スマホを固定電話化するとは? メリットと方法を詳しく解説

2025年2月17日掲載

スマホを固定電話化するとは? メリットと方法を詳しく解説

近年、企業の電話を取り巻く環境は急速に進化しています。そのためPBXの老朽化、オフィス移転などを機に、電話システムの見直しを検討する企業が増えています。特に、固定電話の代わりとしてスマートフォンを活用する「スマホの固定電話化」は、コスト最適化や利便性向上に寄与する有力な選択肢です。本記事では、スマホを固定電話として使う方法、メリット・注意点、コストについて詳しく解説します。

目次

スマホの固定電話化とは?

スマホの固定電話化とは、「従来の固定電話システムをスマホの機能と統合し、固定電話としての役割をスマホで代替すること」です。これにより、物理的な固定電話機を設置せずに、スマホを使用して内線・外線通話を行うことが可能になるほか、場所を問わずに固定電話番号で発着信ができるようになります。企業においては、従業員が持つスマホを活用し、オフィス内外で一貫した電話環境を提供することで、柔軟な働き方やコスト削減を実現します。

スマホを固定電話化することのメリットと注意点

スマホを固定電話化することで企業にとってはさまざまなメリットがあります。

メリット

(1)コスト削減
固定電話機器の購入や設置費用、維持管理コストを削減できます。また、スマホ同士で内線通話が可能になるため、出張や外出中のオフィスにいない従業員とも通話料無料でコミュニケーションをとることができ、通話料削減が可能です。なお、固定電話の代わりにスマホを導入する場合には初期費用が必要になりますが、既存のスマホを利用する場合には初期費用も削減できます。

(2)柔軟な働き方の促進
スマホを活用することで、リモートワークや外出先からでの業務が容易になります。また、台風などの災害時にも従業員は場所を選ばずに対応できるようになるため、業務効率が向上します。

(3)顧客満足度の向上
入電時に担当者が外出中で不在の場合、電話取り次ぎや状況の確認に時間を要しますが、スマホを固定電話化すればどこにいても着信が可能となり、スムーズな顧客対応が可能になります。また、電話の取り逃がしが減り、取り次ぎのタイムロスもないため適切なタイミングで顧客対応が可能となり、ビジネスチャンスを逃すリスクを軽減します。

(4)スケーラビリティ
社内の物理的な配線工事が不要となり、台数変更や設定が容易にできるため、企業の成長や変化に応じて、電話回線や機能を柔軟に拡張・縮小できます。急な業務拡大や縮小にも迅速に対応可能です。

注意点

(1)セキュリティ対策
スマホを使用することにより固定電話網ではなくインターネット経由での通信となるため、適切なセキュリティ対策が必要です。それには暗号化やアクセス管理を徹底し、情報漏えいや不正アクセスを防止する対策を講じることが重要です。また、スマホは持ち出しが容易で利便性が高いため、紛失や盗難のリスクにも備える必要があります。

(2)通信環境の整備
有線ではなく、スマホの通信回線やインターネット回線を使用するため、電波の届きにくい場所では固定電話機よりも通話品質が不安定になる可能性があります。通信が不安定だと通話が中断したり、ハウリングやノイズ、ラグが発生してしまうため、特に構造物の中や地下などでは回線速度や帯域幅を十分に確保し、通話品質を維持するためのネットワークインフラを整備する必要があります。

(3)従業員の教育
新しいシステムやスマホの導入に伴い、従業員への教育が不可欠です。スマホ固定電話化に伴う操作方法やトラブルシューティングの研修のほか、、従業員の不注意などで情報が漏えいすることがないように、従業員のITリテラシーや情報セキュリティ意識を高めるような教育も必要となります。

