グローバルのセキュリティリスクと対策。海外拠点から情報漏えいさせないために
2024年9月2日掲載
グローバル化が進展する現代社会の中で、日本企業も積極的に海外市場に進出しています。新たな市場の開拓や生産拠点の拡充は企業にとって大きな成長機会を意味しますが、その一方でセキュリティリスクの増大という課題も抱えています。特に情報セキュリティは、企業のブランド価値や顧客信頼を守る上で重要な要素であり、セキュリティ対策はもはや経営の根幹をなすものと言えるでしょう。しかし、多くの企業がグローバルな視点でのセキュリティ対策の重要性を認識しつつも、具体的な対策の実施には至っていないのが現状です。
今回は見逃されがちな 海外拠点からの情報漏えいリスクとその対策 について解説します。
日本企業の海外拠点増加に伴う情報漏えいリスク
まず、海外拠点の増加によりグローバルでのセキュリティリスクがなぜ発生してしまうのかを考えていきます。
サプライチェーンを狙った攻撃リスク
日本でもサプライチェーン攻撃がよく聞かれますが、海外拠点の増加によってサプライチェーンにおけるセキュリティの弱点が露呈するリスクがあります。サプライチェーンは、製品やサービスを提供するために不可欠な部分ですが、その一部が海外にある場合、日本とセキュリティ基準が異なることが多く、攻撃者にとって攻撃の対象となりやすいのです。例えば、現地の法規制が緩いためにセキュリティ対策が不十分な拠点があると、そこを突破口として企業全体の情報が危険にさらされることになります。
従業員による情報漏えいリスク
日本以上に転職が一般的なグローバルでは、従業員の入れ替わりが激しいため、情報の不正持ち出しなど情報漏えいのリスクが高まります。加えてセキュリティに対する認識が不足していることが多いのも実情です。また、言語や文化の違いによる壁が本社とのコミュニケーション不足を発生させ、従業員がセキュリティポリシーを十分に理解していない環境を作ってしまい、意図せず情報を漏らす可能性もあります。
インフラ環境の不備によるリスク
海外拠点のネットワーク環境が整っていないことも、セキュリティリスクを高める要因です。VPNをはじめとした安全な通信環境が確保されていない場合、外部からの攻撃に対して脆弱になります。また、海外拠点ではITを管理する専任担当者がおらず、現地従業員任せとなってしまい、最新のセキュリティ対策が施せないなど運用レベルが日本と異なる環境になってしまうこともあります。
海外子会社によるセキュリティポリシーの未統一
M&Aなどで海外子会社を持つ場合にも注意が必要です。企業文化やセキュリティポリシーが異なる企業が一つになる際に、ポリシーを統一することなく運営されることがあります。これによりセキュリティの盲点が生まれ情報漏えいのリスクを引き上げる原因となってしまいます。
グローバルのセキュリティを向上するための対策とは
これらのリスクに対処するために、日本企業の海外拠点がとるべき対策には何があるでしょうか。
まず、グローバルで統一されたセキュリティポリシーを設定する ことが重要です。これにより、日本に限らずどの国の拠点でも同じ基準でセキュリティ対策を行うことができます。ポリシーの中でアクセス制御やアカウント管理のルールを明確にすることも必要です。誰がいつどの情報にアクセスできるのかを厳格に管理 し、不正アクセスや内部からの情報漏えいを防ぐことに役立ちます。
さらに、海外拠点のネットワーク環境を整備し、安全な通信が行えるようにする ことも重要です。今までのようなファイアウォールの設置やVPNを通じた安全な通信の確立などの対策ももちろんありますが、近年では、グローバルのセキュリティ対策として ゼロトラスト(全ての通信を「信頼しない」という原則に基づき、社内・外のネットワーク通信全てを確認する)が注目されていて、下記のようなメリットがあります。
リモートアクセスの安全性向上
海外拠点ではリモートワークやモバイルデバイスの利用が一般的です。ゼロトラストセキュリティではデバイスやネットワーク構成に関係なく、一貫したセキュリティポリシーを適用するため安全なアクセスが可能です。
標的型攻撃への対応
IT管理が現地従業員まかせになっていることなどから一貫したセキュリティ対策の実施を行いにくく、海外拠点は標的型攻撃を受けやすい状況にありますが、ゼロトラストセキュリティでは全ての通信に統一したセキュリティポリシーを適用することができます。
情報アクセスを制御
各国のデータ保護法や規制に対応するため、情報へのアクセスを厳密に制御し、コンプライアンス遵守を支援します。
内部脅威からの保護
海外拠点ではさまざまな国籍のスタッフが働いていることから内部に潜むリスクが高まってしまいます。ゼロトラストセキュリティでユーザーの身元確認とアクセス権限を厳格に管理し内部脅威に対する防御を強化できるようになります。
セキュリティインシデントの迅速な対応
セキュリティインシデントが発生した際、ゼロトラストセキュリティは、アクセスを自動的に遮断し、問題の特定と対応を迅速に行うことが可能です。
まとめ
グローバルなビジネス展開を成功させるためには、海外拠点における情報セキュリティ対策が極めて重要です。情報漏えいは企業の信頼を失墜させ、法的な問題をもたらす可能性があり、海外拠点でのセキュリティ対策を徹底することが不可欠です。
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海外拠点のセキュリティにお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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