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基礎知識からIoTの新常識まで網羅 “期待感”を高めるソフトバンクの新入社員研修

通信事業をはじめAIやIoT、ロボット、エネルギーなど多岐にわたる事業を展開するソフトバンクには、毎年多種多様な人材が集まっています。

そんなソフトバンクで実施される、社会人やエンジニアとして必要な基礎スキルが身に付く新入社員研修とは、どういったものなのか。新入社員研修担当者の片岡 渉と妻沼 孝征が語ります。
 

新入社員研修で社会人のスタートダッシュを決める

▲新入社員向けの共通研修は“マインド面”と“スキル面”の2軸を基本に実施

ソフトバンクでは近年、新入社員に向けて、全職種対象の「共通研修」と、エンジニアが対象の「技術研修」を実施しています。
共通研修は、社会人として必要な要素を学んでもらうためのもので、“マインド面”と“スキル面”の2軸を基本に、2週間半かけて行います。

片岡 「どの職種に就いても、一人前に働けるようになるための第一歩が共通研修です。マインド面では、社会人意識の醸成を目指して、主体性や前向きさを養える構成になっています。

具体的には、『ソフトバンクバリュー』という、ソフトバンクで仕事をする上での 5つの行動指針『 No.1』『挑戦』『逆算』『スピード』『執念』を伝えることを目的に、さまざまな研修を実施しています。
毎日の振り返りでも、『今日はソフトバンクバリューを発揮できたか?』と問いかけをすることで、定着を図っています」

一方、スキル面では、ビジネスマナーやビジネスツールの使い方など、社会人として最低限必要とされるスキルを身に付けられる構成になっています。

ソフトバンクの歴史や通信技術の基礎など、基礎知識について学ぶ機会も設定。たとえばソフトバンクの歴史に関する研修では、多様な会社を買収、合併して成長してきた企業なので、さまざまなバックグラウンドの社員がいることを把握してもらっています。

片岡 「共通研修では、社会人としてスムーズにスタートを切ってもらうことを第一に目指しています。
2019年の研修では、『ウルトラギガモンスター+』が提供されるまでに、さまざまな部署の社員が関わっていることや、サービス提供開始までにどのようなステップを踏み、どのような工夫がなされたのかなど、実際に働くイメージを持てるよう、担当部署の社員に話をしてもらいました」

また、共通研修の最後には集大成として、10年後のソフトバンクの事業を考えるグループワークを実施し、プレゼンテーション大会で発表してもらっています。これはまさにソフトバンクバリューを発揮してもらう場で、「チームとして新しい価値を発揮していくんだ」と意識付けするのが大きな目的になっています。

一方、技術研修は、一般的な技術知識やスキルをインプットするパートと、ソフトバンクがどのようなテクノロジーを使っているかを知ってもらうパートに分けており、こちらも期間は2週間半です。

妻沼 「エンジニアの配属分野は多岐にわたりますが、まずはスタートラインとして土台をそろえることを大事にしています。プロジェクトではさまざまな人と一緒に仕事を進めることになるので、同期の人脈を増やせるのも研修のメリットですね」

知識やスキルをインプットするパートは、ネットワークやセキュリティ、システム開発の工程といったベーシックな内容が基本。
ソフトバンクのエンジニアの業務は、AIやIoTといった先端技術を扱う仕事から、ネットワークや社内のシステム構築業務まで非常に幅広いため、土台をしっかりと築いてもらうことを目指しています。

技術研修では、2016年度よりレベル別研修の導入を開始しました。
これもまた、受講者のモチベーションを上げるのに効果を発揮しています。

妻沼 「個別のスキルの差をカバーするため、ネットワークやセキュリティなど、カリキュラムごとに初級、中級、上級クラスを設定しました。クラス分けは自己申告とテストの結果を踏まえて決定します。

初級クラスではインプットを多めにし、上級クラスでは演習中心というように、本人のレベルに合わせて学べる環境を用意し、同期同士で教え合いながら成長してもらっています」

たとえば2019年のシステム開発(Java)の研修では、初級クラスはアルゴリズムや基礎的な構文の学習、中級クラスは問題演習・解説を繰り返し、手を動かすことをメインにした学習、上級クラスは「サイトのマイページを改修する」というテーマで講師が顧客役となり、顧客ヒアリングから要件定義・設計・コーディング・納品・提案という一連のプロセスを実践的に学習、というように、レベル別に研修を設けています。

妻沼 「最後の 2日間はエンジニアの先輩社員の協力のもと、ソフトバンクで使われるテクノロジーについて話をしてもらいました。ネットワークや IoT、ロボット、AIなどでどのような技術を使い、どのような業務をしているのか。テクノロジーはひとつの分野で完結するものではありませんし、人と人とのつながりも重要になってくる。

業務の幅を広げるためにも、いろいろな仕事があることを知ってもらいたいと考えています」

人脈を広げながら、仕事への期待感も高めて

▲共通研修の最終日に行われるプランニングプレゼンテーション大会

新入社員には研修を通して、“仕事への期待感”を高めてもらいたいとふたりは語ります。そしてその狙いは、受講者の反応にも確実に現れています。

片岡 「新入社員は非常に真剣に研修に取り組んでくれていると感じています。
最終日に行われるプレゼンテーション大会では、優勝したチームの中に感動で泣いてしまう新入社員も出るほどです。
議論の中で主張がぶつかり合い、摩擦が生じることもあるのですが、それらを乗り越えて成長する喜びや楽しさを実感してくれているのではないでしょうか」

