ファイルストレージとは? 活用方法とオンラインストレージとの違いを解説
2024年3月18日掲載
最近はDX推進の号令のもと、企業で取り扱うデータの量も爆発的に増えてきました。そこで、大量のデータをきちんと整理して保存できるファイルストレージが注目されています。また、テレワークのような新しい働き方が普及したことにより、どこからでも社内のデータにアクセスできる環境が求められています。そのためには、インターネット経由で利用できるオンラインストレージが必要です。本記事では、ファイルストレージの概要とオンラインストレージとの違いを紹介します。
ストレージの種類
まず「ストレージ」は、データを格納する構造や保存できる容量によって3種類に分類されます。
- ファイルストレージ
階層構造のフォルダの中に、「ファイル」としてデータを格納します。ただし、大容量のデータや非構造化データの保存・管理には向いていません。
- オブジェクトストレージ
全てのデータを「オブジェクト」として、同じスペースにフラットに保存します。データサイズ、ストレージのサイズ、データ数などの制限がなく、大容量のデータ保存も可能です。階層構造がないため高速アクセスが可能で、主にオンラインストレージに使われています。
- ブロックストレージ
ストレージを均一の「ブロック」という単位に切り分け、ブロックの中にデータを保存します。階層構造がないため高速アクセスが可能ですが、大容量のデータ保存には向いていません。
ファイルストレージとは
ファイルストレージとは、データを保存する倉庫のような場所の一つです。階層構造になっており、データはファイル単位でフォルダに保存されます。Windows OSのエクスプローラーやmacOSのFinderと同じ方式なので、使い方は比較的イメージしやすいでしょう。
アクセス方法による違い
ファイルストレージには、オンプレミス型とクラウド型があります。
- オンプレミス型
社内に設置したサーバにデータを置き、社内ネットワーク経由でアクセスします。ストレージの仕様やセキュリティを自社の目的にあわせて柔軟に調整することが可能ですが、初期費用や維持費は比較的高価になります。また、メンテナンスやバックアップ、災害対策なども社内で行わなければなりません。
- クラウド型
クラウドサービスを利用して、ベンダが提供するサーバにデータを保存します。インターネット経由でアクセスするので、時間や場所を問わずに利用可能です。階層構造でデータを保存するところが、後述するオンラインストレージとは異なります。
追加費用を負担することで容量の拡張も可能ですが、セキュリティやメンテナンスはある程度クラウドサービスに任せなければなりません。
ファイルストレージの仕組みと活用例
ファイルストレージでは、ファイルは階層構造になったフォルダの中に格納されます。任意の名前をつけたフォルダにファイルを整理して保存し、「.docx」や「.xlsx」などのさまざまな形式のファイルをまとめることが可能です。
ファイルストレージの活用例
企業がファイルストレージをどのように活用しているのかご紹介します。
- 社内の通信機器やIT設備の設置・管理
マスターデータや設定をファイルストレージに保存すれば、ほかの部署や離れた拠点からもデバイスの導入・管理が可能になります。キッティング作業も効率化可能です。
- セキュリティの強化
必要なファイルを整理してPCではなくストレージに保存することや、フォルダやファイルごとにアクセス権限を適切に適用することで、セキュリティを強化できます。
- 社内・取引先との情報共有
ファイルストレージにデータを保存してアクセス権限を設定することで、メール添付という方法を使わずに、安全にデータを共有できます。
- バックアップ、アーカイブ
ファイルストレージにデータのバックアップやアーカイブを作成しておきます。災害時やトラブル発生時にも、データを速やかに復元して原状復帰が容易になります。
ファイルストレージのメリットとデメリット
ファイルストレージのメリット
- 階層構造なので、データがどこにあるか見つけやすい
- OSと同じ構成なので、多くのユーザにとって馴染みやすく使いやすい
- フォルダごと、ファイルごとにアクセス権限を設定できる
- 安全にデータ共有を行える
ファイルストレージのデメリット
- ディレクトリ単位で最大容量が決まっており、大規模なデータの保存に向いていない
- ファイルが増えると階層構造が複雑化してアクセスしにくくなり、パフォーマンスが落ちる
- 階層化できない非構造化データの保存・管理には向いていない
- 社内ネットワークにトラブルが発生したり、オフラインになったりするとアクセスできない
- カスタマイズしにくい
オンラインストレージとは
