Blogsブログ

量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験

#量子技術 #量子コンピューター #量子機械学習 #共同研究

1. ソフトバンクと電気通信大学 / 慶應義塾大学との共同実験を実施

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)、国立大学法人電気通信大学(以下「電通大」)および慶應義塾大学(以下「慶應大」)の3者は、量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験に成功しました。

近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展やリモートワークの浸透が進んでいることに加え、Beyond 5G/6Gにおいては超高速・大容量の伝送技術とエッジコンピューティング技術の組み合わせによって、データ駆動型社会が実現すると考えられており、それらを支える通信ネットワークの品質が重要な指標の一つとなっています。

こうしたネットワーク需要の拡大などにより、通信事業者の機器の構成が大規模・複雑化し、その運用はMLOps※1と呼ばれるAI(人工知能)を用いた高度なコンピューティング技術による自動化の検討が進んでいます [1]-[4]。しかし、古典コンピューターとそのアルゴリズムでMLOpsを実現するには、エネルギー消費量や計算複雑性に対する効率や脆弱性に課題があるため、量子コンピューターによる高度化・高速化が期待されています。

※1 MLOps:機械学習(ML)と運用(Ops)を合わせた造語で、機械学習を用いた開発運用工程におけるパイプラインのこと

一方で、現在の量子コンピューターはNISQ (Noisy Intermediate-Scale Quantum device) と呼ばれる、ノイズがある中規模(100量子ビット程度)の製品が中心であり [5]、これを用いて実用的な性能を得るためには、アルゴリズムの改良やエラーの抑制、エラーの訂正技術が重要となっています。現在、量子コンピューターアルゴリズムは、主に量子化学や数理最適化、機械学習の観点で研究が進んでおり、特にIBM社の超伝導型ゲート式量子コンピューターなどのハードウエアを用いた性能検証が活発化しています [6][7][8]。

そこで今回、ソフトバンク、電通大および慶應大の3者は、IBM社の超伝導型ゲート式量子コンピューターとQ-CTRL社のエラー抑制システムを活用した、量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験を行いました。

2. ネットワーク運用と通信サービス故障診断システム

お客さまへ提供する通信サービスの基盤となる商用サービスネットワークは、全国の主要都市を動脈のようにつなぐコア網、地域レベルで構成されるエリア網、そしてお客さまの各拠点やモバイル基地局などをつなぐアクセス網があり、最上部のIX(インターネットエクスチェンジ)を介して、海底ケーブル等の国際通信網へとつながっています。

商用サービスネットワークのイメージ|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図1. 商用サービスネットワークのイメージ

通信事業者のネットワーク運用業務は、主にお客さまへ提供する通信が途絶えることがないよう、サービスの監視、故障切り分け、故障復旧といった故障対応やメンテナンス作業を24時間365日体制で行っています。オペレータは運用システムを用いて業務を行います(図2)。特に故障切り分けは、対象サービスを収容する装置を特定し、膨大な装置コマンドを駆使して故障原因の特定を行っています(図3)。

故障対応ワークフロー|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所 故障対応ワークフロー|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図2. 故障対応ワークフロー

装置コマンドを用いた故障切り分け例|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所 装置コマンドを用いた故障切り分け例|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図3. 装置コマンドを用いた故障切り分け例


本研究では、商用ネットワークで稼働するシステムのログから抽出したデータセットを用い、量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験を行いました。データセット(図4)は横軸をコマンド種別、縦軸を故障パターンとし、プロットは各コマンド実行結果が異常の場合に1、正常の場合は0に対応しています。各プロットの色は7種類の故障原因に対応しています。横軸系列の0、1の配列を特徴ベクトルとし、この特徴ベクトル毎の故障原因を教師データとして機械学習し、構築したモデルを用いて故障診断を行います。

通信サービス故障診断用データセット|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図4. 通信サービス故障診断用データセット

