【2025年熱中症対策義務化】製造現場は命と生産を守るためにどう動くべきか
2025年7月2日掲載
年々、夏の暑さが過酷になっています。作業中にふらっとめまいがしてしまったことはありませんか? そこで今回は、2025年に施行された熱中症対策義務化について、そのポイントや製造業における対策とアクションについて解説します。
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熱中症が「経営課題」になる理由
消防庁によると、2024年(令和6年)熱中症による救急搬送人員の累計は約10万人近くにおよび平成20年の調査開始以降、最も多い搬送人員になりました※1。また、職場環境では1,257人が熱中症となり、そのうち31人が命を落とすという深刻な死傷災害を引き起こしています※2。
このような背景を受けて、2025年6月より改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症対策が法的に義務化されました。対象となるのは、暑熱作業※3を行うすべての企業です。
企業には
・早期発見などの「体制整備」
・重症化を防ぐ「手順策定」
・全従業員など「関係者への周知徹底」
といった対応が求められます。
参考 厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
これに違反した場合、最大6カ月の懲役または50万円の罰金や企業名が公表される可能性があるほか、取引停止など信用や経営を大きく損なうリスクも懸念されます。
「今すぐ対応を見直すべき理由」は、法改正だけではない
対応が急務である理由は、法改正にとどまりません。むしろ、事業継続性や人材確保の面でも非常に重要です。
例えば、高温環境下では集中力が著しく低下し、些細な判断ミスが事故や設備損傷につながる恐れがあります。仮に生産ラインが一時停止すれば、生産計画に狂いが生じるだけでなく、取引先との信頼関係にも影響を及ぼしかねません。
人材確保の観点では、調査によると、就活生や転職希望者のうち実に93%以上が「健康配慮のある企業で働きたい」と回答※4しています。安全への投資は、今や“コスト”ではなく“採用ブランディング”としての価値を持つ ようになっているのです。
HELPOが変える、製造業の熱中症対策
こうした課題に対して、ソフトバンクが提供するデジタルヘルスケアサービス「HELPO」は、まさに現場に寄り添った活用が可能なソリューションです。例えば、作業者が出勤時に睡眠時間や体温、血圧などを「マイカルテ」で管理することで、体調管理に役立てることができます。
また、体調の異変を感じたときには、24時間365日対応の医療チャットで医師や看護師に即座に相談ができます。「ちょっと様子を見るか…」と無理をしてしまう前に気軽に相談しやすい環境が整います。
▶関連事例(HELPOによるチャットでの健康相談)
藤枝市による実証実験
※本記事は熱中症ではなくチャットによる健康相談の事例です。
熱中症事故ゼロへ向けた3つのアクション
ここからは、熱中症の事故低減に向けて、製造業が明日から始められる「3つのアクション」をご紹介します。
①リスクの可視化
過去の労災情報やWBGTデータをもとに、現場ごとのリスクを「見える化」しましょう。これにより、どこに危険が潜んでいるかを全員で共有できます。
②HELPOを軸とした体制構築
例えば、朝礼でマイカルテ入力を習慣化したり、体調異常があればHELPOで体調相談し、結果を班長(上長)へ報告した後、産業医へ相談するフローを整備してみてはいかがでしょうか。日々の体調の変化に気づき、その情報を連携できる環境を整えます。
③データを用いてPDCA
健康相談件数やどの診療科を利用したかなどの実績を統計データとして管理することで、空調設備への投資効果や人員配置に関する対策の裏付けとして示すことが可能になります。
「安全」は未来への投資
HELPOの活用は、単なる体調管理ツールではなく、従業員のエンゲージメントを高め、事故や品質不良を未然に防ぎ、企業の信頼性と採用力を強化する仕組みです。熱中症対策の義務化に対応するのはもちろんのこと、将来を見据えた「安全文化の再設計」を進めてみてはいかがでしょうか。
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