宮園 香代子と越 直美と木戸 あかりの写真

人材戦略
女性活躍推進が切り拓く
ソフトバンクの未来

  • 宮園 香代子の写真
    宮園 香代子
    コンシューマ事業統括
    東日本エリア営業本部 本部長
    広告代理店勤務を経て2002年J-フォン(株)に中途入社し、マーケティング・広告宣伝業務に携わる。2017年コミュニケーション本部長に就任。2020年より東日本エリア営業本部長。社内の女性リーダー育成のメンタープログラムでメンターを務めている。
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    越 直美
    社外取締役
    弁護士、大津市長を経て2021年6月より当社社外取締役。弁護士として国内外での豊富な知識と経験を有しているほか、地方自治体における取り組みや女性活躍推進の支援など多様な活動に携わっている。2021年7月に発足した「女性活躍推進委員会」にアドバイザーとして参画している。
  • 木戸 あかりの写真
    木戸 あかり
    コーポレート統括 人事本部
    人事企画統括部 人事企画部
    ダイバーシティ推進課 課長
    現・SBヒューマンキャピタル(株)に新卒入社し、求人広告営業を担当。ソフトバンク入社後は組織人事などを経て、人材戦略部門へ異動。女性活躍推進に関する取り組みを始め、2017年からは全社的なダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(包摂)の推進を担う。

ソフトバンクは、人々の価値観や考えが多様化するなかで、企業価値の向上と持続可能な社会の実現には、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(以下、DE&I)の実現が重要と考えています。その取り組みの一環として、2036年3月期までに女性管理職比率20%の目標を掲げ、女性の活躍を推進しています。越社外取締役、コンシューマ事業統括の宮園本部長、ダイバーシティ推進に取り組む木戸課長の3人が、女性活躍の必要性と目標達成に向けた取り組みなどについて語りました。

多様な意見を取り入れることが組織の成長につながる

宮園

私は大学卒業後に広告代理店に勤めていました。そこは中堅規模の会社だったこともあり、最初は男女ともに同じような仕事を任されていましたが、時が経つと同僚の男性が何人もキャリアアップで転職をしていきました。一方で、女性にはそういうチャンスが少なく、何か自分だけの強みを持たないとキャリアアップしにくいと感じていました。
その後、転職で入社したJ-フォン(株)が現在のソフトバンクでのキャリアにつながっています。初めて管理職を打診された時は大きな不安を感じましたが、当時の上司が男女の区別なく仕事を任せてくれ、「大丈夫だよ」と後押ししてくれたのが大きなきっかけとなり、管理職としての自分の形を見つけてきました。ソフトバンクは会社自体が非常にスピード感もありますし、最新のテクノロジーで社会を変えていこうという考えを持っているので、男女を問わず活躍したいという意志のある人たちをサポートすることが、会社の成長の原動力にもなっていると感じています。

木戸

私は、5年程前ソフトバンク社内でDE&Iや女性活躍推進の取り組みを本格化するタイミングで管理職になりました。当時、管理職に占める女性の割合の目標設定をするために、仕事への貢献度と昇進の関係性などを確認しました。その結果、評価では男女差が見られなかったが、上位の役職への認定では、男性が女性を上回るということが分かりました。この差に純粋な疑問を感じ、それが現在の取り組みにつながっています。

私は、滋賀県大津市で市長を務めました。その経験に基づいて、女性を含む多様な意見を取り入れることが、組織の成長につながると考えています。
一つ目の例としては、市長時代に取り組んだ保育園の待機児童の解消についてです。私が市長に立候補した動機は、女性が仕事か子育てかの二者択一ではなく、どちらも自由に選択できる社会をつくりたいということでした。以前アメリカの法律事務所で働いていたとき、男性の弁護士が育休を取るのに驚きました。当時、日本では、50%から60%の女性が第一子出産後に仕事を辞めていました。そのような状況を変えたいと思い、市長を務めた8年間で54園、約3,000人が通う保育園などをつくりました。女性の意見を聞いて取り組んだことが、社会の課題の解決につながったと感じています。
二つ目は市長時代の市役所での経験です。市役所という組織は終身雇用、年功序列が前提で、何かを変えようとするときに、変化への抵抗がありました。人口減少社会に入り、今までのやり方を変えなければならないのに、画一的な組織で同じことを続けていると、外の変化が見えにくくなり、考え方も硬直化してしまうと実感しました。当時男性の管理職が多かったのですが、組織が前に進んでいくためには、女性や若者などの多様な意見を取り入れていくことが必要だと思いました。

いつもさまざまな人たちの意見を取り入れることで成長してきた

宮園

世界の情勢が激しく動いているだけでなく、ソフトバンクが事業を展開しているICTの業界は、テクノロジーの進化、市場環境の変化がとても激しい業界です。その中でソフトバンクがリーダー企業として世の中を引っ張っていくためには、絶対的に多様性が必要だと思います。越さんのお話にもある通り、画一的な考えの人だけに偏ると、昔はこうだったよね、だからこのまま続けようとなりがちですが、女性活躍も含めた多様性の視点を受け入れることによって、変化に敏感に対応でき、さらにはさまざまなアイデアやイノベーションの芽が生まれるのだと思います。ソフトバンクは時代の変化をリードしていくことで世の中から求められてきた会社です。女性活躍推進による多様性の拡大は、会社が発展していくだけでなく、社会に貢献し「情報革命で人々を幸せに」していくというソフトバンクの大きな理念を実現するためにも、重要な視点だと思います。