通信サービス故障診断システム(図5)は、オフライン処理でデータセットを用いた学習を行い、オンライン処理で未知の特徴ベクトルに対する故障原因を推定する運用動作を行います。システムは古典コンピューターおよび量子コンピューターで処理する部分に分かれており、オフラインでの学習処理は、まずデータセットをあらかじめ計算に用いる量子ビット数と同じサイズへ次元削減を行い、正規化処理を行います。次に交差検証を行うために学習およびテスト用へデータセットを分割し、機械学習モデルの性能評価に用います。本検討では分割比率を50%で行っています。そして量子ビットへのパラメーター化処理を行い量子回路を生成します。ここまでを古典コンピューターで行い、次に量子コンピューターを用いて学習用データの故障パターン数について総当たりで内積計算しながらグラム行列※2を生成します。このグラム行列をカーネルとしてサポートベクタマシン(SVM)という機械学習モデルを用いて故障原因推定を行います。

※2 グラム行列:カーネル関数を行列で表したものを呼び、特徴ベクトル間の内積を成分として形成される行列のこと

通信サービス故障診断システム|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図5. 通信サービス故障診断システム

なお、現在は故障診断毎に特徴ベクトル次元数すべてについてコマンド実行を行いますが、筆者らの研究[1]では、故障原因特定に必要なコマンドのみを探索的に実行するために、クラス収束に関する信頼度を報酬とする深層強化学習を用いた技術を実現しています。

3. 量子カーネル学習アルゴリズムと提案手法

量子カーネル学習※3は、量子ビット※4の豊富な表現力や、量子もつれ※5の超高次元空間における複雑性などの特長により、古典コンピューターよりも優れた解析性能が期待されています [9][10]。

※3 量子カーネル学習:bデータを高次元空間にマッピングすることができるカーネル関数を使用し、その計算処理を量子コンピューター上で行って特徴を抽出することで、データをより簡単に分類または回帰させることが可能な手法。特に非線形的な特徴を見つけるために有用

※4 量子ビット:量子コンピューターの基本単位のこと。量子力学の原理に基づき、スーパーポジションという性質を利用して、「0」の状態と「1」の状態の両方を重ね合わせ状態として持つことができる。これは「0」の状態である確率と「1」の状態である確率の組み合わせとして表現される。量子ビットの状態を測定すると、それは「0」または「1」のいずれかの状態に「崩壊」し、その後はその状態しか持つことができない

※5 量子もつれ:二つ以上の量子が特殊な条件下でペアになることで発生する現象で、量子力学的な考え方を用いないと説明できない、量子間の強い相関のこと。例えば、AとBの間に量子もつれが発生した場合、AとBが0または1どちらの観測値を取るかはランダムだが、Aの観測値が0ならばBの観測値も必ず0になる、といった相関が成立する。また、同じAとBにおいて、0と1の重ね合わせ状態が観測される場合でも、同様の相関が成立する

一般的にカーネル法(図6)は、線形分離が不可能なデータに対し高次元な特徴量空間 (カーネル空間)への写像を用いて線形分離可能とする方法のことを示しますが、量子カーネル学習は特徴量空間に量子コンピューターの量子状態空間を用います。図7は、量子状態空間にマップされた古典データが0~2πの位相区間において、その振幅方向により分離されている様子を示しています。

カーネル法|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所 カーネル法|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図6. カーネル法

量子状態空間のイメージ|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所 量子状態空間のイメージ|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図7. 量子状態空間のイメージ

今回、量子カーネル学習によるカーネル生成において、独自の量子もつれ制御回路を考案(特許出願中)し、より汎用的なデータに対応することができ、量子コンピューターの性能を引き出すことに成功しました。対象とする入力データの特徴ベクトルを各量子ビットにパラメーター化し、隣接する量子ビット間のもつれ強度をパラメーター調節することにより、入力データ特性に応じた量子状態へのマッピングを制御し、量子回路全体で効率的に量子状態空間を活用する計算手法を実現しました。

カーネル生成において、入力データの特徴ベクトルxlxmの内積計算の組み合わせを総当たりで量子コンピューターを用いて行います(式1)。ゲート演算子UΦ(x)におけるΦ(x)について、それぞれのベクトルの各要素をn個の量子ビットのユニタリ空間※6へマッピングし量子回路を生成します(式2)。

