人流データ活用のポイント~目的にあわせた人流データの選び方~
2023年3月8日掲載
自宅にいながら買い物をしたり、友人とオンラインで飲み会をしたりと、スマートフォンなどのデジタル技術の発達で人々の行動が複雑化しています。一方でデジタル技術は人々の位置情報を正確にとらえることを可能にし、こうした人流データを利用することで社会インフラや自社の事業検討を効果的・効率的に行えるようになってきました。
そこで本記事では、都市計画や交通計画などのノウハウを有し、社会インフラに関わるコンサルタントとして活躍するパシフィックコンサルタンツ株式会社の札本氏に人流データの状況と利活用に向けたポイントを説明いただきました。
人流データとは
人流データは「人がいつ、どこに、何人、どのくらい」滞留し、「何人がどこからどこへ向かったか」という移動を把握するデータです。このデータは、携帯電話の基地局やアプリ起動によるGPSログ、Wi-Fiのアクセス履歴など、多くの方が日常的に使用しているデジタル技術をもとに取得され、個人情報を配慮したうえで作成されています。調査や集計に時間がかかっていた従来の交通量調査とは異なり、最新の人の動きを把握することができます。
※関連記事:人流データとは?〜データの種類と取得方法の違いを解説〜
人流データの種類とメリット・デメリット
人流データは取得方法などの違いによって、メリット・デメリットが存在します。例えば、携帯電話基地局を由来にしたデータの場合、基地局単位での移動履歴となる一方で、携帯電話の契約者数にもとづいた膨大なサンプルを獲得できます。さらに、携帯電話契約者の属性データを紐づけることで、属性解析も可能です。
一方、広域的にデータを取る別の手法としてGPSを活用したデータがあります。このデータは位置情報を緯度経度単位で捉え、個人を特定されないよう統計加工したのち、少人数のデータは秘匿処理を行うことで、細かな空間粒度で位置情報を捕捉できます。しかし、アプリ利用者が対象であるため、サンプル数が日々変動したり、属性情報が正確ではなかったり、偏ってしまうことがあります。
目的にあわせた人流データの選定
人流データの利活用には、メリット・デメリットを理解したうえで活用することが重要です。例えば、ある観光地に来る人の動向を正確な属性で分析する場合には携帯電話基地局データが有効ということになります。また、交通手段が分かるビッグデータもあったりと、データによって分析できる項目が異なります。データを活用する目的を明確にしたうえで、それぞれの人流データの特長を整理し、選定しなければなりません。
※人流データの主な分析項目について関連記事:人流データをどう活用できるのか 〜交通インフラ編〜
※観光地の来訪者の交通手段・属性を分析した様子(イメージ)
人流データの利活用に向けて
今回は、札本氏に人流データ活用のポイントをご説明いただきましたが、人流データを活用するうえではデータの種類を整理し、目的にあわせたデータ選定が求められることが分かりました。携帯電話基地局データとGPSデータの使い分けについて、より詳細な情報を知りたい方は札本氏ご登壇のウェビナーをご確認ください。ウェビナーでは、各種人流データの取得方法による特長の違いや活用シーンごとの人流データの選定ポイントについてご説明いただいております。
また、ソフトバンクでは、携帯電話基地局データをもとにした人流統計サービス「全国うごき統計」を提供しており、機能概要とあわせてユースケースを紹介しています。どんな課題をどう解決できるのかを確認することで、自社の人流データ活用の参考になればと思います。
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社会インフラに関わるコンサルタントとして都市計画や交通計画などのノウハウを有するパシフィックコンサルタンツ社にご登壇いただきます。人流データの特徴や日本における取り組みだけでなく、観光や交通・都市開発の分野においてどのように利活用ができるかについて事例を交えてお話しします。
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