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AI-RANアライアンス:AIと通信のリーディングカンパニーが集結

#AI-RAN

AI技術の進歩により変革を迫られているのは通信業界も例外ではありません。ソフトバンクをはじめ、通信やAIのリーディングカンパニー10社と1つの学術機関によって設立されたAI-RANアライアンス(https://ai-ran.org/)は、人工知能(AI)を無線アクセスネットワーク(RAN)と組み合わせ、世界中に存在する膨大なRANインフラをAI基盤として再定義するイノベーションを起こそうとしています。
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1. 産業横断イニシアティブが必要

AI-RAN(Artificial Intelligence Radio Access Network)は通信業界に革新をもたらす技術です。AI技術を活用したこの新しいアーキテクチャは、無線アクセスネットワーク(RAN)の機能性と品質を飛躍的に向上させるだけでなく、AIアプリケーション用の強力なコンピューティング基盤を多様な産業へ提供することで、新たなビジネスチャンスの創出を促します。これにより、AI時代における経済社会の発展に大きく寄与することが期待されています。

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しかし、単独の業界、単独の企業で、この新しい技術の発展を成し遂げるのには多くの困難が立ちはだかります。
例えば、モバイル通信、クラウドサービス、AIアプリケーションといった、異なる要件を持つサービスを一つのインフラストラクチャに統合し、シナジーを最大化するためには、各分野の専門知識と経験の集約が必要不可欠です。
また、サービス事業者とメーカーがWin-Winとなる持続可能なエコシステムの構築や、既存の標準化組織、関連団体、学術界との協調も欠かせません。
このような複雑な取り組みを実現するためには、知見を共有し合うオープンエコシステムの確立が重要です。

2. AI-for-RAN, AI-and-RAN, AI-on-RAN

AI-RANアライアンスは、3つの領域に焦点を当てイノベーションを探求します:
● AI for RAN Working Group:AIを活用してRAN性能を向上させ、現在の制約を超えて、無線効率の向上、消費電力の削減、運用効率の向上を実現します。
● AI and RAN Working Group:AIアプリケーションとRANワークロードの共存を促進し、効率的なリソース利用と設備投資の最適化を促進し、AIによる収益機会を開拓します。
● AI on RAN Working Group:ネットワークエッジから直接AIサービスを提供することで、エンドユーザー向けの革新的なサービスの開発を促進します。

加盟企業は、各Working Groupへそれぞれの専門性を持ち寄り課題解決に挑みます。ユースケースの探求、リサーチペーパーの発行、実験データの共有、インキュベーションプログラム、3GPPやIETFのような組織との標準化連携などがそのミッションの中心です。

また、Working Group同士で密に連携することで、現実的に社会実装可能なソリューションを探求します。業界の新たな収益機会の探求、投資・運用コストの最適化、持続可能性の探求もアライアンスの検討スコープです。

3. あらゆる産業のAI化を加速させる

ソフトバンクは、過去にもGlobal TD-LTE Initiative(https://www.gtigroup.org/)やHAPSアライアンス(https://hapsalliance.org/)といった先進技術の企業間アライアンスの設立に携わってきました。両団体ともスタート時点でこそ業界において小さな勢力でしたが、今では業界に多大な影響を与えるエコシステムの構築に成功しています。
この経験を基に、ソフトバンクはAI-RANという革新的技術のアライアンスの発足に再びリーダーシップを発揮します。
AI-RANアライアンスは、各業界のトッププレーヤーである加盟企業が産業横断的にその強みを結集させることで、テレコム業界のインフラとビジネスのあり方を再定義します。またそれに留まらず、あらゆる産業のAI化を加速させ、社会全体に対しても大きな価値をつくることを目指しています。この新しいアライアンスに、ソフトバンクはその技術と経験で貢献していきます。

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