この対談記事は、実際のCM撮影に立ち会ったCMプランナーが「現場の熱量をCM で伝え切れただろうか?」という想いから急遽追加取材し実現した企画です。第一回は、AIスマートコーチの開発や企画に関わった星川智哉と阿部飛雄馬を迎えています。届け、この想い…!!(スタッフT)
サービス企画本部 スポーツ企画2部 部長
AIスマートコーチのローンチ時期から開発に携わる中心的人物。
学生時代は本格的にアメリカンフットボールに打ち込む。
サービス企画本部 スポーツ企画2部
AIスマートコーチを普及させるための企画や体験教室の開催を担当。
学生時代は陸上部に所属し、実は箱根駅伝の出場経験も!
駆け出しCMプランナー。根っからの文化系で、スポーツをせずに幼少期を過ごす。そのせいで、大学生の頃に好きな先輩に誘われ勢いでバスケ部に入るも1年で挫折。1人で朝練するも練習の仕方が何もわからなかった…。AIスマートコーチにものすごく可能性を感じています!!
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CM撮影の際に、部活動の指導者不足の話を聞いて衝撃を受けました。
子どもたちを取り巻くスポーツの環境は想像以上に深刻なんですね…。
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先生が顧問となることが多いですが、部活動の指導者の約半分は競技未経験だと言われています。それに人手不足で学校外で指導者を確保することもままなりません。地域によっては、専門的に教えてくれる人がおらず、競技人数も集まらず、スポーツを体験できる環境が失われているんです。
※担当する運動系部活動の競技経験が無い教師:49.3%
調査協力:エクスクリエ 調査期間:2024/10/11〜10/15
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約半分って、結構多いですよね。
今の時代、部活動ができる環境は当たり前じゃないんだ…。
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そこで開発したのがAIスマートコーチです。
スマホやタブレットで撮影した動画をもとに、AIや骨格解析を使って技術指導を行う、スポーツ練習アプリです。
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骨格解析って、仕組みが画期的ですよね。撮影の時に、子どもたちがプロと自分のフォームのマッチ度を診断して盛り上がっていて、シンプルに楽しそうでした!
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CMではバスケットボール部を撮影させていただきましたが、他にどのようなスポーツが対象になっているのでしょうか?
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野球やサッカー、テニス、剣道など16種目にのぼります。
※2024年10月時点
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16種類!!そんなに!
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学校の部活動の8割をカバーしたい、競技人口が少なく困っているスポーツこそ支えたいと考えていたら、いつの間にかこんなに増えていました(笑)
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なるほど、そんな想いがあったとは…! 人気の種目はありますか?
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最近は小中学校の必修科目に導入された影響で、ダンスでの活用が増えています。振り付けがわかりやすくなり教育現場で喜ばれています。
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ダンス未経験の先生は多そうですもんね。これは確かに喜ばれそう!
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そもそもAIスマートコーチの構想はどのようにして始まったのでしょうか?
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ソフトバンクには、福岡ソフトバンクホークスもありますし、バスケットボールのBリーグ、ダンスのDリーグの支援、さらには観戦技術の開発にも力を入れています。ただスポーツ界全体を考えた時に、スポーツの担い手不足を危惧していて…。スポーツの未来のためにテクノロジーを使って何かできないかという想いから、AIスマートコーチの構想が生まれました。
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スポーツを盛り上げるには、プロだけでなく、スポーツを始める子どもたちの環境を整えることも重要、ということですね。開発当初にはどんな苦労がありましたか?
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今までの世の中にはない、新しいサービスですから、魅力を伝えるのが大変でした。自治体や教育委員会に飛び込み営業をして「とにかく話を聞いてください」とお願いしに行くこともありました。そして一生懸命説明しているうちに、現場でやっと試してもらえる機会ができたんです。
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「スマート」という名前には現れない地道な営業活動…!
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たとえば、長野の中学校で体育のマット運動の授業に使ってもらった時のことです。10枚以上マットが並んでいましたが、先生が教えているマット以外は、みんな遊んでいるだけでした。でもAIスマートコーチを渡すと、子どもたち同士が自発的に楽しく練習し始めたんです。先生が教えなくても学んでいる新鮮な光景でした。実際に使ってもらうことで、テクノロジーには「自主性」や「深い学び」を育む側面もあるんだとわかりました。現場に教えられた瞬間でした。
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そういえば撮影現場でも手慣れた様子で撮影しあっていましたね。こういった「やってみないとわからない魅力」って、いいですよね!
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このサービスは、スマホがあれば取り組めるのも魅力だと感じました。現在はどのような場所や環境で活用されているのでしょうか?