オンラインストレージとは、クラウドサービスとして提供されているストレージにデータを保存するものです。ユーザはインターネット経由でデータにアクセスします。多くの場合、ファイル構造としてはオブジェクトストレージになっています。
オンラインストレージのメリット
オンラインストレージには、次のようなメリットがあります。
- 大規模なデータを保存してもパフォーマンスが落ちない
- 複数のユーザ間、さらに拠点間でもデータを共有可能
- 容量の拡張・縮小も簡単な手続きだけで可能
- 設定により自動バックアップも可能
- 時間や場所を問わずに利用でき、テレワークでの作業も可能
- オンプレミス環境のファイルストレージよりも初期費用や維持管理費用が安い場合が多い
- メンテナンスの多くはクラウドサービスに任せることが可能
- クラウドサービスのセキュリティ対策により、高い安全性を確保可能
オンラインストレージとは? 法人利用で欠かせない機能まとめ
オンラインストレージの活用例
企業がビジネスにおいてオンラインストレージをどのように活用しているのか紹介します。
- テレワークの推進
オンプレミスサーバからオンラインストレージに利用を切り替えれば、出勤しなくてもファイルにアクセスして業務を行えるようになります。
- 営業先での資料提供
オンラインストレージなら、外出先からの操作も可能です。営業先でも必要な資料を自由に取り出せることで、顧客満足度の向上にもつなげられます。
- 会議のペーパーレス化
オンラインストレージであらかじめ会議の資料を共有しておくことで、紙の資料を印刷・配布する手間を削減できます。また、資料はその後の業務でも利用可能です。
- BCPの推進
オンラインストレージなら、企業の所在地とは異なる場所にデータを保存しておくことが可能です。これは災害対策、BCP(事業継続計画)の推進にもなります。
ファイルストレージとオンラインストレージとの違い
一般的なオンプレミス型のファイルストレージとオンラインストレージはどのように違うのでしょうか。違いを具体的に見ていきます。
- ストレージの仕組み
オンプレミス型のファイルストレージは階層構造でデータを保存することが一般的です。一方、オンラインのオブジェクトストレージは、見た目は階層構造のようになっているものも多いですが、実態は同じスペースにフラットに保管されているため、大容量データの保存にも適しています。
- アクセス方法
オンプレミス型のファイルストレージは社内ネットワークからアクセスすることを想定しているため、社内にいればインターネット環境は不要です。また、オンラインストレージはインターネット経由でアクセスするため、時間や場所を問わずアクセスできます。なお、ファイルストレージの中にはクラウド型のものも存在しますが、どちらかというと例外的です。
- 拡張性
オンプレミス型のファイルストレージの場合、容量を増やしたり仕様を変更するためには社内にあるサーバを入れ替えたり、再度設定を行ったりなどの時間と手間がかかります。
一方で、オンラインストレージの場合はシステムベンダーに依頼をすることで比較的容易に拡張が可能です。ただし、あまり階層を深くしたり、大規模なデータを保存したりするとパフォーマンスが落ちてしまいます。
- 対応デバイス
オンプレミス型のファイルストレージでは、いつでもだれでもアクセスできることを想定していないため、導入時に対応デバイスを検討して構築します。オンラインストレージはクラウドサービスで提供されることが多いため、導入時からマルチデバイス、マルチOS対応になっています。
企業がビジネスに安心して使えるのはオンラインストレージ
ファイルストレージは、企業全体のデータの保管庫として便利に使うことができます。階層構造も見慣れており、直感的に使うことができるでしょう。
しかし、最近は多くの企業でストレージにもさまざまな使い方が求められています。例えばテレワークへの対応や顧客との情報共有などです。そのためには、使い勝手が良く拡張性が高いオンラインストレージの方が便利だと言えます。
オンラインストレージにはほかにも、自動バックアップが可能、運用の負荷が少ない、コストを抑えられるといったメリットがあります。これから導入するのであれば、オンラインストレージがお勧めです。中でも「PrimeDrive」は法人向けの機能と使いやすさを兼ね備えており、シンプルな操作で管理しやすい、高セキュリティ、マルチデバイス対応のオンラインストレージです。
まずは部分的に導入して、使い勝手を試してみるのはいかがでしょうか。
関連サービス
法人向けオンラインストレージ PrimeDrive
高セキュリティかつシンプルな操作でご利用いただけるファイル転送・オンラインストレージサービスです。