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ソフトバンク先端技術研究所 Activators Talk【新入社員編】 フレッシャーたちが挑む、未来を創造する技術開発


新しい技術を社会実装するための研究・開発を行う組織として、2022年4月に新たに誕生した先端技術研究所。次世代ネットワークの「6G」や成層圏通信プラットフォーム「HAPS(ハップス)」、「自動運転」など、先端技術におけるさまざまな分野の研究・開発に取り組んでいます。そんな先端技術研究所では、社会を駆動させる活性因子として、研究・開発を行っている研究員を“Activators”と呼んでいます。今回は2023年に新卒入社し、より豊かな未来を創造するために切磋琢磨するフレッシュなActivators 3人による座談会を実施。大学での学びから新入社員の教育体制、1日のタイムスケジュールまで、フレッシャー目線で話してもらいました。

プロフィール

  • 新谷 光祐シンタニ コウスケ

    2023年入社 エンジニア/生成系AIの研究
    金沢大学大学院 自然科学研究科
    電子情報通信学専攻 修士課程修了。
    エンジニアとして入社後、先端技術研究所に配属。
    学生時代の知識と経験を活かして、
    生成系AIの研究を行っている。

  • 今井 健太郎イマイ ケンタロウ

    2023年入社 プロモーション担当
    東京電機大学 工学部 情報通信工学科卒業。
    エンジニアとして入社後、
    先端技術研究所へ配属。
    先端事業企画部でプロモーション業務を担当。

  • 池田 友典イケダ トモノリ

    2023年入社 エンジニア/6Gに関する研究
    福井大学大学院 工学部
    電気電子情報工学科修士課程修了。
    大学時代にはソフトバンク先端技術研究所と
    共同研究を行っていた。
    入社後は先端技術研究所に配属され、
    6Gに関する研究を行っている。

大学での学びを活かすため、幅広い事業を行うソフトバンクへ

―まずは、それぞれの仕事内容を具体的に教えてください。

新谷
エンジニアとして、生成系AIの技術調査を行っています。ChatGPTの登場により流行し始めた言語生成AIモデルの性能比較やモデルの活用方法を調査して、プロジェクトで活用するための技術的なノウハウの蓄積を行っています。
池田
私も同様にエンジニアですが、無線通信の研究をしています。5Gに次ぐ6G、次世代移動通信において利用が検討されているアンテナの研究が主になります。アンテナを仮想的に構成して、実環境での有効性を評価するための手法を検討しながら、そのための測定系を構築し測定実験を行っています。
今井
私は先端技術研究所のプロモーション担当として、ホームページの運用やメディアへの露出状況の確認を日々行っています。また、イベントの企画・運営を通して研究所の取り組みを外部へ発信しています。最近だと、10月に行われた法人向けイベント「SoftBank World 2023」で先端技術研究所のブース出展に準備から携わりました。

―大学ではどんなことを学んでいたのでしょうか?

新谷
情報システムを専攻し、強化学習という機械学習の手法について学んでいました。例えば、ゲームや迷路にはさまざまな攻略パターンがありますが、それをAI自身が試行錯誤して最適な方法を学ぶといった手法です。昔から数学が得意だったので、自分の強みを活かしたいと思って専攻したのですが、実際に学んでみたら想像以上に楽しかったですね。
池田
大学では情報工学を専攻したのですが、それは将来就職に役立ちそうだと思ったから(笑)。それから大学4年生のときに無線通信の研究室に配属されました。その研究室ではソフトバンクと共同研究を行っていたので、大学院を含めて3年間共同研究を行っていました。
今井
工学部の情報通信工学科でネットワークなどの通信系やコンピューターを中心とする情報系に関する分野でハードウェアからソフトウェアまで幅広く学びました。

―ソフトバンクを志望した理由を教えてください。学生時代の学びがどう活きると考えたのでしょうか?

新谷
学生時代のAI研究を活かしたいという思いがありつつも、就活時に進みたい分野を絞ることができませんでした。そんな中、関連会社の多いソフトバンクなら入社してからの選択肢が多いかなと思って志望しました。
池田
私はやっぱり共同研究の経験が大きいですね。実は研究室に配属される前は、自分自身が打ち込めるものが見つけられなかったんです。それが、共同研究を始めてから研究自体にのめり込むことができて、この道に進みたいと思うようになりました。



―実際にソフトバンクの社員との交流もあったのでしょうか?