※6 ユニタリ空間:複素数体上の内積空間のこと

カーネル生成において、入力データの特徴ベクトル(x_l ) ⃗、(x_m ) ⃗の内積計算の組み合わせを総当たりで量子コンピューターを用いて行う計算式|ゲート演算子U_(Φ(x))におけるΦ(x)について、それぞれのベクトルの各要素をn個の量子ビットのユニタリ空間※6へマッピングし量子回路を生成する計算式|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

従来手法を、図8に示すX回転ゲートに計算対象の特徴ベクトルをパラメーター化しただけの量子回路で定義し、以下に説明する提案手法と比較しました。

従来手法の量子カーネル回路|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図8. 従来手法の量子カーネル回路

提案手法において、隣接する量子ビット間のもつれ強度をパラメーター調節することにより、入力データ特性に応じた量子状態へのマッピングを制御し (図9)、量子回路全体で効率的に量子状態空間を活用する計算手法を実現しました (図10)。

量子もつれ制御回路|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図9. 量子もつれ制御回路

提案する量子カーネル学習回路|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図10. 提案する量子カーネル学習回路

提案手法のゲート演算子UΦ(x)の量子もつれ生成回路(式3)における、Z回転ゲートの位相パラメーターΦ(p,q) (x)(式4)は、量子もつれ強度について隣接する量子ビットにパラメーター化した値が作用し、これに対する係数αを定義することにより、効率的に量子もつれ作用を調節可能としました。

提案手法のゲート演算子U_(Φ(x))の量子もつれ生成回路(式3)|提案手法のゲート演算子U_(Φ(x))の量子もつれ生成回路(式3)における、Z回転ゲートの位相パラメーターΦ_(p,q) (x)(式4)|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

グラム行列K(式5)を、パラメーター化した量子回路それぞれについて量子コンピューターで計算することにより、カーネルを得ることができます。

グラム行列K(式5)|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

本研究は以上で説明した通り、提案手法による量子もつれ制御が量子カーネル学習のクラス分類性能へどのような影響を与えるかを検証したものです。

4. 量子コンピューターのエラー抑制

量子コンピューターのエラーは、デコヒーレンス※7、ゲートエラー※8、読み出しエラー、クロストーク、熱雑音などさまざまな要因が重なったものであり、その抑制は物理モデルが分かっている場合は比較的対処が可能ですが、システムが大規模化するに従い難しくなります。

※7 デコヒーレンス:量子系の干渉性が環境との相互作用によって失われる現象

※8 ゲートエラー:量子ゲートの計算エラーを示す

本研究では、Q-CTRL社製エラー抑制システム「Fire Opal」を用いることにより、NISQマシンにおける量子ノイズを大幅に低減することに成功しました。

Fire Opalは、量子ハードウェア上で AIによるエラー抑制を実現し、量子アルゴリズムのパフォーマンスを向上させるために設計されたシステムです。サンプリングやランダム化などの追加の実行オーバーヘッドを必要とせずに、エラー削減に対する決定論的なアプローチを実現しています。

深層強化学習を使用してハードウェアモデルを効果的に学習し、量子コンピューターからの環境情報を報酬情報に忠実度※9としてカプセル化し、制御パルスやその他の環境の変化に関連するアクションに還元しながらエージェントを操作します。区分定数制御波形※10について、状態観測サイクルに関するエピソードを繰り返しながら最適なハミルトニアン※11を探索し、最適値に達するまで学習とキャリブレーションを繰り返します。このように深層強化学習を使用することにより、エラーの物理モデルに関する事前知識がなくとも、効果的な量子コンピューターのエラー抑制を実現しています。 [11][12]。

※9 忠実度:初期化や測定時のエラーによる量子ビット状態の変化度合いを1-<解のエラー率>として定義される

※10 区分定数制御:区分的に連続な制御を示す

※11 ハミルトニアン:物理学におけるエネルギーに対応する物理量であり、各物理系の持つ多くの性質は、ハミルトニアンによって特徴づけられる

Q-CTRL社エラー抑制システムにおける深層強化学習による最適化|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図11. Q-CTRL社エラー抑制システムにおける深層強化学習による最適化