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学校の授業や部活動、体育祭で活用されています。
あとはスポーツクラブやジュニアスクール、イベントなどで使われることもあります。
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校内だけじゃなく、幅広く使われているんですね~。
広めていくうえで、どんなところが大変でしたか?
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学校では、英語や数学などでは、タブレットなどのデジタル教材を使う授業が徐々に増えています。でも、体育とデジタルは残念ながらまだまだかけ離れている印象です。体育にデジタル活用が根付いていないので、普及させていくのは容易ではありません。だからこそ、広めるやりがいもあります。
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私は、国語算数理科社会と同じくらい、体育に価値があると思うんです。正解のないものをみんなで掘り下げていく経験や、自分たちで主体的に取り組んだ経験、楽しかったことも悔しかったことも自分にとっては身になっているので。もっと体育の素晴らしさを広めていきたいです。
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確かに子どもの時の体育って、重要ですよね。
子どものころに「苦手だ」って思うと、ずっと苦手意識が続くというか…。学校の体育って、今後の人生にも大きな影響を与えそうです。
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そうなんです。それに体育は評価基準もゴールも曖昧です。先生方からは、AIスマートコーチを使うことで子どもたちの学びの様子が可視化されわかりやすくなったとの声をいただいています。何より、子どもたちから体育が楽しくなったという声を聞くとやりがい感じます。
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星川さんも阿部さんも、もともとスポーツをされていたと伺いました。
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私は中学時代からずっと陸上部で長距離をやっていまして。実は大学の時に箱根駅伝に出たこともあります。
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あの箱根駅伝に!? そう言われると確かに…!
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駅伝の強豪校ではなかったので実質的な指導者がおらず、自分たちで練習メニューを考えていたんです。陸上は個人競技ではありますが、競技が好きで集まっているチームメイト同士で、どうやればいいか考えて意見交換するのが面白かった。スポーツに対する自主性は、本当に競技が好きになると自然と生まれてくるものなんじゃないかなと思うんです。
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めちゃくちゃ納得、です。
先ほどAIスマートコーチは自主性を育むとおっしゃっていましたが、やってみたいという「自主性」は、「好き」という感情から生まれるものなんですね。星川さんはいかがですか?
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私は学生時代にアメフトをやっていました。
でも実は私、小学校低学年の頃はスポーツが苦手で嫌いだったんです。
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え!!意外です!
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私が子どもの頃は根性論の泥臭い練習が主流で、スポーツが嫌いだったんです。
でもその後にアメフトと出会いスポーツの楽しさを知りました。今は子どもたちのスポーツ離れが叫ばれていますが、自分がそうであったように、子どもたちにスポーツを嫌いになってほしくない。そして、スポーツが楽しいと思える体験をしてほしい。それが、仕事の原点になっている想いです。
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ここまで子どもたちと向き合っているサービスも珍しいと思いましたが、これからはどのように発展させていきたいですか?
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一番はより多くのお子さんに使ってもらって、スポーツを好きになってもらうきっかけをつくりたいです。いつの日か、子どもたちが大きくなって「スポーツを好きになったきっかけがAIスマートコーチだった」と言われてみたいです。
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なるほど~それ良い!俺がそれ言いたかった!(笑)
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いつかここからプロ選手が生まれたり…!?
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現場に行くと、子どもたちがAIスマートコーチを使いながらニコッと笑顔になるんです。一見遊んでいるように見えても学びや発見につながっているのがとっても嬉しい。もっともっと存在を知ってもらって、テクノロジーで笑顔をつくっていく仕事をこれからもやっていきたいです。
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CMでは「テクノロジーは、幸せをつくれるか」と質問を投げかけているのですが、今のお二人の回答がまさにアンサーになると感じました。
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AIスマートコーチのゴールは、言ってしまえば、競技が上手くなることじゃなくて、スポーツをもっと好きになってもらうことなんです。上達は好きになるための一つの手段でしかない。本質的な価値を伝えていきたいです。
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とても素敵なお話…。これからの展開もぜひ追いかけさせてください。
改めてどうもありがとうございました。CMでも魅力を伝えられるよう頑張ります!
AIスマートコーチは、スポーツを楽しむチャンスを、全国の子どもたちにもたらす新しい手段だと実感しました。しかもそれを難しくなく楽しめることがすごい!それもこれも、スポーツの醍醐味を知るお二人ならではの視点と、テクノロジーで子どもたちを笑顔にしたいという根っこの想いがあるからこそ。私が学生の頃にも欲しかった……(笑)
CMだけでは伝わらない「裏側」の第一回目、皆さんにお届けできたでしょうか?