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高専で学んだ全てと、技術に対する好奇心が、大きな武器に

熊本高等専門学校の情報通信エレクトロニクス工学科を卒業した田中 陸生は、2018年4月にソフトバンクに新卒入社しました。

高等専門学校(以下:高専)で学んだことを生かしながら、2021年現在、名古屋支社でソリューションエンジニアとして活躍中です。新人時代から大きなプロジェクトで重要な役割を任され、今では担当する技術領域を広げて成長しています。

中学生時代の動画編集がきっかけで、高専に進学

田中は熊本県出身で、中学生時代からものづくりに興味を持ち、高等専門学校へと進学しました。どのような経験をし、高専では何を学んだのでしょうか。

田中「中学生になったときくらいから、自宅でPCを触るようになりました。この機械はどうやって動いているんだろうと、好奇心を持ちながら遊んでいましたね。当時、熱中していたのが、動画の編集です。ありものの動画をつなぎ合わるような簡単な作業を行い、友人のモバイル端末に送信して見てもらっていました。すごい!面白い!といった反応が楽しくて、のめり込んだのを覚えています」

進路を考えるときに訪れたのが、熊本高専のオープンキャンパスでした。自身の興味があったITの領域でものづくりの道に進んでみたいと、情報通信エレクトロニクス工学科へと進学したのです。

田中「5年間の高専時代に注力したのが、プログラミングと無線系の技術の習得です。プログラミングでは、学校のカリキュラム内でC言語やJava、HTML、CSS、PHPなどを他の教科と比較しても力を入れて学んでいました。

無線系は電波に関する技術を主に学び、陸上無線技術士という資格を取得しました。 かなり大変だったのですが、卒業したときに“頑張った証拠”がほしくて何とかやり切りました。卒業研究では、部活でやっていた弓道のフォームを分析する画像認識のプログラムを組みました。興味を持ったいろいろな分野を学べて、とても楽しかったです」

本科を卒業後、「幅広い仕事が経験できる」とソフトバンクへ

5年間の本科を卒業後、田中は就職を選択しました。専攻科への進学も考えていたのですが、社会に出ることを選びました。そして、学校推薦経由で入社したのがソフトバンクです。

田中「早く社会に出たかったことと、環境を変えて成長したかったことが就職を選んだ理由です。学校推薦の企業の中で、真っ先に目に留まったのがソフトバンクでした。誰もが名前を知っている大手企業であることも魅力的でしたが、IT系のエンジニアを複数職種で募集していたのが決め手になりました。

私は一つのことを突き詰めるよりは、幅広く多くのものづくりを経験したいタイプ。この会社しかない!と確信しましたね。携帯電話のビジネスだけではなく、AI関連の事業、ヤフーのようなインターネットサービスも展開している。会社としての広がりに大きな魅力を感じました」

田中の第一希望の職種は、「ソリューションエンジニア」でした。

田中「ソリューションエンジニアは、法人のお客さまの事業課題に対して、ITを用いた解決策を提案する仕事です。幅広い技術を学べることと、外に出ていろいろな人と話せることが魅力だと感じて、この職種で希望を出しました。私はあまり社交的な性格ではないのですが、若いうちに苦手な分野の仕事を経験して、弱点を克服したかったのです」

名古屋支社へと配属。たった一人の新人だから、大切に育ててもらえた

田中の最初の配属は、東京本社ではなく名古屋支社でした。同期入社でソリューションエンジニアとしてはたった一人の名古屋配属。縁もゆかりもない土地で社会人生活がスタートしたのです。

田中「ショックは無かったです。もともと勤務地にこだわりはありませんでした。3年目の今も名古屋に住んでいるのですが、非常に住みやすいですね。あらゆるものが揃っていて便利ですし、自然も近くにたくさんありますし。

同期がいないのは、確かに寂しいときもありますが、仕事はとてもやりやすいです。周りが全員先輩ですので、分からないことがあれば何でもすぐに聞ける。たった一人の新人ということで、大切に育ててもらえたと思っています。この環境にいたからこそ、大きく成長できたのは間違いないですね」

入社後半年で、大きなプロジェクトを任せてもらえた。ここで一気に成長できた

支社全体の人数も多くはないので、新人にも大きなプロジェクトが任せられる。先輩のフォローを受けながら入社半年後に担当したのが、ある大手企業への「スマートフォン3,000台導入プロジェクト」でした。

田中「このプロジェクトでは、配布したスマートフォンの管理ツールの構築や、端末の初期設定を担当。例えば、個人情報の流出を防ぐためにWi-Fiへの接続制限を設定したり、そのための手順を設計したりもしました。私がこの分野の担当であり、責任者を任せられましたので、お客さまに対して説明を行い、問い合わせにも対応しなくてはなりません。

