中小企業でのRPA活用、どんな業務を任せられるのか

中小企業でのRPA活用、どんな業務を任せられるのか (2021年7月26日)

近年、多くの企業で課題として挙がる人手不足ですが、特に中小企業ではその影響が顕著になっています。単純作業に多くの時間を取られてしまい、なかなか業務効率が上がらない状況下で、RPAを活用し単純作業を自動化することは人手不足の解決策の1つです。本稿では中小企業においてRPAの活用で何ができるのか説明します。

目次

RPA導入のメリット

RPAとは、Robotic Process Automationの略称で、「プロセスを自動化するロボット」という意味です。ロボットといっても工場の製造ラインで活躍する産業用ロボットとは異なり、オフィス内のPC上で行われる業務を自動化するソフトウェアロボットになります。RPAを活用し単純作業を自動化することで生まれるメリットにはスケジュールの短縮や残業時間の削減などがあります。

人手不足の対策

人が行っていたデータ入力などの単純作業はRPAの活用で人の力を使わずにロボットに任せることができます。これにより単純作業に費やす時間はなくなり業務を効率よく進めることができます。また、人が1日に行うことができる作業量には限界がありますが、RPAは24時間365日休まず稼働できます。そのため、スケジュールの大幅な短縮や残業時間の削減を実現できます。

人的ミスの削減

RPAはロボットが決められた手順に沿ってが業務を行うため、人的ミスを減らすことができます。人の手による作業はデータの読み間違いや入力ミスなど、注意していてもミスが生じてしまいます。RPAを活用すればこうした人的ミスを減らし、業務を正確に進めることが可能です。また、ミスを回避するためのチェックにかける人数も減らすことができ、人員の効率的な配置にも役立ちます。

時間の創出

RPAで単純作業を自動化することで時間を創出することができます。ある施設管理会社では、年間約6万件発生する事務作業をRPAで自動化し、2,000時間以上の業務時間を削減しました。RPAによって創出された時間でコミュニケーションを要する業務や企画、戦略、分析など人にしかできないクリエイティブな業務により注力できるようになります。

RPAに任せられる業務とは

RPAの活用で自動化を検討すると言っても、実際どんな業務を自動化できるのか判断が難しいと思います。RPAは万能なロボットではなく「得意な業務」「不得意な業務」があります。

得意な業務

RPAの「得意な業務」「不得意な業務」、その分岐点は「判断をともなわない業務」であることです。つまり、「手順やルールが明確に決められた業務」ということになります。ここで紹介しているのはRPAで自動化できる業務のほんの一部ですが、具体例を確認することで自社のどの業務を自動化できるかイメージがしやすくなると思います。

【転記作業】
・Excelで管理された交通費精算を社内システムに登録
・複数のECサイトから特定商品の価格を抽出しExcelに出力
・Excelで作成した売上伝票を社内システムへ転記、その後請求書を発行

【情報収集】
・Webサイトから複数の企業の代表者名・電話番号を収集
・Webサイトから口コミを収集
・社内システムからデータを出力し統計情報を作成

【送信作業】
・商品情報や定期連絡を送る際、送信先のリストからメール内容を自動作成し送信
・あらかじめストックした投稿内容をSNSに自動配信
・顧客情報システムにログインをして、顧客のステータスが変更されたと同時にDM配信対象者を自動で選別し自動配信

不得意な業務

RPAの不得意な業務は「自ら考えて動くこと」です。RPAは事前に設定した手順通りに正確に何度でも繰り返し稼働するため、設定した手順以外のイレギュラーな事態にどのように対応するべきか自ら考えて動くことはできません。よって状況に応じてフローが変わる業務や毎回異なる内容のルーティンワークはRPAで自動化することができません。また、「会社に有益な情報を収集」といった業務も行うことができません。これは「有益な情報」が何なのかRPAには判断がつかないからです。

【ルールが決まっていない業務】
・従業員によってフォーマットの異なるExcelで管理されたデータの転記
・抽出データの保存先が頻繁に変わる業務

【人の経験で判断が必要な業務】
・商品のプロモーションを成功させる提案
・手順やルールが明確な業務のイレギュラー対応(Excelの数字欄に漢字が混ざっていた際の対応など)

【物理的な作業が必要な業務】
・紙に印刷されたデータの転記
・物理的なボタンを押す必要がある業務

他社の取り組みを参考に

RPAは、特別なプログラミング能力やシステム開発が必要ない点から、マクロやシステム開発といった他の自動化ツールと比べると比較的導入がしやすいツールです。しかし、それでも導入から運用には一定の知識が必要になってきます。RPAを活用し自動化を進めたいと思った方の中には、自社で導入から運用まで対応できるのか懸念される方も多いかもしれません。そんな時は、他社の取り組みを確認し、どのような経緯から導入まで進めたのか。また、導入までの手順を確認し自社で取り組めることはないか確認することをお勧めします。

(文:金子)