池田
年に2〜3回、オンラインで打ち合わせしたり、周波数の測定のために大学に来てもらうことがありました。夜、お酒を飲みながら仕事の話を聞かせてもらって興味が湧き、自分も働いてみたいと思うようになりました。今井さんはどう?
今井
就活中、会社員か公務員になるかの二択で迷っていたのですが、決め手になったのは、ソフトバンクの採用説明会に参加したこと。それまでは通信の会社というイメージが強かったのですが、説明していた社員が「これからは通信以外の分野にも力を入れていく」と話していて、将来性が高いと感じたのが一番の理由ですね。

最新設備が整った環境で研究・開発に奮闘中

―入社前、先端技術研究所についてどんな印象を持っていましたか?

新谷
2022年4月に誕生した組織ということもあって、よく知らなかったというのが正直なところです。基礎的な研究をやっているところなのかなとは思っていましたね。
池田
私もそんな感じです。共同研究をしていたとはいえ、無線通信を研究している部署があるくらいしか把握していなかったです。また、学生という立場だったので、今行っている研究がどういった事業やサービスに使われるかといった未来をイメージする機会も少なかったですね。
今井
実は配属されるまで知らなかったです(笑)。私も2人と同じエンジニア採用だったのですが、入社後に先端事業企画部に配属され、プロモーションの担当になったという経緯があります。大学時代に学んだ知識を活かしながら、先輩や上司に1から業務を教えてもらいました。


―今、入社して7カ月ほど経ちましたが、職場環境や雰囲気はいかがですか?

池田
私のチームのメンバーは出社する頻度が高く、ほぼ毎日顔を合わせているのでコミュニケーションが取りやすいですね。しっかりと面倒を見てくれるのでありがたいです。
新谷
働き方の自由度が高いと実感しています。業務状況次第で出社とリモートの割合を自由に決められますし、始業時刻と終業時刻を変更できるスーパーフレックスタイム制度は便利ですね。
今井
スーパーフレックスタイム制度は、必ず勤務しなければならない「コアタイム」がないところが働きやすさの理由だよね。私は、働き方を重視して会社を選んだという側面もあります。例えば、この制度を使って早く退社し、役所や銀行の用事を済ませたり。その分、ほかの日に仕事をすることができるのですごく働きやすいです。
―みなさんが取り組んでいるプロジェクトと、ご自身の役割を改めて教えてください。

新谷
私は言語生成AIを使ってネットワーク構築の自動化を研究中です。ユーザーそれぞれに合わせたネットワーク構想、例えば複数人でプレイするFPSゲームが近年流行っていますが、通信速度が重要なFPSゲームなどをプレイするユーザーの通信速度を優先し、あまり通信速度を必要としないユーザーを遅らせるといった優先順位をAIが判断して最適化する、といったAIシステムの実現に向けて研究を進めています。私は各社の言語生成AIモデルの特徴や使用感などをレポートにして報告しています。
池田
次世代移動通信の6Gは、5Gよりも周波数が高い電波を使用します。ただ、電波というのは高周波数になるほど減衰しやすい性質があるため、遠くに飛ばない、壁などの障害物に妨げられ届かないといったことが起こります。そうした特性がある中、高周波数帯の電波を使ってどんなサービスを提供できるかを研究しています。


今井
設備面において、先端技術研究所は大学とは大きく違う?
池田
そうだね。大学の研究室では主にパソコンでシミュレーションを行っていましたが、先端技術研究所に入ったら高価な測定器がたくさん揃っているからワクワクしました。ただ、実際に測定器を使うとなると、思った以上にセットアップが大変で驚きました。何十キロもする重い測定器を台車に乗せ、電波を遮断する「シールドルーム」に運び込み、いくつものケーブルを繋ぐのに2時間近くもかかる。測定だけで丸一日かかることもあります。
今井
なるほど、そんな苦労があったとは。私はプロモーション担当なので、先端技術研究所の社会的な認知度を上げていくことが一番の目標です。それによって最終的には、ソフトバンクの技術力のイメージ向上に貢献していきたいですね。そのために各部署と密に連携しながら、先端的な取り組みを広く発信していきます。私自身はエンジニアとして情報通信の知識が豊富なわけではないのですが、大学で学んだ経験から、仕事で使われるIT用語をある程度把握しながら仕事を進められるのは大きいですね。
池田
コミュニケーションで何か心がけていることはある?
今井
メールでのコミュニケーションが多いから、文章を簡潔になるべく少ないやりとりで済むように心がけてはいるかな。当然ながら、今までビジネスメールの経験がなかったので、最初は戸惑いましたが、先輩方に教えてもらいながら業務を進めています。

勤務時間を自由に選べるスーパーフレックスタイム制度をフル活用

―スーパーフレックスタイム制度によって、出社と在宅ワークのバランスは三者三様なのでしょうか?

