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- #次世代電池
宮川 絢太郎
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プロフィール2017年3月 岐阜大学 工学部 卒業
2019年3月 岐阜大学 大学院 自然科学技術研究科 博士前期課程 修了
2019年 ソフトバンク株式会社入社。 -
研究分野
- 下記に挙げる次世代電池材料の調達・研究開発に従事。
- 1.リチウム金属負極の研究開発
次世代材料を全般的に取り扱っているが、メインとなる研究テーマは「Li金属負極の寿命向上」。Li金属上に表面処理膜を形成することによる寿命向上効果との関係性を材料種・膜厚・結晶性・緻密性などマクロ~ミクロレベルで検証を実施。 - 2.有機正極活物質の研究開発
防衛装備庁の公募に採択され、R4-2月から国家プロジェクトとして研究を行う。 - 3.軽量樹脂集電体の開発
- 4.全固体電池用の正極材料に関する研究開発
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主な出版/論文
■ 雑誌
- Material Stage 2022年7月号
タイトル「ソフトバンクが進める次世代の蓄電池開発の動き、化学産業への期待」著作者:齊藤貴也、宮川絢太郎
■ 第一著者として出版したもの
- Li金属電池の表面処理材料を第一原理計算を用いて選定した研究論文
Computational studies on defect chemistry and Li‑ion conductivity of spinel‑type LiAl5O8 as coating material for Li‑metal electrode - リチウム空気電池の流路材料と寿命効果についての研究論文
Metal-coated Polymer-fiber Mesh as Ultra-light Weight Gas-diffusible Current Collector for High Energy Density Rechargeable Lithium-Oxygen Batteries
■ セカンドオーサーで出版の論文
- MIを用いた有機二次電池用の正極材料の探索に関する研究論文
Performance Predictors for Organic Cathodes of Lithium-Ion Battery
- Material Stage 2022年7月号
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主な実績
- ギジュツノチカラ展~Battery編~の企画・統括
- ソフトバンク次世代電池ラボの設立(2021年6月)
- Li金属電池で520Wh/kg達成
- ソフトバンク、次世代電池の開発で大きく前進し、「全固体電池用正極材料の開発」など三つの新技術の実証に成功
- 防衛装備庁のR4年度安全保障技術研究推進制度に有機電池のテーマが採択
- 進化した電池の先に広がる無限の可能性。ソフトバンクの次世代電池開発|SoftBank SDGs Actions #8
- その他、学会発表多数や特許執筆多数
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学生時の研究内容・実績
- Metal Organic Frameworkを用いたガス分離膜を研究開発
天然ガス採掘時の二酸化炭素を分離除去すべく、カーボン選択制のある分離膜を研究。2018年化学工業学会で発表。
- Metal Organic Frameworkを用いたガス分離膜を研究開発
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仕事・研究に関する内容
意義とソフトバンクが次世代電池開発を行うのに対する意見正極の課題を解決する手法を見つけて、電池に取り組んだとしても、今度はそれが負極に悪さをして、電池全体としては上手くいかないことがあります。電池のような材料開発には、広い視点を持って研究開発を行う必要があり、それが難しさであり、楽しさとも感じています。
また、よく「スマートフォンの機能がxxx」とソフトウエアの進展ばかりが注目されていますが、よく考えれば、昔の携帯電話の頃の電池ではスマートフォンの機能で動かしただけで1時間で電池が無くなってしまいます。ドローンや電気自動車の登場も考えると、時代の進化を後押ししているのは電池だと考えさせられます。ソフトバンクと電池開発は一見違う目的の様に思えますが、実は同じ路線を走っていると感じています。
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研究で大切にしていること
研究開発はうまくいかないことが90%と考えています。また、テーマによっては、その結果がでるタイミングが異なります。
例えば、AIに関する開発では2カ月もあれば新規プログラムの動作検証まで到達すると言われていますが、電池の場合は試作は2週間程度で済むものの、評価に3カ月程かかります。そのため、ひとえに研究といっても、電池の研究はかなり成果を「出しにくい」性質があると感じています。だからこそ、1つの実験で何を学び、どのように改善するか、ここからどうすれば次の一手につながるか、なぜ失敗したか、どこを切り取れば成果になるかを意識しながら研究開発をしています。実験を行う際も、どのような実験を行えば、どのような成果がいつ頃得られ、それが会社にどのような影響を与え、失敗した際の次のアクションも考えながら計画を組んでいます。電池の研究に携わることは、チームとして成果を生むことはもちろんのこと、自らの研究者としての実績だけでなく開発側の目線の育成にもつながるため、非常に良い機会だと感じています。
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