5. 提案手法による量子コンピューターシミュレーション検証実験

提案手法の評価を、テンソルネットワーク型シミュレーターを用いて行いました。データセットのコマンド系列120次元に対し、評価する量子ビット数に合わせて10~50次元へ次元削減し、50%交差検証、100分割パターンにおける分類推定精度の分布について評価を行いました。

提案手法は、従来の量子カーネル学習を用いたSVMおよび古典カーネル学習を用いたSVMと比較して優れた性能を示していました。全ての量子ビット数における評価結果の平均値で比較すると、従来の量子カーネル学習は77%、提案する量子カーネル学習は81%、古典カーネル学習は78%でした。

テンソルネットワークシミュレーションによる故障原因推定性能評価|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図12. テンソルネットワークシミュレーションによる故障原因推定性能評価

以降の評価は、各量子ビット数に対して単一の分割サンプルデータを用いて評価しました。この時の古典手法における推定精度は85%~89%の範囲としています。

図13は提案手法における量子もつれ強度に関するαパラメーターと推定精度の関係を評価したものです。これより、学習データに対して量子もつれ強度と量子ビット数において最適な設定が存在することがわかります。

推定精度のαパラメーター依存特性|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図13. 推定精度のαパラメーター依存特性

本実験では、αパラメーターを全量子ビット間で共通するものとして行いましたが、量子ビット間で独立した設定を行うことで、さらに詳細なデータ特徴に対する学習性能が得られることも想定されます。また、学習においてシミュレーションにより事前評価しパラメーター探索を行いました。状態ベクトル型シミュレーターは現状、30量子ビット程度までの計算しかできませんが、テンソルネットワーク型シミュレーターは、近似誤差は含まれますが、より大きな量子ビット数でのシミュレーションが可能です。さらにシミュレーションで対応できないような大きな量子ビット数になってくると、理想値の評価は不可能となってきますが、直接量子コンピューターハードウェアでパラメーターチューニングしながら動作するモデルも考えられます。

6. IBM量子コンピューターハードウェアを用いたシステム実証実験

提案手法について、シミュレーションで確認した最適な設定を用いて、IBM社製ゲート式量子コンピューター(IBM Quantum System One:IBM-Kawasaki 127量子ビット)を用いて評価を行いました。

通信サービス故障診断システムにおける故障原因推定性能を比較評価した結果が図14です。状態ベクトル型シミュレーター、テンソルネットワーク型シミュレーター、IBM社製ゲート式量子コンピューター単体およびIBM社製ゲート式量子コンピューターにエラー抑制を適用した場合で比較したところ、量子コンピューターにエラー抑制を適用することにより、30量子ビット時の故障原因推定性能82%を得ることができました。この量子ビット数は現時点において実機を用いた量子カーネル学習での世界記録になります。なお、30量子ビットで最適な推定精度に到達し、それ以降では劣化傾向がみられます。この劣化要因は、量子コンピューターのノイズの影響とデータサンプル数の枯渇による影響が考えられます。

量子コンピューターを用いた故障原因推定性能|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図14. 量子コンピューターを用いた故障原因推定性能

量子コンピューターにより得られたカーネルに関して、30量子ビット時のグラム行列全要素における、理想値に対する相対値を比較した結果、エラー抑制により一様な性能改善を示していることを確認しました。

30量子ビット時のグラム行列における理想値に対する相対性能比較|量子機械学習による通信サービス故障診断システムの実証実験|量子技術|ソフトバンク 先端技術研究所

図15. 30量子ビット時のグラム行列における理想値に対する相対性能比較

7. 実証実験の成果と未来の展望

今回、ソフトバンクの商用サービスで稼働するシステムのデータを用いて、量子カーネル学習アルゴリズムの改良とエラー抑制により、量子コンピューターの実用的な性能の実証に成功しました。この成果は、量子コンピューターによる計算技術の進展と社会実装への貢献に大きく寄与するものです。今後、さらなる量子アルゴリズムの応用範囲および優位性探索の拡大と、量子ハードウェア性能の向上による計算性能向上、スケーラビリティー、ネットワークアーキテクチャー間の連携に向けた研究を推進します。これにより、量子コンピューター技術の早期実用化と社会実装に貢献していきます。

