AI活用で資料作成の負担を大幅削減! ソフトバンクの研修資料作成事例


2025年9月30日掲載

AI活用で資料作成の負担を大幅削減! ソフトバンクの研修資料作成事例

企業における会議や研修、営業活動の現場では、膨大な資料作成が避けられない業務となっています。多くの担当者が「本来注力すべき企画や戦略立案よりも、資料作りに時間を取られている」と感じているのではないでしょうか。

社内でのAI活用を推進しているソフトバンクで資料作成に課題を抱えていた研修部門では、来春リリースを予定している「satto workspace」を試験導入することで、膨大な資料作成の負担を軽減しました。

本記事では、量販店を中心とする営業担当者の人材育成や研修を担当する部門で、AIを活用してどのように業務を変えているのかをご紹介します。

目次
ソフトバンク株式会社 コンシューマ営業統括パートナー営業本部研修2課 村片 貴宏

ソフトバンク株式会社
コンシューマ営業統括 パートナー営業本部 推進統括部 推進部 研修2課

村片 貴宏

資料作成に追われる日々──4名で全国の研修を担う現場

ソフトバンクのパートナー営業本部 研修2課では部門研修を担当しており、年間を通して主に新任スーパーバイザー・エリアマネージャー研修、クルー育成・店舗分析・商談などのスキルアップ研修、新卒・中途社員研修、インターン向け研修など、多岐にわたるプログラムを行っています。月に5回以上の研修を実施することもあり、全国規模での人材育成を担う重要な部門です。

「研修部門は量販の研修講師と企画を担当しています。現場の課題を把握し、それに合わせた研修を設計し、営業部に課題を共有してアクションにつなげる。それを資料化して実施するのが私たちの役割です」

しかし、その裏側では大きな課題がありました。

「改善アクションの企画資料を含め、作成する資料が多くありました。新しいテーマでゼロから作ると1週間近くかかることもあります。過去資料を流用しても、現場課題に合わせて構成を見直すだけで相当な時間を要しました」

中でも1日(終日)の研修資料では350ページに達するケースもあり、4名のチームが資料作成に追われていたそうです。

また、現場課題を整理するブレストにも多大な工数がかかっていました。

「アイデアは多く出るものの、それをどうまとめて資料にするかが大変でした。何時間もかけて整理しなければならず、研修設計よりも資料作成に追われていました」


AI活用についてインタビューに応じるソフトバンクの村片

AIの可能性に気づいた瞬間──議事録とブレスト整理から始まった挑戦

転機となったのは、Zoomの文字起こし機能でした。

「議事録が正確に作れることに、まず感動しました。そこで“研修資料の骨子もAIでできるのでは”と考え始めたんです」

さらに、ソフトバンクで全社展開されたChatGPT(以下、GPT)を使ってブレスト内容を入力したところ、論点ごとにきれいに整理されたアウトプットが返ってきたと言います。

「参加者から出たバラバラの意見も、論点ごとに整理されて返ってきました。“これなら資料の枠組みもAIに十分任せられる”と感じました」

こうした体験を経て、資料業務に特化した生成AI「satto workspace」の試験導入が社内実証の一環として始まりました。

satto workspace 導入は驚くほどスムーズに──小さな一歩がチーム全体に広がる

導入準備は想像以上にスムーズだったと言います。

「特別な準備は必要なく、用意された環境を使い、過去資料を参考データとして投入するだけで利用できました」

当初は村片が先行して利用を開始。AIで作成した成果物をチームに共有したところ懐疑的だったメンバーの反応が一変しました。

「最初は全員が使っていたわけではありません。“本当に使えるのか?”と先入観を持っていたメンバーもいましたが、私の成果物を見せると“意外といける”と評価が変わりました。そこから“次は自分も使ってみよう”と自然にAI活用が広がっていきました」

