- 01.ソフトバンクの6G実現に向けた挑戦
- 02.6Gの仕様検討に向けた動き
- 03.ソフトバンクの6Gに向けた技術開発の取り組み
#6G #光無線/テラヘルツ #テラヘルツ #AI
#センシング #量子コンピューター #PQC
1.ソフトバンクの6G実現に向けた挑戦
ソフトバンク先端技術研究所では、次世代の移動通信システムである6Gの実現に向けて、さまざまな技術の研究開発を進めています。
6Gでは、5Gの特徴であった、「超高速、超低遅延、多数同時接続」のさらなる高度化に加えて、高信頼性やエネルギー効率の向上など新たな技術革新が期待されています。ソフトバンクは6G時代の次世代社会インフラの実現に向けて、通信用途にとどまらない無線技術の活用領域の拡大、AI(人工知能)が機能するようなネットワークアーキテクチャーの進化、あらゆる産業が安心して利用できる高い耐障害性、カーボンフリーな社会の実現など、さまざまな分野における挑戦を進めていきます。
2021年7月には、6Gの実現に向けた私たちの挑戦を、「Beyond 5G/6Gに向けた12の挑戦」として発表しました。


2024.03.22
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6Gが支えるデジタル社会
#6G, #その他
2. 6Gの仕様検討に向けた動き
移動通信システムについては、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)において検討が進められ、IMT(International Mobile Telecommunications)として標準を策定します。
5Gは、IMT2020の枠組みの下で標準化が規定され、eMBB(Enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable Low Latency Communications)、mMTC(Massive Machine Type Communications)といった3つの主要技術要素で構成されています。これらはそれぞれ高速大容量通信、超信頼低遅延通信、多数接続を実現するための技術です。 6Gに向けたIMT2030のビジョンにおいては、これらの技術要素がさらに進化し、新たな技術と融合することで、より高度な通信を実現することが期待されています。

ITU-Rが定めた基本要件をもとに、具体的な技術仕様を策定しているのがモバイル通信技術標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)です。3GPPでは通信技術の仕様をReleaseという単位で決定します。2024年1月より議論されているRelase 19では、5G-Advancedと呼ばれる世代の仕様が決定される見込みです。並行して、6Gの仕様策定に向けた議論も一部検討が行われており、Release 21にて具体的な6Gの仕様策定が開始され、6Gの商用展開は2030年頃になると見込まれています。


2024.03.22
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6Gロゴ決定!:6Gではどの周波数が使われるか?
#6G, #光無線/テラヘルツ
3. ソフトバンクの6Gに向けた技術開発の取り組み
ソフトバンクの先端技術研究所では、6Gにおいて標準化が見込まれる各種領域におけるさまざまな技術開発を進めています。
◾️通信とセンシングの融合
5Gでは、多数のデバイスが同時に接続するIoTの基盤技術が発展しましたが、6Gではさらに進化し、通信とセンシングの技術の融合が進みます。これにより、環境情報のリアルタイム収集と伝送が可能となり、スマートシティの実現や高度なモニタリングシステムが構築されます。先端技術研究所では、5G基地局を使ったセンシングによる人や車の位置情報取得の実験など、通信とセンシング融合の普及に向けた取り組みを行っています。

2024.03.22
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6G時代の新しい電波の使い方~通信とセンシングの融合~
#6G, #光無線/テラヘルツ
◾️通信とAIの融合
6Gでは通信とAIの融合が進みます。これにより、AIがリアルタイムで通信ネットワークを最適化することで、より効率的で信頼性の高い通信が実現されます。ソフトバンクが推進しているAI-RAN構想は、AIアプリケーションと無線アクセスネットワーク(RAN)を同じコンピューター基盤の上に統合する新しいアーキテクチャーです。AI-RANのコンセプトの一つであるAI for RANは、AIを駆使してRANを高機能・高品質化することを目指しています。特に、これまで最適化のアプローチが少なかった、Layer1と呼ばれる無線の信号処理部分でのAIによる最適化がターゲットになっています。AI for RANを実現するための技術やアイデアは、5Gでも6Gでも多くの部分で共通化可能と考えられるため、6Gの標準化や実装においても重要な役割を果たします。
◾️ユビキタス接続
6Gにおける、場所や時間に依存しないユビキタス接続を実現する技術としてNTN(Non-Telestorial Network, 非地上系通信)が注目されています。
先端技術研究所は、世界中の人々やあらゆるモノがつながる社会を実現するため、成層圏通信プラットフォームであるHAPS(High Altitude Platform Station)の技術の研究開発に取り組んでいます。

2023.02.22
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空飛ぶ基地局「HAPS」の早期実現に向けた取り組み
#HAPS

2024.05.22
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成層圏から広がる通信ネットワーク:ギジュツノチカラ - HAPS技術の進化編 -
#HAPS, #イベント
◾️高速大容量通信、超信頼低遅延通信、多数接続のさらなる進化に向けた取り組み
テラヘルツ通信
テラヘルツ波と呼ばれる極めて高い周波数帯(0.1〜10THz)を利用する通信技術の研究開発を進めています。テラヘルツ波により、データ転送速度は飛躍的に向上することが期待されています。先端技術研究所では、テラヘルツ通信用のアンテナを開発し、屋外での実証実験を進めるなど、テラヘルツ通信の実用化に向けた取り組みを行っています。

2023.02.22
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移動通信でのテラヘルツ帯の利用に向けた取り組み
#6G, #光無線/テラヘルツ

2024.06.04
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6G時代の周波数「テラヘルツ」を用いた屋外のエリア構築に成功 〜未来の車両通信を見据えたエリアを実現〜
#6G, #光無線/テラヘルツ, #コネクテッド

2024.09.19
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テラヘルツ 連載シリーズ:第1回 テラヘルツとは何か
#6G, #光無線/テラヘルツ

2024.12.06
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テラヘルツ 連載シリーズ:第2回 テラヘルツの通信規格とそのポテンシャル
#6G, #光無線/テラヘルツ
光無線
テラヘルツよりもさらに高周波である「光」を使った通信の研究開発を進めています。光無線は直進性が高く、電波の干渉もないため、高いセキュリティーを確保した超高速・大容量の通信が可能となり、多様な用途での活用が期待されています。

2023.06.15
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光無線通信の研究開発
#6G, #光無線/テラヘルツ
セキュリティー
量子コンピューターの導入などによりコンピューターの計算能力が飛躍的に向上することに伴い、従来の暗号方式が解読されることが懸念されています。先端技術研究所では、そのような将来のリスクに備えて、耐量子暗号技術の研究開発に取り組み、盗聴が理論的に不可能な暗号通信の実現を目指しています。

2024.04.12
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ソフトバンクのPQC ~量子コンピューターの到来に備えて~
#6G, #量子技術
先端技術研究所では、上述の取り組み内容のほかにも多くの技術分野に取り組んでいます。これからも、6Gの実現に向けて研究開発のスピードを加速させ、人々の生活をより豊かで安全にし、社会全体の発展に貢献してまいります。