モック開発を30時間から30分に短縮。「AGENTIC STAR」が変えたアプリ開発の常識
2026年3月24日掲載
アプリ開発において「小さなモックをつくるだけで丸一日かかる」という悩みは、現場のエンジニアにとって決して珍しくありません。本来はアイデアを形にするための時間が、API仕様の調査、環境構築、テスト準備といった付随業務に費やされていきます。
ソフトバンクのAX事業本部でアプリケーション開発を担う舩渡も、その構造的な課題を感じていた一人です。業務の約60%が本質的ではない準備作業(仕事のための仕事)に費やされている――その状況を変えられないか。本記事では、次世代型AIエージェント「AGENTIC STAR」がソフトバンクのエンジニア部門にもたらした変化と、その具体的な活用事例をご紹介します。
お話をうかがった方
エンジニアの創造性を奪っていた「仕事のための仕事」
ソフトバンクのAX事業本部は、顧客のビジネス課題を起点に、ITに関するコンサルティングから設計・実装、さらにはデリバリーまでを一気通貫で担うエンジニア組織です。営業同行やヒアリング段階から関与し、顧客が言語化できていない課題まで掘り下げ、最適な技術解決へと導きます。舩渡はその中での取り組みの一例としてITを活用したアプリケーション開発案件に携わり、構想段階から実装・納品までを担いました。
舩渡:法人のお客さまが抱える複雑なビジネス上の悩みに対して、最新技術やAIを使いながら必要なものを正しく理解し、迅速に形にしていく。それが私たちのミッションです。
上流から下流までを担う体制は強みである一方、実際にアプリ開発を行う場合などでは、API仕様の読解や煩雑な環境構築、テスト準備、そして資料作成など、アプリ一つでも多くの準備工数が発生します。提案スピードを落とさずに対応する方法を模索することが大きな課題となっていて、体感では業務の約60%が“仕事のための仕事”でした。創造性を発揮する前に時間が消えてしまうこの構造を、変える必要がありました。
求めていたのは“自律的に動く存在”
舩渡:その構造を変えるには、単なる効率化ツールでは不十分でした。ゴールを示せば自ら計画を立てて進めてくれる存在が欲しかったんです。
従来の生成AIでは、人間が都度AIに指示を出し、その結果(コード)を確認しながら次の指示を与えるという、人間主導の進行が前提でした。そのためAIは各工程を部分的に支援する存在にとどまり、アプリ開発の「設計→実装→テスト」という直列構造自体は変わりませんでした。エラー解析や再設計まで自律的に回せる仕組みでなければ、本質的な変化にはならないと思いました。
AGENTIC STARが備えていた“自律構造”
そうした課題意識の中で注目したのが、自律汎用型AIエージェントである「AGENTIC STAR」です。AGENTIC STARは、ゴールを与えると自ら計画を立て実行、評価し、必要に応じて再計画まで行います。単発の回答を返すチャット型AIとは異なり、タスクを実行しながらアウトプットを生み出すことを前提に設計されています。
舩渡:AGENTIC STARの最大の特徴は、「計画 → 設計 → 実装 → 評価 → (必要に応じて)再計画」というループを自律的に回す点です。単に“答えを出すAI”ではなく、“業務を前に進めるAI”です。
また、サンドボックス環境(本番環境や業務データから切り離された安全な実行環境)を内蔵しているため、生成したコードをその場で実行・検証し、エラーがあれば自己修復します。テストのためのローカル環境の準備や手動テストに張り付く必要がありません。
例えば、API仕様を読み込ませれば、ゴールから逆算して必要な機能を先回りして構成してくれる。そこに大きな可能性を感じました。
実際の顧客案件でも活用を──開発プロセスの再構築に挑む
AGENTIC STARが機能として優れていることは理解できたものの、理論上の可能性だけでなく現場での再現性を確認するために、実際の顧客案件でも活用を行ってみたと言います。
舩渡:対象としたのは、建築業界向けの画像生成Webアプリにおけるモック開発です。ラフスケッチから完成イメージを生成し、営業が顧客提案時に活用している実案件でした。
建築営業の現場では、顧客に提示する完成イメージの質が提案の説得力を左右します。しかし、既存のツールでは細かな修正が入るたびにコード確認やテストを自ら実施する必要があり、都度工数が発生していました。そのため、ニーズに完全に合致した画像生成が困難でした。
そこで、自身が画面に張り付くことなく、プロンプトを入力するだけでイメージに合った画像を生成でき、さらにテスト実施まで自律的に行う仕組みが必要でした。
AGENTIC STAR導入前の開発プロセス
舩渡:AGENTIC STAR導入前、アプリ開発において特に時間や工数がかかっていたのは、API仕様の調査とアプリ全体の設計でした。