数日かかる作業が数十分に──時間短縮と質の両立を実現

「satto workspace」の導入後、最も大きな変化は時間短縮でした。

「今までは2〜3時間かかっていたブレスト整理が、30分ほどで論点ごとに整理されます。“これは企画にそのままつなげられる”と実感しました。また、数日かかっていた新規資料作成が数十分で済むようになりました。作業に追われる時間が減り、“考える時間”が戻ってきた感覚があります」

さらに、新卒2年目の振り返り研修では、satto workspaceで作成した資料をそのまま使用しました。

「進行資料として十分で、むしろ整っていて驚きました。10分程度で完成したのに、実際の研修で問題なく使えました」


satto workspace で自動生成した際の研修資料の一例。 satto workspace で自動生成した際の研修資料の一例。

10分で作成した進行資料の一部。 10分で作成した進行資料の一部。

そして、AIの役割についてもこう語ります。

「AIが骨格を作ってくれるので、私たちは“どのスライドを残すか”“どういう順番で伝えるか”といった研修本来の構成に集中できるようになりました」

また、AIを活用することで冗長な部分が整理され、資料の内容が最適化されるなど、効率化だけでなく資料の品質向上も実感されているそうです。

実際にsatto workspace の資料を使って研修で登壇されたときの様子。
実際にsatto workspace の資料を使って研修で登壇されたときの様子。

ブレスト整理とビジュアライズがもたらす効果

資料作成では、GPTとsatto workspaceをうまく使い分けていると続けます。

「ブレストの時間そのものは変わりませんが、人間だけで意見を集約しようとすると、最終的に1つの意見にまとまってしまうことが多いんです。そこにGPTを使うと、多様な意見が明確に整理されるのが素晴らしいと感じました。さらに、いろいろなアイデアが出た中で“これにしよう”と決まったときに、ベースとなる資料がsatto workspaceですぐに形になる。本来ならブレスト内容を資料化するのは難しいのですが、いまでは“試しに作ってみよう”が簡単にできるようになりました」

また、ビジュアライズの重要性についてもこう語ります。

「AIによってビジュアライズが短時間でいくつも作れるのも大きな効果です。イメージが形になることで議論が進みやすくなり、ビジュアライズされたものを見ることで、“これならいいね”と前向きな反応に変わっていくのも、効果なのかなと思います」

今後の展望──研修後のフォローアップまでAIを活用へ

村片は、今後、研修後のフォローアップや営業現場での活用にまでAIの活用を広げたいと語ります。

「研修はどうしてもその場限りで終わってしまうことが多いのですが、カスタムGPTを活用することで研修内容をインプットし、その後の振り返りや営業担当者の課題解決につなげられると感じています。例えば、”どんな問題点があるのか”“どのような企画をしているのか”をGPTに入力していくと、問題解決に向けて考えが整理されていく仕組みになります。今後は、こうした仕組みを各研修に取り入れ、研修後のフォローアップまで含めてAIを活用していきたいと考えています」

まとめ

ソフトバンクの研修部門でのAI活用は、資料作成の時間短縮に加え、ブレストのアイデア整理や資料のビジュアライズによる理解促進など、多くの場面でAIが人の思考を支える役割を担っています。

重要なのは、AIが人の仕事を奪うのではなく、本来注力すべき企画や指導に時間を取り戻すパートナーとなっている点です。資料作成やブレスト整理といった日常業務の小さな効率化が積み重なることで、研修全体の質を押し上げる結果につながっています。

ソフトバンクは、AIを「効率化のための道具」にとどめず、業務を進化させる実践の場として活用し続けることで、これからも新しい価値を生み出していきます。

AIによる記事まとめ

ソフトバンクの研修部門がAIを活用して資料作成業務を効率化した事例を紹介しています。全国規模で多岐にわたる研修を担う同部門では、資料作成に多くの時間を費やしていましたが、生成AI「satto workspace」の試験導入により、ブレストの整理や資料構成を短時間で自動化。これにより、企画や研修設計に集中できる環境を実現しました。

※上記まとめは生成AIで作成したものです。誤りや不正確さが含まれる可能性があります。

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ビジネスブログ「Future Stride」編集チーム
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