティなどの観点から、システム構成やアプリケーション機能の検討を行ってまいりました」(河野氏)  

「組織開発部に所属し、普段は主に社内コンサルタントとして経営課題に対する問題解決の支援を行っています。本プロジェクトにおいては、河野を含めたISIT部門と連携しながら、主にビジネス部門側の窓口として、ユーザのニーズ収集や、プロモーション計画の立案・実行を担当し、生成AIを一人でも多くの従業員に使ってもらえるよう、活動を進めています」(植村氏)

 異なる部門に所属するお二人。同社ではIAという活動の中で、全社のDXを推進する取り組みを行っているとのこと。従来は部門ごとに行っていたデジタルツールの選定や導入を統率し、従業員の業務効率化に向けた活動を行っているそうです。

「我々はIA活動の中で、いわゆるバーチャル組織として活動しており、『デジタルツールの活用を推進することによって、従業員の業務効率化・自動化を実現する』という共通の目標をもっています。今回の生成AI導入プロジェクトは、IT部門と組織開発部に加え、実際にツールを利用するユーザ部門とも連携しながら活動を進めてきました」(植村氏)

生成AIを導入しようとしたきっかけとは

 AI元年とも呼ばれた2023年。同社ではどのようなきっかけで、生成AI導入の検討が始まったのでしょうか。

「きっかけとしては、2023年3月の役員会議で話題が取り上げられたことでした。今でこそ企業が生成AIを導入した事例ですとか、ロードマップもちらほら見かけますが、当初はまだ手探り状態だったので、情報を集めて行く中、不安も多くありました。そこで、まずは情報システム部内で生成AIの活用パターンを整理し、パターンごとの導入優先順位付けなどを行っていきました」(河野氏)

 ビジネスシーンのみならず大きな話題を呼んだ生成AI。従業員の声も導入のきっかけになったと言います。

「当社では毎年『Global Employee Survey(従業員サーベイ)』を実施しており、全従業員の意見を集約してスコア化を行っています。2020年度にサーベイを実施した際、イネーブルメント(=何かをしたいと思った際、その環境が整っているか、ツールが与えられているか)の数値が低く、経営陣も課題であると認識をしていました。そこで、さまざまな方策を立案する中で2021年度よりIA活動が発足し、2021年~2022年度頃にはRPAによる業務効率化を実施。2022年度の後半より新ツールの導入に徐々にシフトしていき、2023年3月の役員会議で生成AIが話題に挙がったこともあり、生成AIもIA活動として取り扱うことになりました」(植村氏)

「生成AIのサービスラインナップを Microsoft 社はじめ、各社にヒアリングする中で、セキュアな環境で生成AIを利用するために、Azure OpenAI Service を活用したChatアプリケーションの導入(社内呼称:Nissan AI-Chat、以下AI-Chat※)に取り組むことを決めました。最初の時点では費用対効果を精緻に把握することは難しかったので、まずは導入に踏み切りました」(河野氏)

※一般公開されたChatGPTは個人でも利用でき、セキュリティ面でリスクが伴いますが、Azure OpenAI Service を活用したAI-Chatはセキュアな環境でご利用が可能です。

生成AIに求めていた役割とは?

 生成AIにどのような役割を求めていたのでしょうか。譲れなかったポイントについても伺いました。

「フェーズ1としては、文章生成・翻訳・メール作成・アイデア出しなど、どの企業でも発生し得る汎用的な業務の効率化をAI-Chatで目指しました。当初は実業務への適用アイデア(ユースケース)をアプリケーションとセットでユーザ展開することも検討しましたが、まずはスピード感重視で生成AIを利用するための環境を整えることに専念しました」(河野氏)

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本事例での導入サービス

生成AIパッケージ
(旧:Azure OpenAI Serviceスターターパッケージ)

セキュアなAzure OpenAI Service環境をパッケージとして提供するサービスです。よりスムーズに生成AIの導入を実現することができます。

お問い合わせ

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