今井
私は通勤に時間がかかるということもあって、出社は週2ペース。在宅ワークの日は集中して作業して、出社日は先輩や同期と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。残業は繁忙期以外は今のところ少なめですね。研究者のスケジュールが気になるけど、2人はどんな1日を過ごしているの?
新谷
田舎出身なので朝の通勤ラッシュが苦手で。それを避けるため、午前中は在宅でリモートワーク、午後は出社が基本かな。残業はあったりなかったりですね。池田さんはどう?
新谷さんのある1日のスケジュール。在宅ワークと出社のベストミックスな働き方を実現している

池田
私は出社派ですね。ソフトバンクは在宅ワークを自由に選択できるのですが、私自身、自宅だと集中力が続かないタイプなので(苦笑)。出社して先輩や同期に刺激を受けながら働く方が向いているのだと思います。実験の準備やシミュレーションなど予定通り行かないときは、1〜2時間ほど残業することもありますね。
出社派だという、池田さんのある1日のスケジュール

―働き方においてマイルールはありますか?

新谷
定例会議で自分が関わっていないプロジェクトの話もきちんと聞いてわからない単語はメモし、あとでエルダー(新入社員のサポートをする先輩社員)に聞くことですね。そのほうが自分の成長につながると思うので。 
今井
私は上司に言われて、スピード感を意識して働くようになりました。例えば資料を作成する場合、まずは6割くらいの完成度の時点でレビューの時間を設定して、上司のアドバイスをもらうようにしています。それからアドバイスを反映した方がより早くいいものができるので。それまではできるだけ修正点がないように時間をかけがちだったのですが、意識を変えてから仕事がはかどるようになりました。
池田
私も入社してからスピード感は意識するようになったかな。「大学生と比較して、社会人の時間は圧倒的に少ない」と先輩に言われたのも大きいですね。研究においても、丁寧かつ厳密に行うことを基本に、やるべきことを取捨選択しながら優先順位をつけ、時間を効率的に使うようにしています。まだそのさじ加減が難しいですが。

Activatorsとして、世の中をあっと驚かせたい

―働くことの喜びややりがいを感じる瞬間を教えてください。

新谷
AIという世間でもホットな話題の最先端を研究しているので、ニュースで取り上げられていると誇らしくなりますね。ほかの部署の方や友人にAIについて聞かれることも多く嬉しいですね。
池田
やっぱり実際に測定器を使って実験できることが喜びですね。大学生の頃は学会で企業の方の測定方法や結果を聞くことが多かったので。今、実際にさまざまなシミュレーションを行い、実測定するからこそわかることが多々あるんだと実感しています。
今井
私はホームページを運営する中で閲覧数が増えるなど、成果が数字に現れることにやりがいを感じます。また、ソフトバンクのメディアの露出状況を毎日把握する中で、先端技術研究所の取り組みが紹介されていると嬉しくなります。研究自体には関わってなくても、研究所の一員として誇りに思います。この先も、世間があっと驚くような取り組みを紹介していきたいですね



―現在、課題として感じていることはありますか?


池田
今、所属している課では基礎研究に近いことをしているので、ビジネスの知識は少ない方だと感じています。現状問題はありませんが、一般企業で働く社会人としては、ビジネスの知識も必要になってくると思うので、意識して取り入れなくてはと思っています。
今井
情報発信の仕方やイベントの見せ方は今後ますます勉強が必要だなと感じています。これからは、イベントを通して研究内容に興味を持ってくださる企業や、共同研究をしてくださる大学など、パートナー探しにも貢献していきたいですね。
新谷
大学でAIを研究していたとはいえ、まだまだ技術的な知識が足りないと実感しています。また、ベンダーさんと会議をする際のコミュニケーション能力や資料作りの質をもっと上げていきたいですね。



―新入社員が成長するために、どのような環境が用意されているのでしょうか?

池田
新入社員一人ひとりに、業務・成長サポートを担当するエルダーがついてくれるのはとてもありがたいですね。比較的年齢が近いので、相談などもしやすい。測定で困っていることはもちろん、研究で使う機材を発注するための社内での手続きなど事務的な相談もよくしています。
新谷
上司やエルダーは常に私が何をしたいか、今何に興味があるかを聞いてくれます。例えば私の場合、部署を兼務しているため、業務時間内で何割を他部署の業務に割くか、私の希望を聞いてくれるので、無理なく働くことができています。
今井
エルダーとは定期的にミーティングをする機会があるので、雑談しながらわからないことを聞けて、とても安心感があります。また、希望すればたくさんの社内研修を受けられるのもありがたいですね。オンライン学習プラットフォームで、マーケティングやプレゼンに関する動画を通勤時間に見ています。

世の中を良くするために、変化に対して常に前向きに

―今後の展望について教えてください。Activatorsとして、挑戦したいことや目標はありますか?

