香川県三豊市様 ConnecTalk導入事例

2023.01
自治体DXの新たな1歩。クラウドPBXとスマートフォンで、職員と市民の満足度を向上

お客さま
香川県三豊市

従業員規模
501~1,000人

業種
公共


導入前の課題

部署間のコミュニケーションを改善するためにフリーアドレス化したものの、固定電話があるため席を自由に選べず、当初の課題が改善されなかった。

導入後の効果

固定電話を廃止し、スマートフォンで内線・外線を利用できる環境を整備。席を自由に選ぶことができ、部署間のコミュニケーション向上につながった。

導入前の課題

旧来の固定電話では取り次ぎの手間がかかり、市民からの電話も待たせてしまうことがあった。

導入後の効果

「ConnecTalk」では職員に貸与しているスマートフォンで直接電話を受けられるため、取り次ぎの必要がなくなり、電話越しの相手を待たせる時間が減った。


目次


固定席や紙に阻まれたコミュニケーション

瀬戸内に面する香川県・三豊市。働く人が座席を自由に選べるフリーアドレスを全国自治体の先駆けとして導入しています。市がオフィス改革を行なったのは2020年のことでした。総務課で庁内システムやネットワークの運用を担当している佐藤晃斗氏は、以前の執務室内の状況はコミュニケーションが取りにくかったといいます。

「以前は紙の文書量も多く、課と課の間に文書キャビネットが立ち並んでいました。隣の課の人に話しかけたいが囲まれていて声をかけにくい、紙が自分の席にあるため自席でしか業務ができないという状況でした」(佐藤氏)

こうした状況を見直し、ペーパーレス化や働き方改革を推進するために2階フロアをフリーアドレス化することになりました。それにあわせて、PCを持ち運び可能な小型なものにしたり、無線LANの整備や会議室に大型ディスプレイを設置したりといった各種改革も行ったといいます。しかし、解決しなかった課題もありました。

「フロアに残っていた固定電話を内線番号に紐づけて配置をしなければならず、結局、職員がその座席に座らないと電話対応ができない状態が続いてしまいました。また、固定電話だと取り次ぎも発生してしまい、市民の方々をお待たせすることもありました」(佐藤氏)

三豊市役所本庁

三豊市役所本庁

クラウドPBXで固定電話を撤廃

課題解決のために検討したのがクラウドPBXだったと佐藤氏は続けます。

「PBXが老朽化し更新時期を迎えていたため、そのまま更新するかクラウド化するか検討を行いました。当時PBXの管理は別部署が担当していましたが、デジタル化にむけて総務課が全面的にサポートすることとなりました。総務課としては単にデジタル化するだけでなく、職員が働く上での利便性の向上と住民サービスレベルの維持という両天秤を実現させたかったため、両立できる形を考えました」(佐藤氏)

検討の末、「ConnecTalk」を導入。同時にほとんどの固定電話を廃止し、職員に貸与したスマートフォンで内線や外線を受発信できるようにしたといいます。「ConnecTalk」は物理的なPBXを必要としないため各種の設定がWeb上で行うことができるため、管理者の負担も大きく削減されたようです。導入以降、業務が大きく変わったとスマートフォンを管理・運用する前田氏は話します。

「本人の端末で直接電話を取ることができるようになり、電話の取り次ぎの負担がなくなりました。そのため、市民の方々をお待たせすることも減りました」(前田氏)

自由に打ち合わせができるフリースペース

自由に打ち合わせができるフリースペース

「座席を選べることにより、例えば、今週はこの業務があるからこの人と一緒にチームを組んで座ろうなど、自由な座席の選択ができるようになりました。固定電話をスマートフォンに変えたことで、フリーアドレスをしっかり活用できるようになったので部署間のコミュニケーションも以前より増えたと思います」

三豊市役所 総務課 佐藤晃斗氏

また、管理者の負担も大きく削減されたといいます。

 「従来の構内PBXは定期的に業者に依頼し設定変更する必要がありましたが、自分で管理画面から設定ができるようになりました。職員の異動などがあった際の設定変更も楽になりました」(佐藤氏)

 「以前は人事異動などでレイアウト変更があると電話線の配線作業があったのですが、今はなくなりました。Webの管理画面もとてもスムーズです。システムのアップグレードを随時行ってもらえることもクラウドならではだと思います」(前田氏)