木戸

人事の目線でいうと、会社の成長にはやはり人の成長が切り離せません。人の成長のためには、その人の個性が生かせるような多様性を受け入れることが大切です。今回は女性活躍というテーマで話していますが、本来は、女性の中にも差異があり多様性があります。その中で現在は、ダイバーシティ推進の一丁目一番地といわれる女性活躍にフォーカスしています。
話は少し変わりますが、ソフトバンクの歴史を振り返ると、最初はパソコン用ソフトウエアの卸売業から始まり、その後、インターネット、移動通信サービスに加えて通信以外の領域へと事業を拡大してきました。ソフトバンクにおいては、さまざまな事業経験を持つ人々が融合すること、すなわち関わる人々の多様性によって会社の変化と成長を実現してきたと思っています。この歴史が示す通り、女性活躍推進やDE&Iによって新たな多様性を取り入れていくことは、ソフトバンクのさらなる成長にとって大切だと考えています。

外部の目線でいうと、女性活躍の推進は企業価値の向上に直結すると考えています。例えば、ソフトバンクの現在進めている「Beyond Carrier」戦略では通信領域以外の新しいビジネスを生み出すことに取り組んでいますが、多様な視点を生かすことによって、これまでにない新しいものを生み出すことができると考えています。人口の半分を占める女性のニーズを捉えれば、新しいビジネス、「Beyond Carrier」の先のイノベーションが生まれると期待しています。

一歩踏み出す勇気の後押しや働き方の改善が必要

木戸

ソフトバンクで女性活躍に具体的な数値目標(女性管理職比率20%)を設定したのは2021年です。社員に占める女性の割合を参考に設定しました。
この目標を達成していくにあたり、宮川社長のオーナーシップのもと、役員や外部の有識者などで構成する「女性活躍推進委員会」を設置しました。現在は、KPIに設定した女性管理職比率をテーマに、現状の分析や課題の把握、今後取り組むべき施策に関して議論しています。役員が直接、組織内の女性や女性管理職の声を聞くラウンドテーブルのような機会を設け、生の声から課題を抽出しています。
アンケート調査からは、女性社員が管理職になりたいと希望する率は男性より低く、その背景には働き方の慣習の問題や自信のなさなどがあるということが明らかになりました。

宮園

木戸さんが課題として挙げた、女性社員が管理職になりたいと希望する率が低いという点を解決するには、職場環境の改善に加えて女性自身の意識も変えていく必要があると感じています。私自身も管理職を打診されたときには、務められる自信はありませんでした。ただ、自信は待っていれば出てくるのかというとそういうものでもありません。自信というより、一歩踏み出す勇気を持ってもらうのがすごく大事だと思います。一歩踏み出してやってみたら、意外とできたと感じることが大切なんです。それは管理職への昇進に限った話ではなくて、一つ一つの仕事でも同じです。私は、一歩踏み出す後押しをできるような活動をしていきたいと思い、所属している営業組織における女性向けのキャリアセミナーやメンバーとの対話の中で意識改革につながるようなことを話しています。

女性活躍推進のためにトップのコミットメントができている

ソフトバンクは、女性活躍推進のKPIである女性管理職比率20%の達成に向けて、私が大切と考える四つのポイントにしっかり取り組んでいると考えています。
一つ目が、トップのコミットメントです。私は社外取締役としてソフトバンクに関わり、女性活躍推進委員会にも出ていますが、さまざまな場面で宮川社長が強くコミットされていることを感じます。そして、宮川社長のリーダーシップによって、役員も、現場で推進していくリーダーも本気で取り組んでいることを実感します。加えて現場の女性の声に基づくボトムアップの取り組みも進んでいるのがとてもよいと思っています。
二つ目のポイントは、現状分析がしっかりできていることです。収集したデータやアンケートの結果などを分析し、課題を抽出することが非常に進んでいて、その結果、客観的に見ても、目標達成へのアプローチがきちんと進められていると考えています。
三つ目は制度です。人の認知行動において避けて通れないアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)に関する理解を深めるための研修やe-learningの実施に加え、法定を上回る育児支援制度が準備されています。育児を含めたさまざまな制度が、女性だけではなくて男性にも適用され、社員みんなが働きやすい環境となっています。
最後の四つ目は、宮園さん、木戸さんの話にもあった意識の問題で、これがまさにこれから取り組むべきことです。これはソフトバンク特有の問題ではなく、日本社会全体の問題ともいえます。具体的には、女性活躍は女性に頑張れと言うのではなく、まずは上司の意識が変わるべきです。もう一つは、女性の「自信」の問題があります。これは、会社に入る以前の教育の問題でもあり、時間はかかりますが、日々取り組んでいかなければなりません。例えば、ソフトバンクの女性社員からの提案で新たに設けた「女性から発動するコワーキングスペース」のような場は、仕事のおもしろさや悩みを率直に語り合うことで、意識の変革に寄与すると考えています。

早期に目標達成を目指し、企業としての成長を促進したい

私は、ソフトバンクにとって人材は宝と考えています。女性でも、男性でも、子育てをされている人も、介護をされている人も、外国人やLGBTQ(性的少数者)や障がいのある方も、あらゆる人が働きやすい環境をつくることは、取締役の責任と自覚しています。

宮園

正直、現在のソフトバンクは、女性活躍推進という観点で見ると本当にヨチヨチ歩きだと感じています。一方で、こうやると決めたら必ず期限の前に実現する力のある会社でもあります。宮川社長自らのコミットメントで女性活躍推進が加速したからには、2035年といわず、今から10年を待たずして目標達成ができるのではないでしょうか。そのために私自身も、女性社員が一歩踏み出せるような後押しや意識の変革などに助力できればと考えています。

木戸

今回の話では、女性の活躍推進が中心でしたが、究極の目指す姿はDE&Iであり、社員一人一人がありのままの自分を偽らず活躍できる会社になることです。女性活躍推進をきっかけに、そういった企業風土を醸成し、企業としてさらに成長したいと思っています。