RPAとは? ツールの選び方やRDAとの違いを分かりやすく解説

2024年9月18日掲載

RPAとは? ツールの選び方やRDAとの違いを解説

RPAツールの選び方の大事な要素として、どのような目的および業務範囲で業務の自動化を実現し、どこまでの範囲を管理するかが重要になってきます。

これから解説する内容を1つでも見落とされると、導入した後で「こんな機能がほしかった」や「トラブルが起きてしまった」「思ったように動かない」などと後悔することになってしまいます。検討の際にぜひ本ブログをご参考ください。
今回の記事は、RPAについて造詣が深いソフトバンクの専門家が分かりやすく解説します。

目次

本記事の執筆者

新井啓之,あらいひろゆき

新井 啓之(あらい ひろゆき)

ソフトバンク株式会社
法人プロダクト&事業戦略本部 法人ビジネス推進第2統括部
デスクワーク推進部 プロダクトサポート3課

2012年ソフトバンクモバイル入社後、技術部門で3G/4Gの基地局の置局設計や電波品質改善、基地局建設工事の管理などの業務に従事。RPAに興味を持ち、2018年に社内公募制度でRPA営業支援に異動。現在は、関西・中国地方の法人企業や自治体へのデスクワークの自動化・効率化実現のための提案やカスタマ―サクセス活動を行う。

RPAとは?RDAとの違い

まずは概念とよく混同されるRDAとの違いから解説します。

RPAとは

RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略称で、PC上の操作を記録して人の代わりに作業するソフトウェア型ロボットのことです。
RPAを導入することで人による手動操作から開放され、業務効率化・自動化が実現でき、また品質向上やコスト削減、業務の属人化の解消といった効果が期待できます。決められた手順やルールなど、いわゆるルーチン化されているPC作業であれば、基本的に何でも自動化できます。

RPAの自動化作業例として下記が挙げられます。

よくお客さまからマクロやVBAおよびAIとの違いを聞かれることが多いのですが、以下のような違いがあります。

マクロ(VBA)

基本的に Microsoft の Office ツールでの操作が対象となり、それ以外のアプリケーションについての自動化はできません。

AI

RPAは決められた手順やルールに沿って実行する、言わば人間でいう「手・指」にあたりますが、AIは、何かを判断・検討する思考の部分を担うため、人間でいう「脳」にあたります。役目・役割が違う点を認識いただければ、理解しやすいかと思います。

RDAとは

RDAは「ロボティック・デスクトップ・オートメーション(Robotic Desktop Automation)」の略称で、PCのデスクトップ上のタスクや操作を自動化することに特化し、「デスクトップ型RPA」と呼ばれることもあります。データ入力やファイルの整理、書類作成などの定型業務を個別の作業に合わせて細かく調整できるため個人のタスクを効率化することに向いています。

両者の違いをまとめると下記のようになります。

項目
RDA
RPA
業務範囲・対象
個人タスク程度の短い業務
個人タスク程度の短い業務~横断した長いプロセス
実行方法
手元での即時実行
実行専用機にて、各種実行が可能※
実行結果
手元ですぐに確認可能
都度確認が必要
削減時間
小さい
大きい
管理機能の充実度
△(簡易)
◎(潤沢)
全体の管理
不可(野良化する懸念あり)
可能(全体統括が可能)

RDAとRPAでは、守備範囲(業務範囲・対象)に得意・不得意があるので、業務の自動化においては最適な手段をよく検討した上で、手段に応じた環境やソフトウェアを用意されることをおすすめします。

(参考)日本国内における代表的なRPAツールの区分

RDA
RPA

BizRobo! / SynchRoid※

UiPath

Power Automate Desktop

Power Automate

WinActor

BizRobo! / SynchRoid※

UiPath

Automation Anywhere

Power Automate

RPAツールを選ぶ際に重要な「要素認識技術」

続いて、RPAツールを選ぶ際に重要な「要素認識技術」について解説します。

要素認識技術とは

前述の通り、RPA/RDAはPC上で動作するあらゆるソフトウェアやアプリケーションを自動化するものです。操作の自動化を実現するためには、ソフトウェアやアプリケーションのアイコンなど、普段皆さんがマウスやキーボードで操作する対象をいかに確実に捉え安定的に操作を代替させる必要があり、要素認識技術の安定性が重要になってきます。

要素認識技術は主に以下の3つで構成されています。

  1. 画像識別
  2. 座標指定
  3. プロパティ認識(構文解析、ファイル解析)

RPAツールによっては3つの技術全てを利用して動いているものもあれば、そうでないものもあります。画像認識や座標指定が主流の技術で、プロパティ認識はあるものとないものがあったり、認識力にも良しあしがあります。

それぞれの概要をご説明します。

1.画像識別

画像識別は、対象項目の画像をツール上で記録します。

RPAの要素認識技術 画像識別イメージ

Excelのアイコン画像を指定

2.座標指定

座標指定は、対象の端末に設定されている解像度で、対象項目の位置を縦軸(X座標等)と横軸(Y座標等)の2点で画面の座標を記録します。

RPAの要素認識技術 座標指定イメージ

デスクトップ上のアイコン場所の座標を指定

3.プロパティ認識

操作対象の要素について、HTMLやプログラム構造を解析しどの項目を操作するかを記録します。

RPAの要素認識技術 プロパティ認識イメージ

ExcelのVBA(プログラミング)上のタブ3の箇所を指定する

上記3つの要素認識技術に関するメリット/デメリットをまとめると下記になります。

画像識別
座標指定
プロパティ認識
メリット
・アプリケーションに依存しない
・レイアウト変更にも対応可能
・リモート接続対象の操作も可能
・シンプルな仕組み
・精度が高く、画面やレイアウトに変更があっても対応可能
・違うPCでも同じロボットが動作可能
デメリット
・再現性が低い(要調整)
・見た目の変更に対応できない
・対象が非表示の場合は認識不可
・解像度の違いに対応できない
・対象が表示されている必要あり
・対象のアプリケーションによっては、対応不可

RPA化した際の動作の安定性は、要素認識技術が高い「プロパティ認識」でどこまで認識できるかがポイントで、RPAツール選定の際には要素認識技術の高度化が重要です。

高度化・安定性を日々追求し改善しているメーカー・ツールであるほど、今後の業務の自動化に関係するため、ツール選定時はこの点を重視して選定されることをおすすめします。

まとめ

今回は概要やRDAとの違いや、RPAツールを選ぶ際に重要になる要素認識技術についてソフトバンクの専門家が解説しました。ぜひRPAを選ぶ際の参考にしてみてください。

ソフトバンクではユーザーに優しい手軽なサービスであるSynchRoid、大規模導入に最適なAutomation 360をご提供しています。ぜひソフトバンクまでお気軽にお問い合わせください。

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