APIの挙動を確認し、パラメーターやレスポンス構造を理解することに加え、それらを反映した設計、環境構築、コーディング、テストを実施し、エラーが出れば原因を特定して修正する——。これらを積み上げると、小さなモックアプリでも合計30時間ほどを費やしていました。
既存の開発ツールも活用していましたが、それでも工程全体は変わりませんでした。コードの断片を提案してくれる機能はあるものの、あくまで人が書くと決めた後の補助的な役割にとどまっていました。プロジェクト全体の目的を理解し、複数ファイルを横断して設計を調整したり、外部のAPIドキュメントを自律的に読みに行ったりする役割までは果たせませんでした。
AGENTIC STARで開発時間を30時間から30分へ
自ら考えて全体を動かすAIエージェント
舩渡:AGENTIC STARには背景や目的、利用するAPI、技術スタックをまとめて渡しました。細かなコード指示はしていません。ゴールを明確に伝えただけです。
API仕様の自律的な解釈から、ゴールの逆算による機能構築、設計と実装の並行処理まで、全てAGENTIC STARが内部で実行します。生成されたコードはサンドボックス環境で即座に実行・検証され、エラーが発生すれば自己修復し、ゴール未達であれば再計画まで行います。さらに“記憶”機能を備えており、各ユーザーの利用内容から得られた知見は組織ナレッジとして蓄積されます。これにより、同部署・同職種のユーザーが利用する際にも、ナレッジが共有された状態でアウトプットが生成できます。成果物の成否を自分で判断し、足りなければ自律的に情報を追加して再実行する。このサイクルを内部で回してくれる点が、従来のツールとの決定的な違いでした。直列工程から自律ループへ。部分補助から全体統括へ。
従来、約30時間を要していたモックアプリの開発は、AGENTIC STARを活用することで約30分に短縮しました。削減率にして約98%です。チャットの往復はわずか約6回でモックアプリが完成しました。
作成したアプリの画面
アプリ開発だけではない──AGENTIC STARはどんな業務に活用できるのか
ドキュメント作成の自動化
エンジニアの業務において、仕様書、構成図、提案資料、報告資料といったドキュメント作成は避けて通れません。 これらは付随業務でありながら、大きな時間を占めていました。
舩渡:例えば、AGENTIC STARを使うことで、GAS(Google Apps Script )コードを読み込ませて Microsoft PowerPoint の仕様書を生成することもできます。アウトプットはほぼ完成形で、手直しは5〜10分程度の微調整で顧客へ提出できるレベルまで仕上げられます。
実サービスのロゴを反映した構成図や、社内テンプレートに沿った資料構成も自動生成が可能です。これまで“作業時間”として積み上がっていた資料作成業務が大幅に圧縮できるのです。
要件定義などのドキュメント作成
さらに活用が広がっているのが要件定義のフェーズであったと舩渡は続けます。
舩渡:打ち合わせログを読み込ませると、必要な要件の抽出、課題構造の整理、要件定義書などのドラフトまでを自動で生成してくれます。
ヒアリング内容を整理して論点を構造化するところまで自動でやってくれるので、ゼロから書き起こす必要がなくなるのです。これにより要件の抜け漏れも防止でき、早い段階から認識齟齬を発見でき、開発までのスケジュールを短縮することが可能です。
AGENTIC STARは、専門的な開発知識がなくても扱える設計だからこそ、その可能性は広がっています。エンジニアだけでなく、非エンジニアの方にもぜひ活用していただきたいと考えています。
パラダイムシフトの渦中にいる私たちへ
舩渡:私たちは今、ソフトウェア開発の歴史的なパラダイムシフトの渦中にいます。
30時間が30分になった——。その数字は象徴的ですが、本質は単なる“効率化”ではありません。
変わったのは時間ではなく、工程の進め方そのものです。分断されていた設計・実装・テストが統合され、人は「仕事のための仕事」から解放されていく。
その結果生まれる“余白”を何に使うのか。そこにこそ、これからの企業競争力の差が生まれるといえるでしょう。
アプリ開発にとどまらず、組織全体の業務を支える“パートナー”へ。この変化がもたらす可能性を、ぜひ体感してほしいと思います。
AIによる記事まとめ
「AGENTIC STAR」は、ゴールを与えるだけで計画・設計・実装・検証までを自律的に実行するAIです。これにより従来30時間かかっていたモック開発は約30分に短縮され、工程全体の効率化を実現しました。エンジニアは煩雑な準備作業から解放され、より創造的で本質的な業務に集中できる環境が整いました。
※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。
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