スマホを固定電話化する方法

スマホを固定電話として活用する方法には、主に以下の4つがあります。

  1. 1電話転送サービス
    固定電話番号にかかってきた電話を登録してあるスマホの番号に転送する方法です。すでに固定電話を所有している場合は、オプションサービスに申し込むだけで社外にいてもスマホで対応できるようになるので手軽に利用できます。
  2. スマホ連動機能を搭載した電話機の使用
    スマホ連動機能は、アプリやBluetoothを使って固定電話とスマホを連動させ、どこにいてもスマホを固定電話の子機のように扱える機能です。機能を搭載した電話機を購入することですぐにスマホを固定電話として利用できます。
  3. 固定電話番号取得サービス
    固定電話番号取得サービスとは、物理的な電話回線を引かずにスマホに専用のアプリを入れて固定電話番号を使った発着信を可能にするサービスで、アプリをインストールするだけで簡単に利用できます。具体的にはインターネット回線を使用するIP電話を使います。
  4. クラウドPBXの導入
    クラウドPBX(パブリック・ブランチ・エクスチェンジ)は、物理的なPBX(構内交換機)の機能をクラウド化し、インターネットを介して電話システムを提供するサービスです。これによりスマホだけでなくPCでも固定電話番号を使った通話が可能になります。オフィス内外を問わない内線通話や、自動応答(IVR)、通話履歴管理、録音機能、外部ツール連携(CRMやチャットツール)など、サービスによって多彩な機能があります。複数拠点での内線管理や複数番号の一元管理が必要な場合や、遠隔地の従業員にも社内電話番号を付与したい場合、コールセンター業務や顧客管理システムと連携して通話分析を行う場合などに最適です。
項目
メリット
デメリット
電話転送サービス
オプションサービスに申し込むだけで手軽に利用開始できる。
転送登録できる電話番号は1つのみ。複数端末で受信し取り次ぎ業務を行うには不向き。転送通話料金が発生する。
スマホ連動機能搭載電話機
新たに電話番号を取得しなおす必要がない。
機能が搭載された電話機を新たに購入する必要があり、一般電話機より高額のためコストがかかる。
固定電話番号取得サービス(IP電話アプリ)
導入の手間や初期費用が抑えられる。国内なら通話料金が均一。
通信環境によっては通話品質が低くなる可能性あり。これまで使っていた固定電話番号を引き継げない可能性あり。導入時に既存の顧客へ新たな電話番号を周知する必要がある。緊急電話やフリーダイヤルに発信できない。
クラウドPBX
PBXの導入・運用費用や工事に関する費用を大幅に抑えられる。外線通話や転送を内線通話で実現することにより通話料を削減できる。インターネット接続できればどこでも通話が可能。オフィスのレイアウト変更などが容易にできる。
通信環境によっては通話品質が低下する可能性あり。セキュリティ対策が必要。

スマホを固定電話化する方法はいくつもありますが、コスト最適化や柔軟な働き方などを実現するためにはクラウドPBXやFMCサービスの利用がおすすめです。

※ FMC(Fixed-Mobile Convergence)サービス
FMCサービスは、固定電話とモバイル電話の統合を実現する技術です。これにより、スマートフォンを利用しながら固定電話の機能を維持できます。例えば、自宅やオフィスから外出先まで、一貫した電話番号での通話管理が可能となります。

クラウドPBXやFMCを利用する際にかかるコスト

スマートフォン固定電話化の導入にかかるコストは、選択するサービスや規模によって異なりますが、主なコスト要素は以下の通りです。

タイプ
初期導入費用
月額費用
維持管理費用
クラウドPBX
発生するが、従来のPBXより低コスト
利用する回線数や機能に応じた料金プランが一般的。スケーラビリティにより、必要に応じて調整が可能。
長期的なコスト削減が見込まれる
FMC
統合管理システムの費用が必要
固定電話とモバイル電話の統合プランにより、ランニングコストが高い固定電話を削減可能。外出先でも無料の内線通話を活用して通話料の削減ができる。
長期的なコスト削減が見込まれる

まとめ

スマホの固定電話化は、企業の電話環境を効率化し、コスト最適化と柔軟な働き方を実現する有力な手段です。クラウドPBXやFMCサービスを活用することで、最新の通信技術を導入し、ビジネスの成長を支援します。

さらに詳しい情報や導入ガイドについては、「クラウドPBXサービス選定ガイド」や「FMC・UCサービス 導入ガイド」のホワイトペーパーをご用意しております。ぜひダウンロードして、貴社に最適な電話環境の構築にお役立てください。

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