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通信ネットワーク自律化へ。AI駆動開発の挑戦

プロフィール

ビジネスシステム開発本部 設備システム統括部
統括部長 須藤 剛

私はSIerでネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートし、ネットワークの設計・構築・運用の基礎を身につけました。その後、ソフトバンクテクノロジーに入社し、ネットワークのプリセールスSEとしてお客さまへの提案活動や、プロジェクトマネージャーとして大規模案件の推進を経験しました。 その後、ソフトバンクに籍を移し、通信事業を支えるバックボーンネットワークの中長期戦略の立案・推進を担当し、社会インフラを支えるネットワークの進化に取り組んできました。 当時、ネットワークのオペレーションを自動化する潮流が世界的に巻き起こる中で、それをリードするためにIT部門に移り、現在はネットワークの設計・工事・開通までの一連の業務プロセスを自動化するシステムの開発組織を率いています。 通信インフラとITの両方の知見を融合させながら、通信事業の業務変革と新たな価値創出に挑戦し続けています。

大規模ネットワークを支える設備情報の一元管理とプロセスの自動化

通信事業者のネットワークは非常に大規模です。ソフトバンクのバックボーンネットワークは全国数千拠点に数十万台ものネットワーク設備を展開し、モバイル、ブロードバンド、法人向けネットワークなど、多様な通信サービスを支えています。この規模のネットワークでは、設備情報を正確に管理できなければ、ネットワークの設計・工事・開通を円滑に進めることはできません。

※1 工事:設備の初期設定・設置・接続など、ネットワークを構築する工程
※2 開通:展開済み設備に対し、サービスやお客様毎の要件に応じた設定情報を作成・投入し、サービスを利用可能な状態にする工程

以前は一部の設備情報を共有ファイルなどで管理していましたが、ネットワークの拡大に伴い、その運用では限界を迎えていました。そこで私たちは、設備情報をシステムで一元管理し、その情報をもとに設計・工事・開通に必要なデータや設定情報を自動生成できる仕組みを構築しました。これにより、ネットワークの設計から工事、開通までの一連のプロセスを自動化し、高品質かつスピーディーなサービス提供を実現しています。

この取り組みは10年以上にわたって進化を続けてきました。多種多様なネットワーク構成やサービスに対応しながら、設計から開通までを一貫して自動化する仕組みは、世界的に見ても先進的な取り組みであると考えています。

特に工事業務は、提供するサービスやネットワーク構成によって手順やルールが大きく異なります。こうした複雑な業務を人手だけで進めると、サービス提供までのリードタイムが長期化するだけでなく、ヒューマンエラーによる品質低下につながるリスクがあります。私たちは、工事業務のシステム化と自動化を進めることで、こうした課題を解決し、設計したネットワークをより迅速かつ確実にお客さまへ届けられる基盤を構築しています。


ルールベースの自動化から、AI活用による高度化へ

これまで私たちが進めてきた自動化は、ルールベースが中心です。多種多様なネットワーク構成や工事パターンに対し、「この条件ならこう動く」というロジックを定義し、それをシステムへ実装することで、設計・工事・開通の自動化を実現してきました。

こうした仕組みを実現できた背景には、膨大な設備情報をいち早くオンライン化し、一元管理できる基盤を構築してきたことがあります。設備情報がデータとして整備されていなければ、自動化の前提となるルールを定義することはできません。通信インフラを支えるデータ基盤を早期に整備し、自動化へとつなげてきたことは、私たちの大きな強みです。

一方で、ルールベースによる自動化には限界も見え始めています。ネットワーク構成や工事パターンは年々複雑化し、あらゆるケースをルールとして実装し続けるには、多大な工数と時間が必要になります。その結果、新しい技術やサービスへの対応スピードが、システム開発のスピードに制約されてしまうという課題が生まれています。

通信サービスは、人々の生活や企業活動を支える社会インフラです。だからこそ、高品質で、安全に、そしてできるだけ早くサービスを提供することが求められます。その実現のために自動化を進めてきましたが、従来のルールベースの課題を乗り越える新たな一手が必要な状況です。

そこで私たちが次のステージとして取り組んでいるのが、AIを適材適所で活用することです。これまでは、設備情報をデータ化し、そのデータを活用して設計・工事・開通を自動化する「データドリブン」の世界を築いてきました。これからは、その上にAIを組み合わせることで、ルールベースでは複雑性が高くなる領域をAIに担わせていきます。

一方で、品質や安全性が最優先となる工程では、ルールベースによる確実な制御を維持し、AIとルールベースを最適に組み合わせることで、より高品質で柔軟なネットワークオペレーションを実現していきます。

