RPAとは? ツールの選び方やRDAとの違いを分かりやすく解説
2024年9月18日掲載
RPAツールの選び方の大事な要素として、どのような目的および業務範囲で業務の自動化を実現し、どこまでの範囲を管理するかが重要になってきます。
これから解説する内容を1つでも見落とされると、導入した後で「こんな機能がほしかった」や「トラブルが起きてしまった」「思ったように動かない」などと後悔することになってしまいます。検討の際にぜひ本ブログをご参考ください。
今回の記事は、RPAについて造詣が深いソフトバンクの専門家が分かりやすく解説します。
本記事の執筆者
RPAとは?RDAとの違い
まずは概念とよく混同されるRDAとの違いから解説します。
RPAとは
RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略称で、PC上の操作を記録して人の代わりに作業するソフトウェア型ロボットのことです。
RPAを導入することで人による手動操作から開放され、業務効率化・自動化が実現でき、また品質向上やコスト削減、業務の属人化の解消といった効果が期待できます。決められた手順やルールなど、いわゆるルーチン化されているPC作業であれば、基本的に何でも自動化できます。
RPAの自動化作業例として下記が挙げられます。
- システム入力 (例:Excel帳票からの転記)
- システム検索、抽出(例:SFAからの情報検索、データ抽出)
- ファイル作成、変換(例:Excel化、ファイルリネーム)
- データチェック (例:システムとExcelのデータ突合)
- データ集計、加工 (例:複数ファイルの統合・加工)
- システム間連携 (例:複数システム登録、バッチ処理)
- Web情報収集 (例:ECサイト巡回、価格調査)
- 各種データのダウンロード、アップロード(例:クラウドストレージへのアップロード)
- メールの送受信 (例:レポート配信・アラート通知)
よくお客さまからマクロやVBAおよびAIとの違いを聞かれることが多いのですが、以下のような違いがあります。
マクロ(VBA)
基本的に Microsoft の Office ツールでの操作が対象となり、それ以外のアプリケーションについての自動化はできません。
AI
RPAは決められた手順やルールに沿って実行する、言わば人間でいう「手・指」にあたりますが、AIは、何かを判断・検討する思考の部分を担うため、人間でいう「脳」にあたります。役目・役割が違う点を認識いただければ、理解しやすいかと思います。
RDAとは
RDAは「ロボティック・デスクトップ・オートメーション(Robotic Desktop Automation)」の略称で、PCのデスクトップ上のタスクや操作を自動化することに特化し、「デスクトップ型RPA」と呼ばれることもあります。データ入力やファイルの整理、書類作成などの定型業務を個別の作業に合わせて細かく調整できるため個人のタスクを効率化することに向いています。
両者の違いをまとめると下記のようになります。
項目
RDA
RPA
- 実行方法には、日時指定(スケジュール)、各種トリガー(キー操作やメール受信)などがあります。
RDAとRPAでは、守備範囲(業務範囲・対象)に得意・不得意があるので、業務の自動化においては最適な手段をよく検討した上で、手段に応じた環境やソフトウェアを用意されることをおすすめします。
(参考)日本国内における代表的なRPAツールの区分
RDA
RPA
BizRobo! / SynchRoid※
UiPath
Power Automate Desktop
Power Automate
WinActor
BizRobo! / SynchRoid※
UiPath
Automation Anywhere
Power Automate
- SynchRoidは、ソフトバンク株式会社がBizRobo!のOEMとして提供しているサービスです。
RPAツールを選ぶ際に重要な「要素認識技術」
続いて、RPAツールを選ぶ際に重要な「要素認識技術」について解説します。
要素認識技術とは
前述の通り、RPA/RDAはPC上で動作するあらゆるソフトウェアやアプリケーションを自動化するものです。操作の自動化を実現するためには、ソフトウェアやアプリケーションのアイコンなど、普段皆さんがマウスやキーボードで操作する対象をいかに確実に捉え安定的に操作を代替させる必要があり、要素認識技術の安定性が重要になってきます。
要素認識技術は主に以下の3つで構成されています。
- 画像識別
- 座標指定
- プロパティ認識(構文解析、ファイル解析)
RPAツールによっては3つの技術全てを利用して動いているものもあれば、そうでないものもあります。画像認識や座標指定が主流の技術で、プロパティ認識はあるものとないものがあったり、認識力にも良しあしがあります。
それぞれの概要をご説明します。
1.画像識別
画像識別は、対象項目の画像をツール上で記録します。
Excelのアイコン画像を指定
2.座標指定
座標指定は、対象の端末に設定されている解像度で、対象項目の位置を縦軸(X座標等)と横軸(Y座標等)の2点で画面の座標を記録します。
デスクトップ上のアイコン場所の座標を指定
3.プロパティ認識
操作対象の要素について、HTMLやプログラム構造を解析しどの項目を操作するかを記録します。
ExcelのVBA(プログラミング)上のタブ3の箇所を指定する
上記3つの要素認識技術に関するメリット/デメリットをまとめると下記になります。
画像識別
座標指定
プロパティ認識
メリット
・レイアウト変更にも対応可能
・リモート接続対象の操作も可能
・違うPCでも同じロボットが動作可能
デメリット
・見た目の変更に対応できない
・対象が非表示の場合は認識不可
・対象が表示されている必要あり
RPA化した際の動作の安定性は、要素認識技術が高い「プロパティ認識」でどこまで認識できるかがポイントで、RPAツール選定の際には要素認識技術の高度化が重要です。
高度化・安定性を日々追求し改善しているメーカー・ツールであるほど、今後の業務の自動化に関係するため、ツール選定時はこの点を重視して選定されることをおすすめします。
まとめ
今回は概要やRDAとの違いや、RPAツールを選ぶ際に重要になる要素認識技術についてソフトバンクの専門家が解説しました。ぜひRPAを選ぶ際の参考にしてみてください。
ソフトバンクではユーザーに優しい手軽なサービスであるSynchRoid、大規模導入に最適なAutomation 360をご提供しています。ぜひソフトバンクまでお気軽にお問い合わせください。
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