SOCとは? CSIRTとの違いも解説

2025年4月2日掲載

SOCとは? CSIRTとの違いも解説

デジタル化が進む現在のビジネス環境において、企業の情報資産はますます重要になっています。しかし、サイバー攻撃の手法は日々進化し、企業に対する脅威も高度化しています。こうした状況下で、企業が効果的なセキュリティ対策を講じるために注目されているのが「SOC(Security Operation Center)」という組織です。本記事では、SOCの基本的な概念からメリット、SOCとともによく出てくるCSIRTやSIEMとの関連性や違い、企業がなぜSOCを導入すべきなのかを分かりやすく解説します。

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目次

SOCとは

SOC(ソック:Security Operation Center)とは、企業の情報システムやネットワークを24時間体制で監視し、サイバー脅威の検出や対応を行う専門組織(チーム)のこと です。SOCの主な目的は、リアルタイムでの脅威の監視と迅速な対応を通じて、ビジネスの継続性を確保し、情報資産を保護することにあります。

サイバー攻撃は瞬時に被害を拡大させる可能性があるため、リアルタイムでの監視と迅速な対応が不可欠です。SOCは24時間体制でネットワークやシステムを監視し、異常を検知した際には即座に対応を開始するため、攻撃の拡大を防ぎ被害を最小限に抑えることができます。

SOCの主な機能

SOCは多岐にわたる機能を持っており、企業のセキュリティ強化に寄与しています。主な機能として下記が挙げられます。

リアルタイム監視
ネットワークやシステムの動作を常に監視し、不審な活動を即座に検出する。
ログ管理と分析
システムやアプリケーションのログを収集・管理し、異常なパターンを分析する。
脅威インテリジェンス
外部からの脅威情報を収集し、自社のセキュリティ対策に反映する。

SOCとCSIRT、SIEM、NOCとの違い

SOCとCSIRTの違い

SOCと似た言葉にCSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)があります。CSIRTは、セキュリティインシデントが発生した際に迅速かつ効果的に対応するための専門チーム です。インシデント発生時に対応策を練り、実施し、システムの早期復旧を図ります。また、経営層への報告や今後のために再発防止策を検討・実施します。

大まかにいうと、SOCは日常のセキュリティ対策としての監視や検知・分析、CSIRTはインシデントが起こった際の対応を担います。

SOCとCSIRTの位置付け、違い

SOCとCSIRTは密接に連携しています。SOCは日常的な監視と脅威の検出を担当し、見つかった脅威についてはCSIRTに報告・対応を引き継ぎする形で連携します。CSIRTがインシデント対応を引き受けることで、SOCは予防的な監視と脅威の早期発見に集中でき、企業全体のセキュリティ体制が強化されます。

SOC
CSIRT

・日常的な監視と脅威の検出

・リアルタイムでのアラート発出

・脅威インテリジェンスの分析と共有

・予防的なセキュリティ対策の実施

・インシデント発生時の対応と復旧

・インシデントの詳細な分析と報告

・再発防止策の策定と実施

・組織全体へのセキュリティ教育と啓蒙活動

SOCとSIEMの違い

SOCを語る際にSIEM(シーム:Security Information and Event Management)というワードもよくでてきます。SIEMは、ログ管理やイベントの相関分析を行うツールであり、SOCの効果的な運用に欠かせません。SIEMは膨大なログデータをリアルタイムで収集し、異常なパターンや潜在的な脅威を自動的に検出します。SOCはこのSIEMの機能を活用して、データの統合管理やリアルタイム分析、アラート検知などを行います。

▶関連記事:SIEMとは? 機能とメリット、SOARとの違いを解説

SOCとNOCの違い

同じような言葉にNOC(ノック:Network Operation Center)もあります。NOCとは、主にネットワークの性能や可用性を監視・管理する組織です。一方、SOCはセキュリティに特化し、脅威の検出と対応を行います。

SOC
NOC
目的
サイバーセキュリティの強化と脅威の防止
ネットワークの安定稼働と性能最適化
監視対象
ログデータ、アクセス履歴、不正アクセスの兆候などを監視
ネットワーク機器やサーバーの稼働状況、帯域使用率などを監視

SOCの課題と対策

企業のセキュリティ対策として重要な役割を果たすSOCですが、自社だけで組織を運営しようとするといくつかの壁が立ちはだかります。

①高額な初期投資
SOCを内部で構築する場合、専用の設備やソフトウェア、専門スタッフの採用に高額な初期投資が必要です。

②専門知識とスキルの不足
SOCの運用には高度なセキュリティ知識とスキルが必要で、スタッフの継続的なトレーニングが欠かせません。

③脅威の増大と複雑化
サイバー脅威は日々進化し、その手法も複雑化しています。そのため、最新の脅威情報を常に収集・分析し、対策に反映(脅威インテリジェンスの強化)させる必要があり、なるべく自動化して効率的に対応することが求められます。

SOCは外部ベンダーの活用がポイント

重要性が増すSOCですが、内部で構築・維持するよりも、専門の外部ベンダーにアウトソーシングすることで専用の設備やソフトウェア、専門スタッフの採用コストやトレーニングコストを削減できたり、必要なときに必要なリソースを柔軟に活用できるようになります。加えて、最新のセキュリティ技術や脅威情報に精通した専門家による運用が行えるようになることもアウトソーシングする場合のメリットと言えるでしょう。

まとめ

SOC(Security Operation Center)は、現代の企業において不可欠なセキュリティ対策の一つです。リアルタイム監視や迅速なインシデント対応を通じて、企業の情報資産を守り、ビジネスの継続性を確保します。また、CSIRTとの連携やほかのセキュリティツールとの統合により、包括的なセキュリティ体制を構築することが可能です。SOCの導入には初期投資や専門知識の確保などの課題もありますが、アウトソーシングしたり適切な計画と継続的な改善を行うことで、これらの課題を克服し、効果的なセキュリティ対策を実現することができます。

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辻村 昌美
ソフトバンクビジネスブログ編集チーム
辻村 昌美
ソフトバンクで新規事業立ち上げなどを経験後、2020年より法人向けマーケティングに従事。中小企業や既存のお客様向けマーケティングを担当し、2022年よりコンテンツ制作に携わる。

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