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新たな事業を生み出し、ソフトバンクの未来を描く

通信事業という領域にとどまることなく、多種多様な事業に挑戦を続けるソフトバンク。
新規事業に挑む醍醐味や必要なマインドセットについて、
事業開発統括 技術投資戦略本部 本部長の高田徹 が語ります。

<プロフィール>
2007年4月、ヤフー株式会社に入社 。2013年より広告事業の製品開発、事業開発の責任者として従事する。2019年、Zコーポレーション株式会社の代表取締役社長に就任。2020年5月、マップボックス・ジャパン合同会社CSO、同11月よりCEOに就任。
20 20年4月からはソフトバンク株式会社の技術投資戦略本部 本部長も務める。

ソフトバンクの新たな成長の方向性を模索する

ソフトバンクの事業開発統括は、通信以外の新規事業を創出することをミッションにしています。

ご存知のとおり、もともとソフトバンクは通信事業をメインとしていましたが、ヤフーやLINEなどをグループ会社に抱え、現在では通信以外にも幅広い事業を展開しています。このように、「ソフトバンクの新しい成長の方向性を探す」ことが事業開発統括の役割なのです。

その中でも私が本部長を務めている技術投資戦略本部では、技術を主軸に、業界を横断した投資先の選定やグループ内での連携を通じた事業開発を行っています。

キーワードとしてはAIやIoT、ブロックチェーンなどが分かりやすい例になりますが、特に領域を絞っているわけではありません。例えばAIといっても業界や業種によって活用方法は広範で、毎年のようにイノベーションが起こる変化の激しい世界だからです。

一方、ソフトバンクグループ株式会社は 、2017年から「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」による投資活動を開始し、テクノロジーを活用してAI革命を推進する成長企業に投資を行っています。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先は既に400社超にのぼっています。これらの投資先との事業提携やシナジー創出に取り組むのも、私たち技術投資戦略本部の使命です。

膨大なアセットを活用できる、チャンスと厳しさ

イノベーティブな技術は、実は既に世の中に数多く存在しています。

ですが、学問的な意味でどれだけ優れた技術であっても、それを事業としてインプリメントできるか、つまり「使いこなせるかどうか」  はまったく別の問題です。「使いこなす」 ためには、技術の目利きはもちろん、既存の事業や他の技術など各アセットとの連携も必要になるでしょう。

その点において、グループとしてのソフトバンクの大きな強みは、今世の中に存在しうるアセットを一通り保有していることです。

多くの会社の場合、苦労して外部からリソースを集める必要がありますが、私たちは既に持っているアセットを活用して事業としての展望を描けるかどうかに集中して向き合うことができます。これは新規事業の創出において大きなアドバンテージになります。

一方で、アセットが豊富であるがゆえの難しさもあります。

ソフトバンクグループは起業家集団でもあり、孫以外にも数多くの優れたリーダーたちがそれぞれ独立した事業を行っています。お互いのこともよく知っているため、新規事業の「絵」をしっかりと描ければ前に進んでいきますが、その「絵」の精度やスケールについては、当然ながら非常に高いレベルを求められます。

このように厳しさはありますが、逆に言えば、若い人であってもグループの経営者たちと一緒に仕事をできるチャンスがあるということです。貴重な成長機会になることは間違いありません。
 

新しい事業に挑み続けてきたという歴史

ソフトバンク   は、さまざまな企業との合併を重ねながら、新たな事業に挑み続けてきました。挑戦を続け、常に前向きに変化してきたという風土は私たちの強みです。

ただし、新規事業を生むための新しい投資先を探すのは、そう簡単なことではありません。 

私たちは、本当に事業として成り立つのか、その技術を「使いこなせる」 のか、シミュレーションを何度も繰り返します。投資が成立するのは、リサーチしたうちのわずか数パーセントといったところでしょうか。

デューデリジェンスに時間をかけるのは一般的な投資ファンドと同様ですが、私たちは投資リターンだけではなく、新規事業の創出や事業シナジーを目的としており、その過程で、関わる人たち 全員が忖度なく真剣に意見をぶつけ合うのは、ソフトバンクらしい光景だと思います。

自分なりのアジェンダを持ち、新規事業に取り組んでほしい

個人的な話ですが、私は昔からのやり方をそのまま受け入れることに抵抗を感じる性格でした。

「昔からこういうビジネスモデルだから」といっても、そこに障壁があるのであれば、取り除きたい、世の中の無駄や非効率を直したいと、常日頃から思っていました。

技術投資戦略本部 本部長と兼任して私がCEOを務めているマップボックス・ジャパンのデジタル地図プラットフォーム「Mapbox(マップボックス)」に関しても、同じ思いが根底にあります。インターネットにおける地図は検索と並ぶほど歴史が長く、多くの人が利用するサービスですが、そのビジネスモデルには多くの問題点がありました。

その問題を解決し、地図ビジネスにポジティブな循環を生み出したいというのが、マップボックス・ジャパンという会社を作った理由です。

ですが、こうした姿勢は私だけのものではありません。

ソフトバンクの事業の中のほんの一例ですが、タクシー配車サービスの「DiDi(ディディ)」にしても、キャッシュレス決済の「PayPay(ペイペイ)」にしても、その根底に共通しているのは世の中の無駄や非効率を解決したいという思いです。

とはいえ、私は同じマインドセットをすべての人に求めているわけではありません。

社会課題を解決したい人、地図やモビリティなどの特定分野に関心がある人、何らかの新しい事業を生み出したいという野心を持った人――。事業開発統括にはいろいろなタイプの人がいますが、私としては、「その人がやりたいことをやるべきだ」と考えています。

なぜなら、事業開発という仕事では、「自分の解決したい課題に取り組む」という、ある種のエゴイスティックな態度が重要だからです。表現を変えれば、自分なりのアジェンダを持つということ。それが、新しい事業を生み出す強いモチベーションになります。

もちろん、思いつきではなく、しっかりと調べた上で表現することは必要ですが、自分の意思や、やりたいことは積極的に発信してほしいと、メンバーにも伝えています。

ソフトバンクで、好奇心のスイッチを入れる

私が一緒に働きたいのは好奇心を持っている人です。

今まで申し上げてきたように、事業開発は特定のテーマだけに取り組むわけではなく、さまざまな新しい事業や技術に関心を持ちながら仕事を進めていくことが大切だからです。

何より、ソフトバンク自体が好奇心旺盛な会社です。もともとは通信事業がメインでありながら、今では通信を超えて幅広い事業を手がけているのですから。

好奇心を持って働くのは、とても楽しいことです。私自身、今までにいろいろな仕事を経験してきました。事業開発のような「攻め」の仕事だけでなく、監査のような「守り」の仕事もやってきましたが、今振り返るとすべての仕事が楽しかったと感じます。

当然ながら、新規事業はすべてが成功するわけではありません。失敗の方が多いのが当たり前で、失敗の後処理のような仕事も多くありますが、それも次につながる良い経験になります。

失敗続きでも、最終的に結果を出す人は、笑いながら仕事を楽しんでいる印象がありますね。ぜひソフトバンクで好奇心のスイッチを入れて、挑戦を楽しんでほしいと思います。
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