 セキュリティに関しては、情報漏えい対策や不正使用防止など管理者側でスマートフォンを一元管理できるBCDM(ビジネス・コンシェル デバイスマネジメント)を利用して管理運用しています。

「管理者でポリシー設定を行い業務に関係ないアプリは制限しています。逆に、それ以外の部分に際立った制限はかけていません。スマートフォンを便利に活用してもらうために、こんな風に使いたいという声があった場合は、できるだけ取り入れて使ってもらえるような体制を取っています」(前田氏)

自由に打ち合わせができるフリースペース

電話に気付きやすいようにスマホスタンドを一緒に貸与。

 クラウドPBXとスマートフォンの導入にあたっては、反対意見もあったと前田氏は語ります。

 「今までの形で業務が成り立っていたので、それを大きく変えることに抵抗のある職員も少なからずいました。しかし、実機を用いた操作デモや説明会を何度も行ったり、スマートフォンを事前配布して操作に慣れてもらうなど、職員が混乱しないように配慮することでスムーズに移行することができました」(前田氏)

クラウドPBXの思わぬ効果

 固定電話からの切り替えにより導入したスマートフォンで、思わぬ利活用も生まれたといいます。

 「スマートフォンのビデオ通話を使うことで、外出している職員が倒木の様子や水道管破裂の状況などの現場の状況をわかりやすく伝達できるようになりました。また、外国人の方が窓口にいらした時には、翻訳アプリを利用することでスムーズなコミュニケーションができるようになりました。チャットツールを利用する際も、以前はPCでしか利用できなかったものがスマートフォンでも使えるようになり、やり取りしやすくなりました。電話に出られない時には伝達事項を活字に残して伝えるなど、スマートフォンのアプリを利用することで働き方も変わっていきました」(前田氏)

誰でも使えるデジタルを目指し、市民に還元していく

 この業務改善の目指す先にあるのは、住民サービスの向上です。今回の取り組みを主導した三豊市長・山下昭史氏は、次のように語ります。

 「役所としてデジタル化を行う意義は、市民の方々に『書かせない』『来させない』ということにつなげるためです。市民の皆さんにとって、書類をたくさん書かないといけなかったり、わざわざ役所に来なければならなかったりということは大変なストレスです。市民のストレスをなくすことにつなげられるなら、役所のデジタル化を進めるべきだと思っています」(山下氏)

自由に打ち合わせができるフリースペース

2階総合受付の奥側がフリーアドレス化された執務スペース。

 その上で、最終的に目標としている姿について山下氏は話を続けます。

 「人に優しいデジタルでないといけません。PCでもスマートフォンでも『使われている感』があるとストレスになります。普通の生活の背景にデジタルがあるというのがあるべき姿です。これをまず役所が実現することで、そのモデルケースが周囲にも伝わっていくのがよいのだと思っています」(山下氏)

「自治体におけるデジタル化は働き方の見直しからスタートしています。職員自らのワークライフバランスを考え、生産性を向上させ、作業スピードを上げ、時間を作ることに一気に動きました。ただ、そのことが市民サービスの向上につながらないと意味がありません」

三豊市長 山下昭史氏

 最先端のコミュニケーション技術は、住民に一番近い行政の窓口から、人に寄り添うようなあり方を理想として、地域社会へと浸透されつつあるようです。

お話を伺った方

三豊市長 山下昭史 氏

三豊市長
山下昭史 氏

三豊市役所 総務課 副主任 佐藤晃斗 氏

三豊市役所 総務課 副主任
佐藤晃斗 氏

三豊市役所 総務課 主事 前田龍匡 氏

三豊市役所 総務課 主事
前田龍匡 氏

こちらから資料をダウンロードしていただけます。

本事例での導入サービス

ConnecTalk

拠点間の内線通話をシームレスにつなげたり、外出先でもオフィスの電話を受発信できます。PBXのクラウド化により初期投資を抑え、高音質なVoLTEを活用することで安定性のある通話環境を構築します。

ビジネス・コンシェル デバイスマネジメント

iOS、Androidなどのスマートフォンやタブレット端末だけでなく、4GケータイやPCも含めてリモートで一元管理できるデバイスマネジメント(MDM)サービスです。

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