これまで築き上げてきたデータ基盤があるからこそ、AIを安全かつ効果的に活用できる。その最前線で、通信ネットワークの未来を創っていくことが、私たちの次の挑戦です。

システム刷新プロジェクトで挑む、AI駆動開発のモデルケースづくり

今回募集しているポジションは、双方向番号ポータビリティを支える業務システムの刷新プロジェクトにおいて、AIを活用した新しい開発スタイルを推進する役割です。

双方向番号ポータビリティは、固定電話番号を変更することなく通信事業者を切り替えられる制度で、2025年1月から各通信事業者で運用が開始されました。制度自体は総務省のガイドラインに基づいて整備されていますが、それを支える業務システムには、今後さらなる高度化と効率化が求められています。

このプロジェクトでは、単にシステムを刷新するだけではなく、AIを活用して開発プロセスそのものを進化させることを大きなテーマとしています。設計・実装・テストといった各開発工程にAIを取り入れ、生産性と品質を両立する新しい開発スタイルの確立に挑戦しています。

双方向番号ポータビリティのシステム刷新は、統括部の中でもAIを活用した開発を先導するプロジェクトです。ここで培った知見や開発手法は、将来的にソフトバンク全体のシステム開発へ展開していくことも視野に入れています。

AI時代のシステム開発のモデルケースを、自らの手で創り上げる――。そんな挑戦に、ともに取り組んでいただける方をお待ちしています。
 

通信事業を支える責任と、最先端に挑む面白さ

この仕事のやりがいは、通信事業を支えるネットワークの根幹を担っていることです。私たちが管理する設備情報は、ネットワークの設計・工事・開通、そして運用・保守まで、あらゆる業務の基盤となっています。

この仕組みがあるからこそ、ネットワークチームは設計や構築を進めることができ、運用保守チームは安定した監視・保守を実現できます。さらに、コンシューマー向け・法人向けを問わず、各事業部門がお客さまへ通信サービスを提供することも可能になります。

私たちが担当するシステムは、社内の約600の課で利用されており、通信事業全体を支える重要な基盤です。責任の大きな仕事ではありますが、その分、自分たちの仕事が通信事業を支えていることを日々実感できます。

大規模な事業に直接貢献できる手応えと、自らの仕事が多くの人々の生活を支えているという実感を得られることは、この仕事ならではの魅力です。

もう一つの魅力は、システムを「作って終わり」ではなく、継続的に進化させていけることです。

AIをはじめとする最先端のテクノロジーを積極的に取り入れながら、「もっと高度化できないか」「もっと品質を高められないか」を考え、新しい仕組みを自ら生み出していくことができます。

社会インフラを支える責任ある仕事と、最先端技術への挑戦。その両方を経験できることが、この仕事の大きな魅力です。
 

多様なバックグラウンドを持つメンバー

私たちの部署には、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。私のようなネットワークエンジニア出身者はもちろん、金融、製造、流通など、さまざまな業界で基幹システムの開発に携わってきたITエンジニアも数多く活躍しています。

私たちが担当するのは、通信事業を支える重要な基幹システムです。社内の多くの部門が利用するシステムだからこそ、大規模システムの設計・開発・運用で培われた知見やノウハウが大きな力になります。通信業界での経験だけでなく、他業界で培った視点や発想が、新たな課題解決につながる場面も少なくありません。

システムにはどのような課題があるのか。どうすればもっと使いやすく、より効率的で、高品質な仕組みにできるのか。メンバーそれぞれの経験や専門性を持ち寄り、活発に議論しながら最適な解決策を導き出しています。

異なるバックグラウンドを持つ仲間と刺激し合いながら、新しい価値を生み出していけること。それも、この部門ならではの大きな魅力です。
 

Autonomous Networkレベル5への挑戦

通信事業というと、堅い業界というイメージを持たれるかもしれません。しかし実際には、最先端のテクノロジーを活用しながら、新しい挑戦を自ら生み出せる環境があります。

ソフトバンクには、「やってみたい」と手を挙げた人に挑戦の機会を与えるカルチャーが根付いており、自らのアイデアを形にし、新たな価値を創り出せることが大きな魅力です。

私が次に挑戦したいと考えているのは、AIを活用したネットワークの自律化です。通信業界では、ネットワーク運用の自律化を目指す「Autonomous Network」の実現に向けた取り組みが進んでいます。

自動運転と同じようにレベルが定義されており、最終段階となるレベル5では、AIが状況を自律的に判断し、ネットワークを最適に制御する世界を目指しています。

私たちは10年以上前からネットワークの自動化に取り組んできました。当時は「本当に実現できるのか」と手探りの状態でしたが、今では自動化は通信事業を支える当たり前の仕組みになっています。同じように、10年後にはAutonomous Networkのレベル5も、通信ネットワークのスタンダードになっているかもしれません。

だからこそ、私たちはその未来を待つのではなく、自ら創り出したいと考えています。AIを活用したネットワークの自律化をリードし、世界に先駆けて新しい通信インフラの姿を実現する。その挑戦を、ともに楽しみ、ともに切り拓いていける仲間と出会えることを楽しみにしています。
 
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