もちろん、3,000台のスマホを見たことも無いですし、システムに関してもほぼ素人です。いちから先輩にフォローしてもらいながら、食らいついていきました。分からないことはすぐに先輩に質問して、デモ用の端末でかなりの頻度でテストも行いましたね。そこで得た知見をもとに、お客さまとやりとりを重ねていると、次第に信頼を得られるようになりました」

しかし、スマホの配布を始める2日前に、顧客の設定ミスによって端末がフリーズしてしまう事態が発生してしまいました。焦りながらも全力で事態の収拾にあたった経験があります。

田中「あのときは驚きましたね。お客さまもどうしていいか分からなくなっていて、私あてに連絡をいただきました。先輩といくつかの対応策を考えて、お客さまとの緊急会議で協議して即座に対応することで、何とか事なきを得ました。 そして、ちょうど半年の期間を経て、プロジェクトは無事に終了しました。

今思うと、この半年で一気に成長できたと思います。やはり先輩が仕事を任せてくれたのが大きいですね。プロジェクトの一部分ではありますが、重要なミッションの責任者として経験させてもらえた。自分の頭で考えて、最適な施策を自分の責任のもとで実行できた。そして、お客さまにも信頼してもらえた。この一連の経験は、大きな自信につながりましたね」

2年目からは、田中はネットワーク関連のプロジェクトを主に担当。そして3年目の今は、インフラ系企業の拠点間をつなぐネットワーク構築を推進しています。一般的なインターネットによる通信だけではなく、その企業独自の通信網を活用したり、最新のセキュリティ技術を導入したりと、より難易度の高いプロジェクトに携わっています。

高専で学んだことの全てが、仕事のベースになっている

入社3年目が終わろうとしていますが、高専で培った知識は、仕事の中でどのように役に立っているのでしょうか。

田中「高専で学んだことは、あらゆるシーンで生きています。当時のプログラミングや通信の実習で得られた知識は、今の仕事のベースになっていますね。例えば、ネットワーク機器の設定は、複数のコマンドを用いて行うのですが、プログラミングと考え方が非常に似ています。無線の技術は、スマートフォンなどの通信機器を扱う際に役に立っていますね」

ソフトバンクでは、高専卒と大学卒のエンジニアが同じ組織で働いていますが、そこに垣根は全く無い、と田中は言います。

田中「高専卒と大学卒で、アサインされる仕事の内容や役割が変わることは一切ありません。自分自身、大卒の社員との違いを意識したことも無いですね。現に、大卒や大学院卒の後輩もいますが、私と業務内容の違いはありません。また、後輩に対しても、“年上“や“大学卒“といったことは考えることなく接しています。相手も私に対して“高専卒の先輩”という意識は全く持っていないと思います」

ソフトバンクは、さまざまな技術への探究心が満たされる会社。高専卒には合っている

入社3年目が終わろうとしている田中。今後は自身のスキルを他領域に広げていきたい、と言います。

田中「ネットワークを中心としたITインフラだけでなく、その上で動くシステムや、利用されるデータの活用まで考えることが必要だと思っています。ソフトバンクのソリューションエンジニアが担う役割は拡大していて、グループ内のあらゆる技術を活用できるポジションでもある。チャンスは豊富にあると思います」

ソフトバンクでのエンジニアのキャリアは、ひとつの職種・領域にとどまらず、幅広い選択ができます。数多くの事業を展開しているので、エンジニア一人ひとりの志向に合わせた業務へのチャレンジが可能なのです。

田中「このような理由で、このような技術領域の仕事がやりたい、とはっきりと発信すれば、同じ部署内でも希望を聞いてくれます。私自身も、この3年間で何度もやりたい仕事を経験させてもらえましたし、別の部署への異動についても、フリーエージェント制度を活用すれば可能です。ソフトバンクは、さまざまな技術への探究心が満たされる会社ですので、高専卒の人には合っていると思いますね」

最後に、田中は高専生へのメッセージを語ってくれました。

田中「高専で5年間勉強すれば、社会に出ても困らない技術は身につくとは思います。ただし、就職活動では、そのベースのスキルに加えて、個人として培ってきた経験や思いをアピールするのが大切です。授業の中で、楽しい!面白い!と感じたことについて、掘り下げて調べてみたり、自分で何かをつくってみた経験が、実際の仕事でも生きています。ぜひ、技術に対する好奇心を全開にして、社会への門を叩いてみてください!」

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