妻沼 「技術研修では、同期のネットワークを積極的につくってくれています。

たとえば 2018年度入社の新入社員は、『プログラミング部』という社内サークルをつくって活動しています。
ジャンルの違うエンジニア同士で交流すると、最新技術の情報交換を通して自分の仕事に生かすこともできるので、いい効果を生んでいるのではないでしょうか」

また、受講者が期待感を持って研修に取り組む姿を見て、担当者として使命感に駆られることも少なくありません。

片岡 「私はもともと採用を担当しており、内定者の成長を見られることがやりがいのひとつなんです。
もちろん悩むこともあります。ソフトバンクのカラーは、風通しが良くて、個性を前面に出していくというものですので、一括りに“研修だから”と言って、同じような指導をしても良いものかと悩む部分もあります。

ただ、多種多様な人々がスムーズにコミュニケーションを取るために、自由な中でも一度しっかりと枠を与える必要があると気づきました」

妻沼 「私が目指しているのは、受講者に『エンジニアってワクワクする、楽しそうだ』と強く思ってもらうことです。
ソフトバンクは長年、通信事業を主力事業としていましたが、現在 AIやロボット、IoTなど新しい領域への転換期を迎えています。先端技術について先輩社員から聞くことで、受講者の期待感も確実に高まっています。

研修後のアンケート結果も良く、前向きに仕事に取り組むきっかけをつくれているのではないでしょうか」

入社後にもスキルを伸ばせる、豊富な研修制度

研修に大きな価値を置くソフトバンクでは、新入社員研修以外にもさまざまな研修を実施しています。
年間約1万人が参加する全社員向け研修機関「ソフトバンクユニバーシティ」をはじめ、入社後にもスキルや知識を伸ばせる環境を用意しています。


片岡 「 AIや統計などの著名な技術者をお呼びする講演会や eラーニングなど、仕事をする上で役立つ情報が手に入る研修を多数実施しています。学ぶ機会は他社に比べかなり豊富だと自負しています。
人材開発部としても、ニーズが高い研修をそろえていますので、手を挙げればなんでもチャレンジできる環境だと思います」

最近では、各部門から「このような課題があるから研修をしてくれないか」というオーダーを受ける機会も増えてきています。


妻沼 「昨年度は100件以上のオーダーがありましたね。新しい人材が増え続けている昨今、研修を通して部署内でのコミュニケーションの取り方や考え方を効率的に統一化できるため、ニーズが高まっているのでしょう。
プレゼン資料のつくり方など、個々の社員が独自のルールでやってきたものにエッセンスを加えることでスキルアップにつながるような研修は、とくに人気ですね」


半日や1日という短時間の研修によって、部門内での共通認識を持てるというのは、働き方改革や生産性の向上という面でも貴重な機会と言えます。
状況の変化に応じて快適に働けるよう、多くの社員が入社後にも研修を活用して意欲高く学び続けています。
 

本当に“ソフトバンクらしい”研修を目指したい

▲新入社員研修担当者の片岡 渉(写真左)と妻沼 孝征(写真右)

チャレンジを歓迎する風土があるソフトバンクには、社員であれば誰でも挑戦できる新規事業提案制度の「ソフトバンクイノベンチャー」という制度があります。

妻沼 「ソフトバンクイノベンチャーへの応募を促すためにも、新規事業を立ち上げた方やスタートアップ起業家などをお呼びして、事業運営の重要なエッセンスなどを語ってもらう機会も設けています。

新規事業の考え方を学び、モチベーションをアップさせる良い機会になっていますね」

自発的な成長をサポートするため、多岐にわたる研修や制度を用意していますが、「知識を貯めこむだけで終わって欲しくない」ともふたりは語ります。

片岡 「研修などを提供する側としては、社員には積極的に研修に参加して欲しいですが、単に学んで終わりではなく、得た知識をそもそもどのように生かしたいのか、どのように生かせそうかという目的意識を持ちながら学んで欲しいですね。

そしてできれば少しでもいいので何かしらの行動変容につなげて欲しいと思っています」

妻沼 「知識やスキルの幅こそが、業務の幅につながります。たとえば、英語を話せる人にしかグローバルな案件は集まって来ない。これはテクノロジーに関しても同様で、プログラミングができる人のところにおもしろい案件が集まるんです。

そういった意味でも、学びたい時に学べるソフトバンクの研修制度を、ぜひ活用して欲しいですね」

ソフトバンクの研修は、コアとなる部分は大切にしながらも、時代のニーズや環境に合わせて今後も進化し続けます

片岡 「ソフトバンクはここ 10年間で大きく変化しています。
その中で、“ソフトバンクらしい ”研修とは何か?ということを改めて考える必要があると感じています。
会社としてどのような人材を育てていきたいのか、本当にソフトバンクらしいものとはなんなのか。すぐに答えが出ることではありませんが、常に考えながら、共通研修としてベストな形をつくっていきたいと思います」

妻沼 「今のエンジニア研修はベーシックな内容がメインなので、今後は IoTや AIといった分野で実際に手を動かしながら、アウトプットを残せる形もつくっていきたいと考えています。しかし、ソフトバンクの事業の根幹はやはり通信であり、通信で収益を上げられるからこそ、新しい領域にもチャレンジできている側面がある。

だからこそ、ベーシックなこともしっかりと網羅しつつ、より時代に即した研修にアップデートしていければと思っています」

若手社員のまっすぐな気持ちに真正面から向き合いながら、人の成長に立ち会えるのは大きなやりがいだと語るふたり。
そして、若手社員に限らず学びの機会にあふれるソフトバンクでは、社員たちが日々、知識とスキルを磨きながら業務に取り組んでいるのです。

※2019年6月19日時点の情報です
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