CDPを活用したリテールにおけるデータ戦略とは?
2024年3月12日掲載
近年、ChatGPTの出現など私たちを取り巻く社会環境はものすごいスピードで変化しており、それに伴い生活者の価値観も多様化しています。お客さまの多様化したニーズに柔軟に対応するために、リテール企業にはデータを活用した対策が求められています。
今回はインキュデータ株式会社の小寺 氏に、顧客データ活用で実現できる対策について解説していただきました。
※本記事は2023年4月19日に開催されたウェビナーを再編したものです。
顧客体験価値を高めるためのデータ活用
リテールにおけるDXとは何か? それは、データとテクノロジーを使ったビジネス変革を通して「顧客体験価値の向上」を実現することだと考えます。
「顧客体験価値の向上」には、顧客のニーズを的確に捉えて適切なタイミングで情報提供を行っていくことが重要ですが、そのためには顧客データを活用し、顧客の行動をより鮮明に可視化することが必要です。では、どうやって顧客の行動を鮮明にしていていくのか。その近道になるキーワードとして今回は「CDP」についてお伝えします。
CDPとは?
「CDP」とは、カスタマー・データ・プラットフォームの略で、顧客データ基盤という意味になります。自社の顧客と適切なコミュニケーションを取るために顧客に関するデータを記録管理し、分析することができるデータプラットフォーム(基盤)として非常に注目を集め、多くの企業で導入が進んでいます。CDPでは、自社サービスの利用状況や外部データなどさまざまな情報を統合することで、全方位かつ立体的な顧客理解が可能になり、今まで曖昧だった顧客の解像度を高めることができます。
CDPの機能
①顧客の思考や行動を分析するためのデータ収集
オンラインでは、WEBやアプリの会員情報、行動・購買履歴、広告に関するデータなどにについてを、オフラインでは、実店舗での来店情報や購買履歴などについて、さまざまなデータを組み合わせることでユーザ理解を深めることにつなげていきます。
②顧客データの統合
データを集めるだけではなく、顧客に付与している自社のIDやメールアドレスを元に顧客データを紐づけて統合していきます。データを統合することで、誰がいつ何をしたという情報に加えて、どのような行動を経て購入したのかといった履歴により精密な顧客プロファイルの作成に役立ちます。
③収集や統合したデータの分析
アプリやEC、店舗といったさまざまな顧客接点から得た多様なデータを元に、セグメンテーションや購買予測といった分析ができます。これらの分析を元に、メールやアプリ配信のターゲット抽出などが可能になります。
▶参考記事:CDPとは? よくある疑問に分かりやすく回答
Treasure Data CDPで見るCDPの全体像(出典:インキュデータ提供資料)
リテールにおけるCDPの活用方法とは?
データ統合による顧客理解を進めるためにさまざま領域でCDPが活用されていますが、実際にリテールではどのような活用をされているのでしょうか。
例えばBtoC領域では、認知から再購入までのフェーズにおいてさまざまなデータを利用しながら施策につなげています。CDPでデータ統合したさまざまな顧客データ(アクセスログや購買情報など)を利用して、オンライン上で施策(広告最適化、コンテンツレコメンド、重要予測、CRM施策)を実施します。そして、オンライン上で実施された施策や結果をもとにオフライン上でのCS、営業の高度化、価格設定、在庫最適化へつなげることができます。
さらにBtoBの領域では、メーカーとリテール、リテールとフランチャイズといった関係性の中でCDPが活用されたり、BtoE※の領域では、各事業部とデータを共通することでの戦略や施策に活用されています。
BtoC領域でのCDP活用例(出典:インキュデータ提供資料)
まとめ
今回はお客さまの多様化したニーズに柔軟に対応するために、CDPを活用したリテールにおけるデータ戦略についてお伝えしました。
以下でご紹介するウェビナーや資料では、実際にインキュデータ様がCDPの導入や運用をご支援した企業として日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社の支援事例を紹介しております。
散在したデータを有機的につなげたことや、多様な施策で得られるデータを収集したこと、施策結果を戻して分析精度を高めたことなどが語られています。興味のある方は下記のサイトからぜひご覧ください。
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