ユビキタスネットワークとは
ユビキタスネットワークとは、地上のモバイルネットワークと、衛星や成層圏通信プラットフォーム(HAPS:High Altitude Platform Station)を活用した非地上系ネットワーク(NTN:Non-terrestrial Network)を統合することで、あらゆる場所で通信を提供することができるネットワークです。
これまでNTNは、モバイルネットワークではカバーできないエリアを補完する通信手段として利用されていました。しかし、地上から遠く離れた衛星からの電波を受信するためには大型の通信端末が必要で、通信費用も高額であったため、非常に特殊なユースケースでしか活用されてきませんでした。
ソフトバンクは、通信事業者としてのノウハウを生かし、それぞれ独自で運用されていたモバイルネットワークとNTNを一つに統合し、誰もが容易に、どんな場所でもつながり続けることができるユビキタスネットワークの構築を目指します。
ユビキタスネットワークにおいては、通信を利用する人・モノがモバイルネットワークの圏外エリアに入った際、シームレスにNTNによる通信に切り替わるため、ユーザーはどちらのネットワークにつながっているかを意識することなく、通信サービスを利用し続けることができます。
実現に向けたアプローチ方法
ユビキタスネットワークを実現するための要素として、「モバイルダイレクト通信」と
「マルチオービット+モバイルネットワーク」の二つがあります。
モバイルダイレクト通信
これまでスマートフォンのような小型端末では、地上から数百km以上離れた衛星と安定的に通信することは難しく、大型の衛星通信専用アンテナが必要とされてきました。近年、技術の発展により、専用の端末を経由することなく、スマートフォンと衛星が直接通信できる「モバイルダイレクト通信」が実現しつつあります。
モバイルダイレクト通信は、速度や安定性の面で適さないケースもありますが、ドローンのような通信端末の小型化が求められる場面での活用が期待されています。
また、モバイルダイレクト通信をより高速かつ低遅延で利用できるよう、成層圏から電波を提供する「HAPS」の開発も進んでいます。衛星の軌道よりも高度が低いことからカバーエリアは衛星よりも狭くなりますが、1機で直径200kmの通信エリアをカバーすることが可能です。
従来の衛星通信大型の衛星通信専用のアンテナが必要

モバイルダイレクト通信通常のスマートフォンで直接通信可能

マルチオービット+モバイルネットワーク
「マルチオービット+モバイルネットワーク」は、「GEO(静止軌道衛星)」「LEO(低軌道衛星)」「HAPS」といった複数の軌道から提供されるNTN(マルチオービット)と、地上のモバイルネットワークを組み合わせて、一つの通信サービスとして提供する仕組みです。
異なる特徴を持つ各通信ネットワークを、ユースケースに応じて適切に組み合わせることで、最適な通信環境をシームレスに提供することが可能です。
速度/遅延 | 特徴 | 数十Mbps/ ~350msec |
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速度/遅延 | 特徴 | 百数十Mbps/ ~70msec |
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速度/遅延 | 特徴 | 数百Mbps/ ~数十msec [注] ※ 搭載ペイロードに依存 |
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速度/遅延 | 特徴 | 最大20Gbps/ ~1msec [注] ※ 5Gスペック |
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パートナー企業との取り組み
モバイルネットワークとNTNを統合するためには、数多くの衛星通信事業者や、各国の移動体通信事業者(通信キャリア)との連携が必要です。また、お客さまのさまざまなユースケースに応じた通信環境を実現できるよう、各ネットワークを組み合わせて提供するためのシステムづくりや、グローバル規模でのオペレーション対応など1社では解決できない課題も多々あります。
ソフトバンクは、同じ未来像を描いているパートナー企業の皆さまと一緒に、ユビキタスネットワークの実現に向けて取り組んでいきます。

関連情報
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ユビキタスネットワークに関する問い合わせを受け付けています。

宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する「NTN(非地上系ネットワーク)」。ソフトバンクは「OneWeb」「Starlink Business」「HAPS」の3つの通信サービスによるNTNソリューションを展開します。