池田
先端技術研究所で働いてみて思ったのは、本当に多種多様な最新技術で溢れているということ。私の専門とはかけ離れた別分野については知らないことだらけです。今後は、自分のメインの無線通信以外の分野にも目を向けて、知識を習得しながらスキルアップできたらいいなと思っています。
今井
先端技術研究所内の各分野の研究内容、今後の発展についての理解度を深めていく必要があると思っています。そうすることで発信内容の深度も高まると思うので、意識して努めていきたいですね。
新谷
私はベンダーさんと関わる業務が多いので、対人スキルを磨いて自分から積極的に動いてチームを引っ張っていけるようになりたいですね。エルダーに言われた「若いうちに失敗しといた方がいいよ」という言葉を胸に、未経験のことにも挑戦していきたいです。

―今回、「理想のActivators」という書き込み式のパネルを用意してみました。みなさんは社会を駆動させる活性因子として、世の中が前進するような研究・開発を日々行っていますが、この先どのようなActivatorsになりたいですか? Activatorsとしての理想の姿をぜひ一言で書いてください。

池田
おっと、大喜利みたいで面白いですね(笑)。私は迷いに迷って「技術への好奇心の塊」という言葉を書きました。「新しい技術を使ってみたい」「これ使って何ができるだろう」といったワクワク感に満ち溢れている姿が理想なのかなと思います。
新谷
私が書いたのは、「あらゆる技術の最先端へ」です。先端技術研究所に配属されてまだまだ数カ月しか経っていませんが、幅広い分野における先端技術で世界を目指す姿勢が大事だと感じています。
今井
私はプロモーション担当なので、「社会と技術のつなぎ手」という言葉が即座に浮かびました。先端技術研究所の開発した技術を国内外に発信し、広まるように尽力していけたらと思っています。



―今後のキャリアプランについて教えてください。

池田
今研究している無線通信についてある程度突き詰めることができたら、別の分野の知識を身につけたいとは考えています。先端技術研究所でいうと、年々重要性が高まっているAIやソフトバンクの基盤でもあるネットワークといった分野が気になっています。分野が違うと専門知識を1から学ぶことになりますが、これまで研究者として培ったノウハウを武器に、好奇心を持って取り組みたいですね。
今井
公務員を目指していただけあって安定志向なので(笑)、今の部署で同じ仕事を続けることにやりがいを感じられると思っています。逆に環境が大きく変わることは得意ではないので、今の仕事を続けて知識を蓄積し、この分野のプロフェッショナルを目指したいと思います。
新谷
今後進む道はエンジニアとして技術を磨いていくか、チームを引っ張るマネジメント的な立場かのどちらかになると思います。まずは、マネジメントを目標に自分がどこまでできるか挑戦してみたいですね。ただ、その道に進むとしても最新のAI技術に関する知識は必須になるので、常に吸収する努力は怠らないようにしたいと思います。

―最後に、入社を考えている後輩たちへアドバイスをお願いします。

今井
ソフトバンクは通信だけでなく非通信の分野にも力を入れているので、今明確にやりたいことがない人でも、会社に入ってから見つけることも可能だと思います。実際に、さまざまな分野を経験しキャリアを積んでいる先輩もたくさんいます。また、ワークライフバランスを大事にしたい、仕事だけでなく趣味や結婚・子育てなども充実させたいといった方は、スーパーフレックスタイム制度や福利厚生が整っているソフトバンクはうってつけかなと思います。
新谷
エンジニアとしては自分がやりたいこと、将来どうなりたいかを言語化できることが大事だと思います。伝える力があれば、自由にやらせてもらえる環境は整っているので。自分自身も最初は漠然とAIの研究がしたいと考えていましたが、多くの人と話をするうちに生成系AIの研究の道が開けました。
池田
世の中に新しい技術が生まれたときに、ポジティブに興味持てるような人が向いているのかなと感じます。新しい技術によって革新的なサービスを生み出し、社会を変えていこうという勢いが社内全体に漂っているので、時代や会社の変化を楽しめることが大事な要素だと思います。

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