この研究成果は、2024年9月15~20日に開催される「IEEE International Conference on Quantum Computing and Engineering(QCE24)」のTechnical session(QML)において論文が採択されており、発表予定です。


論文情報

題目:Parametrized Energy-Efficient Quantum Kernels for Network Service Fault Diagnosis
著者:Hiroshi Yamauchi, Tomah Sogabe, Rodney Van Meter
プレプリント:https://arxiv.org/abs/2405.09724


参考文献

[1] H Yamauchi, T Kimura, “Deep Reinforcement Learning based Command Control System for Automating Fault Diagnosis,” IEEE 19th International Conference on Network and Service Management (CNSM), November 2023, Page(s):1 - 5

[2] Mays Al-Naday, Martin Reed, Vlad Dobre, Salman Toor, Bruno Volckaert, Filip De Turck, “Service-based federated deep reinforcement learning for anomaly detection in fog ecosystems,” IEEE 26th Conference on Innovation in Clouds, Internet and Networks and Workshops (ICIN), March 2023, Page(s):121-128

[3] T. Kimura, A. Watanabe, T. Toyono, and K. Ishibashi, “Proactive failure detection learning generation patterns of large-scale network logs,”IEICE Transactions on Communications, Vol. E102.B (2019), No. 2, pp. 306-316, 2018.

[4] C. R. Kalmanek, I. Ge, S. Lee, C. Lund, D. Pei, J. Seidel, J. E. Merwe, J. Yates, “Darkstar: Using exploratory data mining to raise the bar on network reliability and performance,” Proc. DRCN, October 2009, pp.1-10.

[5] J Preskill, “Quantum computing in the NISQ era and beyond,” Quantum2, 79.

[6] Shu Kanno, Kenji Sugisaki, Hajime Nakamura, Hiroshi Yamauchi, Rei Sakuma, Takao Kobayashi, Qi Gao, Naoki Yamamoto, “Tensor-based quantum phase difference estimation for large-scale demonstration,” arXiv:2408.04946 [quant-ph].

[7] Natasha Sachdeva, Gavin S. Harnett, Smarak Maity, Samuel Marsh, Yulun Wang, Adam Winick, Ryan Dougherty, Daniel Canuto, You Quan Chong, Michael Hush, Pranav S. Mundada, Christopher D. B. Bentley, Michael J. Biercuk, Yuval Baum, “Quantum optimization using a 127-qubit gate-model IBM quantum computer can outperform quantum annealers for nontrivial binary optimization problems” arXiv: 2406.01743 [quant-ph].

[8] Zoran Krunic, Frederik F. Fl¨other, George Seegan, Nathan Earnest Noble, Omar Shehab, “Quantum Kernels for Real-World Predictions Based on Electronic Health Records,” IEEE Transactions on Quantum Engineering, 2022, Volume 3, 2500311

[9] M Schuld, N Killoran, “Quantum machine learning in feature Hilbert spaces,” Physical review letters, vol. 122, no. 4, Feb 2019.

[10] Vojtech Havlicek, Antonio D. C´orcoles, Kristan Temme, Aram W. Harrow, Abhinav Kandala, Jerry M. Chow, Jay M. Gambetta, “Supervised learning with quantum-enhanced feature spaces,” Nature 567.7747 (Mar. 2019), pp. 209–212.

[11] Pranav S. Mundada, Aaron Barbosa, Smarak Maity, Yulun Wang, T. M. Stace, Thomas Merkh, Felicity Nielson, Andre R. R. Carvalho, Michael Hush, Michael J. Biercuk, Yuval Baum, “Experimental benchmarking of an automated deterministic error suppression workflow for quantum algorithms,” Phys. Rev. Applied, November 2023,20, 024034

[12] Yuval Baum, Mirko Amico, Sean Howell, Michael Hush, Maggie Liuzzi, Pranav Mundada, Thomas Merkh, Andre R.R. Carvalho, and Michael J. Biercuk, “Experimental Deep Reinforcement Learning for Error-Robust Gate-Set Design on a Superconducting Quantum Computer,” PRX Quantum 2, 040324

Research Areas
研究概要